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2019年1月4日金曜日

2015年9月 一般質問議事録 国民健康保険

国保税、高いよね。なんとかならないの



会 議 の 記 録
                               平成27.9.2
                           
議     長  続きまして、7番 尾尻孝和君。
尾 尻 孝 和  国民健康保険税の町民負担軽減への町の努力について伺います。
 国民健康保険は、社会保障及び国民保険の向上を目的とし、国民に医療を保障する制度です。その制度が町民の生活苦に追い打ちをかけ、命を脅かすことなどあってはなりません。町民の命と健康、暮らしを守り、国保本来の役割を取り戻すことが求められます。
 1、国保の財政悪化と高過ぎる国保税を招いている原因は、国の予算削減です。1984年、当時の自民党政府は、国保への国庫負担を大幅に引き下げ、その後も国保の事務費や保険料軽減措置など、国庫負担を縮小・廃止してきました。その結果、国保の総会計に占める国庫支出の割合は、1984年度の50%から26.5%に半減しています。町として、国保の国庫負担増を求めての取り組みは。
 2、国保の運営主体である町が、国の圧力のもとでも町民の立場で国保税の値下げ・抑制の努力を続けることが求められます。この取り組みは。
 3、安倍政権は国保の運営主体を県に移し、町の一般財源からの繰り入れの削減、国保税の値上げ等につながる平準化を進めようとしているが、これへの対応は。
 以上3点について伺います。
町     長  7番 尾尻議員の国保税軽減への努力をの質問にお答えいたします。
 国民健康保険制度は、国民医療を支える制度として非常に重要な役割を担っていますが、構造的な問題や保険給付費の増加により、国保制度をめぐる状況は極めて厳しいものと認識しているところです。
 1点目の国保の国庫負担増を求めての取り組みはの質問についてお答えいたします。国保事業における国庫支出金は、国保財政を安定させるために重要な財源であることは言うまでもありません。現在、市町村国保の財政運営については限界に達している状況であり、国庫負担増も含めた構造的な問題を解決しなければ、制度運営が困難な状況です。
 このようなことから、町では神奈川県町村会の国・県に対する要望等において、国費の大幅な追加投入による財政基盤の強化等を求めており、今後も必要に応じ、国・県に対して要望をしてまいります。
 2点目の、国保税の値下げ抑制の努力を続ける取り組みはについての質問につきましては、御承知のように国保事業の運営に要する費用は、国・県からの負担金及び支出金等を除き、原則として受益者である被保険者の方から納付いただく保険税にて賄うこととなっています。
 当町の国保税は、平成19年度に改定以降、一般会計からの法定外繰り入れや基金の取り崩し等により、税率改定は行ってきませんでしたが、基金も底を尽き、増加する保険給付費に対応するため、昨年度、7年ぶりに税率改定を実施したところです。
 しかしながら、国保の財政運営は年々、厳しさを増しており、基金も少額なことから、被保険者の負担軽減のため、町としても厳しい財政状況の中、継続して一般会計からの法定外繰り入れにより、保険税の抑制に努めているところであります。
 また、国保税の引き下げにつきましては、今後の保険給付費増や一般会計予算もさらに厳しさが増すことなどを考慮しますと、それらに対応するためには保険税の改定も検討する必要がある状況であり、このような現状下では、国保税の引き下げについてはできないものと考えております。
 3点目の、国保の運営主体を県へ移し、町の一般財源からの繰り入れの削減、国保税の値上げにつながる標準化を進めようとしているが、これへの対応はについての質問につきましては、平成30年度から財政運営の強化等を目的に、国保の財政運営が県に移管されることになっております。
 これを機に、国は毎年、3,400億円の財政支援を実施することとしており、3,400億円のうち、平成27年度からは低所得者に応じた自治体への財政支援として、1,700億円の支援を実施することにより、国保の赤字体質の改善を図るとしています。
