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2019年1月4日金曜日

2018年9月 一般質問議事録 成年後見制度・ブロック塀安全対策

成年後見制度を運用するなかで、中井町として考える問題
中井町の小中学校にブロック塀はありません。でも、町内にはたくさんあります。危険なブロック塀の安全対策が進むように




会 議 の 記 録(抜粋)
                               平成30.9.4
尾 尻 孝 和  日本共産党の議員として、2点伺います。
 現在の青年後見制度への認識と、中井町のとりくみは。
 2000年に改正された成年後見制度は、判断能力の不十分な高齢者や障害者の虐待や財産的被害からの救済や予防などで、一定の役割を果たしてきましたが、制度の枠組みがもたらす矛盾も指摘されています。
 1、成年後見制度の役割と矛盾について、どのように認識されているか。
 2、町長申立てや成年後見制度利用支援事業への、町としてのとりくみは。
 2、ブロック塀の安全点検と対策は。
 今年、6月18日の大阪北部地震では、登校中の児童が倒壊した学校ブロック塀の下敷きになり、幼い命が失われました。中井町では、こども園・小学校・中学校のいずれにも、問題となるようなブロック塀はありません。しかし、町内には多くのブロック塀が存在します。
 東海地震などいくつもの巨大地震が想定されるなか、ブロック塀の安全点検と、不安のあるブロック塀の修繕、取り壊し、つくり変えへ誘導する行政としてのとりくみは。
 以上を伺います。
町     長  7番 尾尻議員の1問目のご質問「現在の成年後見制度への認識と、中井町のとりくみは。」についてお答えいたします。
 成年後見制度につきましては、平成12年に従来の財産管理を目的とした「禁治産制度」に代わって制定され、また同時に介護保険制度も施行されたことにより、措置から契約へと社会も変化いたしました。
 その間、認知症の高齢者や一人暮らしの高齢者も増え続け、成年後見制度の必要性もますます高まっているものと考えております。
 それでは、一点目の「成年後見制度の役割と矛盾について、どのように認識されているか。」のご質問にお答えいたします。
 成年後見制度は、旧制度による判断能力が不十分な方に対する財産管理に加え、ご本人の意思決定を尊重した権利擁護の役割を担っております。ついては、このようなハンディキャップのある方であっても家庭や地域で普通の生活が送れるよう、擁護し支援するのが役割であると認識しております。
 制度に対する矛盾についてですが、後見人が付くと選挙権を失う。また法律や政令等に被後見人の職業や資格を制限する欠格条項が規定されており、これによって医師、介護士の資格や公務員等の職を失うことなど、本人の権利を擁護する制度の理念に反するとの指摘がされておりました。
 このような中、国では平成25年に被後見人の選挙権の回復のための公職選挙法の改正を行い、さらには本年3月には国家公務員法等、関係する法律に定める欠格条項を全廃するための法律案が閣議決定されましたので、これにより制度に対する矛盾は解消されるものと認識しております。
 二点目の「町長申立てや成年後見制度利用支援事業への、町としてのとりくみは。」についてですが、町では、平成27年に「成年後見制度に基づく町長の申立てに関する取扱要綱」及び「成年後見制度に係る後見人等の報酬助成に関する要綱」を制定し、現在まで後見人等の報酬助成の実績はございませんが、高齢者に係る町長申立てを2件受理しており、既に後見人が選任されております。
 なお、認知症の高齢者等が増える一方で、成年後見制度の利用者が増えていないなどの課題に対し、国では平成28年に「成年後見制度の利用促進に関する法律」を施行し、制度の普及に関して、地域連携におけるネットワークの構築など計画的な取り組みを示しており、かつ市町村計画の策定が求められております。ついては本町では、5年ごとに改訂している平成32年度からの「第3次中井町地域福祉計画」に取り組み等を盛り込むことで準備を進めておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。
 