 保険税については、県が定めた標準的な算定方式を参考に保険税を定めるとしておりますが、税率の決定は市町村の判断にゆだねられています。また、法定外繰入金の禁止規定はないと理解しております。
 いずれにしましても、現段階では町が県に納める分賦金の額が示されていないことから、保険税法定外の繰り入れがどの程度必要なのか不透明であり、今後示される額により、必要な対応を行ってまいりますので、御理解賜りたいと存じます。
尾 尻 孝 和  町が運営する国保は、他の医療保険に加入しない全ての町民に医療を保障する制度です。現役時代は健保や共済に入っていた町民も、年金生活になると多くは国保に加入します。国保は、誰もが一度はお世話になる医療制度であり、町民のおよそ3人に1人、3,132人が加入している医療保険です。
 国民健康保険法には、「社会保障と国民保険の向上に寄与する」と書かれており、国の責任で国民に医療を保障する、そういう制度です。ところが、この大事な制度が、高過ぎる国保税によって町民を苦しめる事態が起こっております。
 日本共産党中井支部では、昨年秋、町民アンケートに取り組み、庁内の全戸に用紙をお届けしました。寄せられた回答の一部を紹介します。「最近の暮らし向きは」という問いに、「よくなっている」と回答された方が2%、「変わらない」が24%、「悪くなっている」と答えられた方は71%に上りました。長期にわたる経済成長の停滞や正社員の非正規雇用への置きかえなど、雇用者所得は減り続け、社会保障は切り詰められ、消費税は8%へ増税される。これらの影響を受け、町民の7割もの方が「暮らし向きが悪くなっている」、このように答えられています。
 アンケートでは、町に最も力を入れてほしい施策を各自3つ挙げてもらいました。その中で一番多かったのが、高齢者福祉や介護の充実、これが48%、次が国民健康保険税の引き下げ、これが41%です。そして子育て支援の充実21%、防災・災害対策19%。このようになっております。ここには厳しい生活の中で町民が町行政のどこに力を入れてほしいかが端的に挙げられております。
 なお、自由筆記欄には、町民の切実な声がたくさん記入されておりました。その中から国民健康保険に関する声を紹介しますと、ずばり「国保を安くしてほしい」という声、これは幾つもあります。「通帳を見るとため息が出る」、「一生懸命パートで働いているのに、3カ月分が飛んでいってしまう」、「何のために必死に働いているのか、どっと疲れが出てきます」。あるいはこんな方もおられます。「収入はほとんど年金だけ。国保税払うために生活切り詰めてます」。
 国保税負担のモデル計算を要請しました。年収300万円、夫婦と小学生、中学生が1人ずつの4人家族で、アパート住まいという設定で、この世帯の国保税が幾らになるかお願いします。
税務町民課長  お答えさせていただきます。ただいまモデルケースで年収300万、御夫婦と子ども2人、アパート住まいということの御質問のモデルケースでございます。これにつきましては、年収ですね、25万1,900円の税額となっております。
 なお、本モデルケースにつきましては、2割軽減の適用になっていることも申し添えさせていただきたいと思います。以上です。
尾 尻 孝 和  答弁にありましたように、年間国保税が25万1,900円。この世帯は、国民年金も夫婦2人分、年間37万4,160円。合わせて62万6,060円払っているわけです。
 中井町に住む夫婦と子ども2人の世帯の最低生活費、これを生活保護基準で計算してみましたら、269万9,160円でした。つまりこの世帯では、毎日の生活を生活保護基準以下に切り詰めることで、何とか国保税と年金保険料を払っている、こういうことになります。
 これは決して町内で特殊な事例ではないと思います。国保の税額を計算する基礎となる所得は、収入から必要経費、給与所得控除、そして基礎控除の33万円、これを引いて出された所得、これをもとに計算されています。配偶者控除ですとか扶養控除などは行わない所得をベースに計算されています。
 先ほど挙げたモデル世帯ですと、国保税額計算の基礎となる所得は159万円です。中井町の国保加入世帯の所得階層ごとの割合を調べていただきました。税務町民課長、お願いします。
税務町民課長  お答えいたします。中井町のですね、各所得ごとの階層割合ということで、一応世帯単位で御回答させていただきます。
 所得なしの割合、所得なしということは、例えば年金所得者で、国民年金とのかかわる所得はなしというような計算になりますが、そういったことも含めまして、22.9%。それから100万円未満が19.2%。所得200万未満が25.6%。それから200万から500万未満が26.8%。500万以上が5.5%というような数字となっております。以上です。
尾 尻 孝 和  今、お答えにありましたように、中井町で国保に加入している1,680世帯のうち、実に67.7%、3分の2の世帯が所得200万円未満となっております。先ほどのモデル世帯もここに含まれることになります。ちなみに国保税の算出の基礎となる所得200万円の世帯は、年間給与収入ではおよそ360万円です。
 ここに厚生労働省保健局がことし2月に発表した資料を持ってまいりました。市町村国保、協会健保、組合健保、共済組合の比較一覧表です。加入者の平均年齢は、国保の50歳に対し、他の健保は33歳から36歳。家族も含めた加入者1人当たりの平均所得は、国保が83万円、協会健保137万円、組合健保200万円、共済組合230万円であり、国保加入者は他の健康保険に比べ大体6割から4割以下の所得しかありません。しかもこの表で、国保のみが配偶者控除、扶養控除を行っていない所得で計算しているため、国保加入者はほかの保険加入者との所得格差はさらに大きいものと思われます。
 そして1人当たりの所得でほかの健康保険に比べ、6割から4割以下の国保が、1人当たりの保険料では他の健康保険の8割の額、このようになっております。明らかに国保加入者の負担は過酷なものになっております。
 さらにもう一つ。ここに同じく厚生労働省保健局が昨年5月に公表した国保の所得階層別の保険料負担率、こういう表を持ってまいりました。驚くことに、国保加入世帯の所得に対する国保税額の割合、これは所得なしの世帯を別にすると、低所得世帯ほど高くなっています。所得50万円未満の世帯が、この表では31%。50万から100万円未満の世帯が国保負担率が19%。150万円未満の世帯が16%。所得がふえるに従って、負担率は徐々に減って、450万から500万円未満の世帯が11%。これが保健局が発表した資料です。
 中井町ではどうなっておりますでしょうか。御報告お願いします。
税務町民課長  お答えいたします。所得階層ごとの保険税の負担率ということで、これにつきましても、基本的に先ほどモデルケースで示された家族構成の中での回答とさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 所得がですね、50万の方が税負担としては19%。これは5割軽減がかかっております。それから所得100万の方ですと、税負担14%。これも5割軽減の対象となっております。所得200万の方が13%。これは2割軽減の対象となっております。所得300万は13%。所得400万が12%というような数値となっております。以上でございます。
尾 尻 孝 和  今お話ありましたように、所得がふえるに従って税負担率が上がる…ごめんなさい、所得がふえるに従って税率が上がっていく所得税。このように払える能力のある人がより高い割合の負担をするという税負担の大原則、これが国保税では全く逆転して、所得が少ない世帯ほど、負担割合が高くなっています。これは介護保険制度のように、所得が生活保護基準以下に落ち込む場合の保険料減免制度が存在しないことや、子どもが多い世帯ほど負担増となる応益割保険税、こういった国保の制度的矛盾のあらわれでもあります。
 そしてこの厚労省保健局の資料によりますと、国保加入世帯の所得に対する保険税の割合、つまり保険税負担率は、2008年から2011年の3年間の間だけでも平均で11%から14%へと2割以上も上昇しております。
 このように、国民健康保険税の負担が重くなり、国保会計は年々厳しくなっております。なぜこれほど国保加入世帯の所得が少ないのか。別の言い方をしますと、なぜ所得の少ない人が国保に集中するのか。この間、労働法制の相次ぐ改悪をてこに、企業は正社員を減らし、可能な限り派遣や臨時社員などを使うことで利益をふやそうとしてきました。今や雇用者の4割は非正規で働いております。その多くが健康保険に入れず、国保加入者となっております。また、かつては国保加入者の多数派であった自営業者や農家では、経営の悪化が進んでおります。そして今では国保世帯主の3割は雇用者、4割は年金生活者などの無職者、このような方が占めております。
 事業主負担のない国保は、もともと適切な国庫負担なしには成り立たない制度です。国保事業の財源は、国から地方自治体に支出されるお金、各自治体が行う国保事業に対する補助金、そして加入者が払う保険税、この3つから構成されています。ほかの医療保険には5割の事業主負担がありますが、国保にはありません。
 したがって、政府が果たす責任は重要であり、政府が法律に基づき国保事業に対して責任を果たさなければ、国保は成り立ちません。国保税をこんなにも高くした最大の原因は、国の予算削減です。
 かつて国保の総会計に占める国庫支出の割合は、およそ50%でした。給付費ではなく、国保総会計に占める割合が50%ですね。中井町の過去の国保会計を調べてみましたら、1984年の制度改悪の前年、1983年の国保会計総額に占める国庫支出金の割合は52.54%でした。
 自民党政権は、1984年の制度改悪を皮切りに、国保の保険料軽減措置などに対する国庫補助を次々と縮減・廃止したり、都道府県調整交付金に移しかえて肩がわりさせました。その結果、国保の総会計に占める国庫負担の割合は、2009年度には24.7%。ついに半分まで減ってしまっております。
 その一方で、県や市町村の財政負担の割合は年々増加してきました。中井町では、国保会計に占める町の一般会計からの繰り入れの割合について、1983年度と今年度予算ではそれぞれ何%になっておりますでしょうか。お願いします。
税務町民課長  お答えいたします。国保会計総額に占めるですね、一般会計からの繰り入れということで、繰入額ということで御回答をさせていただきます。
 昭和58年度のちょっと数字なんですが、これにつきましては、繰入額がですね、約3.2%ということになっております。今年度の予算につきましては、8.8%ということです。以上です。
尾 尻 孝 和  ただいま報告にありましたように、中井町国保会計で町の財政負担割合は2.7倍に膨れ上がってきました。一方で、国の負担割合は半分に減っていると。これが事実です。低所得者が多く加入し、保険料に事業主負担もない国保には、適切な国庫負担が不可欠。これはかつて政府自身も認めていた国保財政の大原則です。
 2010年に開催された国保制度改善強化全国大会では、全国知事会、全国市長会、全国町村長会などの地方6団体も、従来の枠を越えた国庫負担割合の引き上げ、これを一致して決議・要求しています。
 また、国保の国庫負担増を求める市町村議会や市町村長の意見書も毎年100件を超えて提出され、その多くが1984年の改悪前の水準に戻すことを要求しています。
 冒頭、町長の答弁で、「国費の大幅な追加投入による財政基盤の強化等を求めており、今後も必要に応じ、国・県に対して要望してまいります」とのことでした。具体的にどのような手立てで求めていこうとされているのか。
 それから、求めていく姿勢にかかわってですが、国も大きな赤字を抱えて大変だし、無理だとは思うが、町も大変だから、こういうことで要請していくのか、それとも安倍政権の財政政策を切りかえることで、国保の国庫負担をふやすことは十分可能、こういう認識のもとに要請していくかで大きな違いが生まれてくると思います。
 政府の財政政策の具体例で少し触れたいと思います。2015年度には、消費税の増税分が国・地方合わせて8兆2,000億円となる見込みですが、このうち今年度予算で社会保障の充実に充てられたのは1兆3,500億円。16%にしかすぎません。自民党・公明党政権は、今回の消費税増税を進めるに当たって、消費税の増税分は全て社会保障へ、このように大宣伝しました。しかし行われたことは、消費税増税分の16%。
 この増税分は一対どこに消えたのか。1つは、大企業に対する減税のばらまきです。ここに1兆6,000億円。この穴埋めです。日本の大企業は、全体として史上最高の利益を更新し、内部留保も年々膨れ上がり、今や300兆円を超えようとしています。大企業は日本経済に大きな役割を果たしています。その力にふさわしい負担を果たすように求めることこそ、政治の役割ではないでしょうか。
 ちなみに法人税と法人住民税、法人事業税、この法人3税の税収が最も多かったのが1989年。消費税3%が始まったその年です。その後、法人税の減税が繰り返し行われ、法人税収はふえるどころか、26年の長きにわたって、一度も89年のこのピークを回復したことはありません。(私語あり)89年から現在までの消費税収の総額は304兆円。89年を基準にした法人3税の減少額の現在までの累計が263兆円。消費税率のほとんどが法人3税の減収の穴埋めに消えてしまっています。
 消費税増税分が向かったもう一つが軍事予算です。ことしの防衛関係費、4兆9,801億円。昨年度を大きく上回り、史上最高を更新しました。いわゆることしの予算で頭金を計上し、後の年に分割で予算計上する後年度負担、いわゆるツケ払いで、哨戒機、戦闘機、護衛艦、潜水艦、ミサイル、戦車…。
議     長  尾尻議員、質問内容が大分ずれておりますので、よろしくお願いいたします。
尾 尻 孝 和  はい。この後年度負担が大幅にふやされています。
 安倍政権の今年度予算に関連した3つの問題点を指摘しました。これらの部分を切りかえれば、国民の暮らし、福祉の予算は大幅にふやすことができる。政府の政策判断で予算は生まれる。この立場で国の要請を行う。国保会計に占める国庫負担を1984年の割合まで戻すことを何カ年かの目標にして取り組むよう要請していただきたいと考えます。
 町長は、中井町が1人言ったところで変わりはしない、このようには考えておられないと思います。全国どこの自治体も苦しんでおります。そして何より国保加入世帯が苦しんでいます。規模は違うかもしれませんが、国立競技場のように国民の声が政府の姿勢を変えたことはたくさんあります。全国の自治体と共同して、そして町民と一緒になって政府に国庫負担を元に戻すよう要請していただきたいと、このように考えますが、町長いかがでしょうか。
町     長  今の御質問ですけども、最初に答弁したとおりでございます。今ですね、今の中でも言われたのは、中井町1町でしては余り意味がないよとか、そうは考えていないよという、今そういうあれがありましたけども、必要であればそれはするんですけども、それよりもやっぱり町村会、県全体で要するに首長が集まってですね、まとまって言ったほうが、それだけの効力はあると思っていますので、その辺はまずは中井町単独ではなくてですね、先ほど答弁したとおり、町村会まとまってですね、そういった要望をしていきたいというふうに思っていますので、御理解をしていただきたいと思います。
尾 尻 孝 和  ぜひこの町民の保険、国保負担の苦労を緩和する、そういった構えで取り組んでいただけるようお願いしたいと思います。
 次に、中井町としてできる国保税負担軽減の取り組みについて伺います。町の国保税負担を軽減するために、中井町独自に国保会計への繰り入れが行われております。義務的繰り入れを別にして、いわゆるその他の繰り入れですが、国保加入者1人当たりの年額、2009年度から昨年度まで年度ごとにお願いします。
税務町民課長  お答えいたします。国保会計からの、俗に法定外繰り入れということでの回答をさせていただきます。
 平成21年度が、1人当たり2万362円。それから平成22年度、1万8,915円。平成23年度、9,375円。平成24年度、1万923円。平成25年度、9,398円。平成26年度が1万5,006円となっております。以上です。
尾 尻 孝 和  お話ありましたように、2014年度の1人当たり繰り入れが1万5,006円。つまりこの繰り入れを行うことで、国保加入者の年間保険料負担を1人1万5,000円、4人家族で6万円軽減している、この総額が4,700万円。これ自体、町の努力だと考えます。
 この間の流れを見てみますと、中井町の繰入金額は減少傾向が続き、2009年度と比べると、13年度には半分以下になり、昨年は増額したものの、それでも2009年度の7割。県内市町村の平均繰入額1万9,423円と比べても、少ない額になりました。
 県内の町村で最も大きな繰り入れをしている大磯町では、1人当たり3万2,040円。4人家族で13万円近い軽減を行っております。そして今年度の中井町の予算では、その他の繰り入れを昨年度の4,700万円から6,500万円へと増額しました。1人当たりでは、2万円を超える繰り入れで、町民の国保税負担の増加を抑えております。この努力、評価するものですが、国保会計の状況はこれからもさらに厳しいものとなっていくと思われます。解決策を町民の国保税負担に安易に求めないためにも、町のさらなる努力が求められると考えますが、この辺のところ、町長どのようにお考えでしょうか。
町     長  今の過去何年かの部分で、ことしまでのですね、数値の部分はわかります。基本的には最初に答弁したとおりでございます。本当にですね、財源があれば幾らでもその辺は繰り入れはしたい気持ちはあります。といって、本当に財源、今、厳しい状況でございます。できるだけ抑えたいのはやまやまでございますが、その辺を含めて、トータルで判断し、今年度はそういう形になっているということで御理解していただきたいと思います。
 今後についてもですね、厳しい中、かといって全く繰り入れ、本当はしないで済めばそれで済むんですけども、そういうわけにはいかないと思いますが、トータルで判断しながらですね、進めていきたいというふうに思っておりますので、御理解をしていただきたいと思います。
尾 尻 孝 和  ぜひ今後もお願いしたいと思います。
 中井町では、国保税の現年分の収納率が95%と高く、県内では山北町と1・2位を争っております。国保加入世帯の皆さんが苦しい生活の中、やりくりして国保税を払っておられます。この高い収納率もあって、繰入金が少なくても1人当たりの国保税は県内で相対的には低い額となっております。そして中井町では、保険税未納者への資格証明書の発行は行っておりません。正規の保険証でなく、この資格証明書では、医療を受ける際に個人の負担分だけでなく、医療費の全額を用意することが求められます。病院窓口で医療費を全額払い、後から町に申請して、7割が給付されるというものですが、まさに金の切れ目が命の切れ目とも言える状況になり、各地で問題となっています。
 横浜市は、2万世帯を超えてこの資格証明書を発行している。このように、県内でも発行する自治体が今、ふえています。そのような中、中井町では踏みとどまっています。中井町は、町民と職員が直接やりとりできる、互いに顔を合わせて話ができる規模の自治体です。担当の皆さんはいろいろ苦労もあるとは思いますが、町民との丁寧な対応をされている、そのように伺っております。その辺の御苦労、滞納すれすれの世帯の状況や、そういった世帯への対応など、プライバシーに触れない範囲で報告いただけますでしょうか。
税務町民課長  励ましのお言葉をいただきまして、どうもありがとうございます。国保、中井町の国保に加入されている方は、先ほど尾尻議員のほうからも、全国のちょっと事例を出されてですね、従前は、例えば農業、それから自営業者の方が大半を占めておりましたが、現在では無職の方、また年金受給者の方がですね、大宗を占めるような状況になっております。それは中井町でも同じような現状かというふうに認識しております。
 そういった中、そういった方はどうしても割合が高くなりますとですね、徴収率につきましても大分厳しさを増しているのが現状でございます。しかしながら、納付の難しい方につきましては、町でも納付相談を受けておりまして、各世帯それぞれの状況に合った納付方法等について相談をさせていただき、自主納付の通知に努めているところであります。
 しかしながら、中には滞納の方もございます。その場合につきましては、もちろん窓口でのやりとり、実際そういったところでの窓口のやりとりはもちろんですが、中にはなかなか御理解いただけない資力のある方等につきましては、もちろん法的な対応もさせていただかなければならないと感じております。
 なお、滞納の納付の状況等によりましては、納付書のですね、短期証の発行等により対応しているのも事実でございます。今後もですね、各被保険者のですね、状況に応じまして、きめ細やかにですね、納付については相談をさせていただき、あわせて徴収率の向上にも努めさせていただきたいと考えておりますので、御理解のほどよろしくお願いいたします。以上です。
尾 尻 孝 和  今後ともぜひこのように親切で丁寧な対応で、機械的に資格証明書を発行する、こういったことのないよう要請したいと思います。
 国民健康保険法等の一部を改正する法律、これがことし5月に成立しました。この改定で、いわゆる国保の都道府県化が行われることになります。これによる中井町国保に及ぼす影響、並びにこの法改定を進めるために、政府は今年度予算で1,700億円の国庫支援金を打ち出しました。
 この支援金を活用した国保税の引き下げについて伺います。国保制度の50年ぶりの大改革と言われる今回の改定ですが、各市町村が行っている国保財政の管理を県に移管し、県は標準保険料率を市町村に提示して、保険料率の平準化を目指すとしています。
 さらに、今回の改定では、国は県に対し3つの点を義務づけております。1、医療給付費の目標総額を明記した医療費適正化計画の策定。2、医療介護総合法で導入した地域医療構想による病床機能の再編と削減計画をリンクさせる。3、新たに導入する県の国保運営方針もこの適正化計画と整合させる。このように義務づけております。
 この適正化計画による医療費抑制、地域医療構想による病院ベッドの削減、そして国保運営方針による財政管理など、全ての権限が県に集中し、国保の給付費抑制が強力に推進される可能性があります。県を司令塔にした強力な医療費削減の仕組みづくりがつくられようとしています。
 今回の制度改定で、国保財政は県に、神奈川県に移管しますが、中井町はこれからも保険料率の決定、賦課、徴収、保険給付、保険事業を担うことになります。政府が神奈川県に求めていることは、市町村の医療費支出や所得水準を勘案して、県に納める金額を決める。そして市町村ごとに標準保険料率をシュウエイする。この2点です。また、さまざまな財政誘導も設けて、保険料の平準化に向けての道筋をつくろうとしています。
 この動きに対し、既にさまざまな懸念、心配の声が寄せられています。一般会計からの繰り入れで、国保税の値上げを抑えてきたこれまでの努力ができなくなるのではないか。町民のフォローで維持されてきた国保税の高い納付率、これによって中井町は県内でも相対的に低い保険税となっている。その努力が無駄になり、神奈川県という大きな枠で平準化され、保険税の大きな値上げにならないか、滞納者への資格証明書発行や差し押さえなど、機械的な対応が進むのではないか、こういった心配、懸念です。
 今回の制度改定に対し、県も機械的な対応はしないとのスタンスだと聞いております。現時点での県からの指導の状況、あわせて中井町として町民の医療を支え、町民の負担を軽減する立場から、実際の施行に向けた具体的な意見や要請に取り組まれると思いますが、現在、検討されている内容、ないし考えられていることについてお話、お願いします。
税務町民課長  お答えいたします。30年からの国保の広域化に伴いまして、そういった県等からの指導というようなことなんですが、これにつきましては、今現在、県からもですね、国のこの制度改正に伴う状況について、今こういう状況であるというような報告が…情報提供がなされている状況でございます。
 こういった中ですね、県と、それから市町村、それからコウフキョウレイの組合によりまして、医療保険事務改革検討協議会等を設けさせていただきまして、平成30年からのですね、広域化に向けて国に対しまして持続可能な国保制度の構築を求める要望として、財政基盤の強化とかですね、保険税の軽減措置への支援の拡大、保険料水準の激変緩和とかそういったものについては現在、既に要望書として出しているような状況です。
 いずれにしましても、先ほども町長のほうから答弁申し上げましたが、最終的には市町村がそれらの標準的な税率等を参考にですね、税率を決めるということになっております。これらにつきましても、町民の方の負担がですね、ふえないような形でですね、まずは県とよく協議しながら関係市町村含めて国への要望、それからまた実際には県が負担額を決めるということですので、その辺は今後も調整しながらですね、対応していきたいというふうに思っておりますので、御理解をいただきたいと思います。以上です。
尾 尻 孝 和  今度の改定が国保の給付抑制、町民の負担増加につながらないよう、積極的に取り組んでいただきたい。そのことを求めたいと思います。
 今回の制度改悪には、神奈川県のみならず、全国の都道府県が異議を唱えました。これを抑えて法案を成立させ、とにかく制度をスタートさせよう、こういうことで安倍政権は今年度から1,700億円、今度の制度が施行される2018年度から、さらに1,700億円上乗せした3,400億円、この国庫支援金を打ち出し、これで都道府県の同意を得たと伺っています。
 ことしの1月8日、全国知事会が政府に対し、国保に関する緊急要請を行いました。そこでは被用者保険と比べ、極めて重い保険料負担率を可能な限り引き下げて、国民の保険料負担の平準化を図るような抜本的な財政基盤強化を図る必要がある、このように要請しています。
 これを受けて、厚労省は、保険者、つまり各市町村ですね、この保険者への今年度からの財政支援を行うこととし、その目的をこれに伴い被保険者の保険料負担の軽減やその伸びの抑制が可能とするためのもの、このように説明しております。
 私、この国保支援金、中井町ではどの程度の金額が入ってくるのか計算してみました。今年度からおよそ900万円。2018年度からは1,800万円程度かと思われます。この支援金、厚労省の説明にもあるように、高過ぎる国保税の引き下げに活用すべきだと考えます。およその額ですが、900万円ですと、1人当たり2,900円。2018年度から1,800万円になると、1人当たり5,800円。4人家族で2万3,200円の引き下げができます。
 一般会計からの繰り入れ削減へと安易に充当するのでなく、苦しんでいる町民の負担軽減に生かすことこそ今、求められる判断だと考えますが、町長、いかがでしょうか。
税務町民課長  お答えいたします。議員おっしゃるとおり、今年度ですね、1,700億円のですね、保険税の軽減ということで、軽減対象者の拡大をですね、実際行うことが決められております。尾尻議員のほうから今、900万というような御試算をいただきましたが、まだうちのほうでも数字が決定しておりませんので、その辺につきましては何ともお答えすることはちょっと難しいところなんですが、今年度もですね、決して国保財政自体が余裕があるわけではございません。税収等につきましてもですね、被保険者数が年々減っているというような状況ですので、そういったことを考えますと、なかなかですね、その部分を保険税軽減の部分に充てるというのは、今年度につきましてもなかなか難しいのかなというふうには感じております。
 再来年以降もプラスの財源がそういう形で国保へ支給されるということですが、これらにつきましても、まずはそういう補填の財源かなというふうには担当のほうでは考えております。
 いずれにしましても、現状は本当に厳しい状況ですので、それらの歳入も含めた中で、今後の税率も含めて考えていかなくてはならないことかというふうに認識しておりますので、御理解をいただきたいと思います。以上です。
尾 尻 孝 和  町民の3人に1人が加入している国保です。そして所得の少ない世帯が集中している、それが国保です。その皆さんが国保税負担に今、苦しんでいるわけです。働く皆さんの所得が減り続ける。生活保護の示す最低生活費よりさらに切り詰めた生活で、何とか国保税や国民年金を払っておられる、そういった町民がたくさんおられます。しかも度重なる制度改悪で、所得の少ない人ほど、その所得に占める国保税の割合は高くなっております。何よりも町民の暮らしを守り、命を支える、この立場で今後の積極的対応を求めて、質問を終わります。

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