続いて、2問目のご質問「ブロック塀の安全点検と対策は」についてお答えします。
 国では平成30年6月18日に発生した大阪府北部の地震によるブロック塀倒壊事故を受け、安全対策については学校のブロック塀に限らず、広く一般の建築物を対象とした安全点検のためのチェックポイントを作成し、国土交通省のホームページに掲載すると共に、特定行政庁に対し、所有者等に向けて以下の2点を注意喚起するよう要請しました。
 一つ目はこのチェックポイントを用いて安全点検を行うこと。二つ目は安全点検の結果、危険性が確認された場合には、付近通行者への速やかな注意表示及び補修・撤去等が必要となることです。
 併せて建築士関係団体等の関係業界に対し、所有者等からの診断等の依頼に適切に対応するよう要請しております。
 ブロック塀については、プライバシーの確保や防犯・防火のため、町内でも多くの宅地に設けられていますが、その安全確保は所有者のみならず通行者にとっても重要であり、特に通学路や緊急輸送路においては地域に大きな影響を及ぼすものです。
 ブロック塀の構造や倒壊に対する安全性については、所有者の責任において管理するのが基本でありますが、こういった事を踏まえ、町としては自己点検や安全対策を促す方策として、7月初めに自治会回覧と町のホームページにおいて「点検のチェックポイント」を周知し、点検の実施をお願いしているところです。
 また、更なる取組みとして、危険なブロック塀等の撤去及び撤去後に安全な工作物を設置する費用に対する補助制度を創設し、関係経費を本定例会において補正予算として計上させていただいています。なお、本制度については緊急的に実施するものとして、通学路に面した塀の撤去改修にかかる案件を優先して補助対象とするよう規定させていただいておりますので、何卒ご理解賜りますようお願いします。
尾 尻 孝 和  答弁にありましたように、成年後見制度、判断能力の不十分な方々を保護・支援するための制度として、2000年に、介護保険の導入にあわせ、旧制度であった禁治産制度、準禁治産制度を変更してつくられた制度です。それまでの禁治産制度がもたらした社会的偏見を払拭させ、本人の意思が尊重され、弾力的な運用が期待され導入されました。この間の運用の中で、高価な商品を無理やり買わされる、こういった消費者被害に遭っていた認知症高齢者、養護者からの虐待を受けていた知的あるいは精神的障がい者が、成年後見人をつけることで被害から救われたなど、一定の役割と果たしてきました。
 しかし、この制度、禁治産制度の枠組みをそのまま継承したこともあり、後見を受ける人が、自分では有効な法律行為等ができない人として位置づけられ、かつ後見人による代理権行使が幅広く認められていることから、本人の意思とは異なる決定が後見人によって行われるケース、後見を受けた人の財産が横領される事件が発生するなど、深刻な問題も起きております。具体例、二、三、紹介いただけますでしょうか。
福 祉 課 長  お答えをいたします。成年後見にかかわる事件といいますか、被害というお話でございます。今現在、年、平均しますと43億程度の被害があるというふうに聞いております。その中で、親族による被害が94%、親族以外が6%という内訳になっております。それでも、親族以外でも、弁護士を含めた方がそういった加害者になるという事件があるというふうに聞いております。
 その中で、事件なんですが、まず新聞で出ていた、紹介された、テレビ報道された記事なんですが、神戸の事例で言いますと、これは後見人の意思に反した財産処分の事件ということで取り上げられております。これは、認知症の高齢者に対しましてNPO法人が成年後見を務めていた事例で、これは、2017年に被後見人である高齢者の男性が亡くなったと。その後に、その男性の自宅と土地の所有権がNPO法人に移転したという新聞報道がありました。これは、男性が亡くなる前に、本人の意向により、財産を法人に移転する旨の記載がされた公正証書に基づくものとされておりましたが、判断能力が低下している高齢者を誘導するような形で作成したことが否定できないというふうな案件がございました。要するに、先ほど尾尻議員がおっしゃった、本人の意思決定がどこまで反映されているか、制度の理念が揺らぐ、そのような取り上げがされた案件だというふうに認識しております。
 それからもう一件でございます。後見人による財産の横領、着服、これはかなりいろんなところで報道されたり、事件が起きているというふうに認識をしております。その中で、東京都の世田谷で起きた事件なんですが、83歳の認知症の女性が、後見人であった弁護士が、平成26年の1月から9月までの間に計1,300万円を着服したと。またこの弁護士につきましては、他の認知症の高齢者の後見人もされており、その女性からも4,200万を着服していたということで、逮捕され、罪を認めたというふうに、これは金額が大きくて取り上げられたケースというふうに認識をしております。以上です。
尾 尻 孝 和  今、紹介のあった事例ですね。そのほか多くの事件、これが起こる根底に、現行制度の構造上の問題があると私は考えます。成年後見制度自体は国の制度ですが、それが実際に活用される現場からの声、住民の立場を代弁し、地方行政からも要請を上げていくことが必要だと考えます。
 この制度、後見、補佐、補助、この3つの類型に分かれますが、3つの類型のうち利用されている85%は後見です。補佐と補助の利用は、あわせても15%に過ぎません。そして後見の場合、後見を受ける方は、自己の財産を管理・処分する判断能力がないとされ、後見人には包括的代理権、全ての法律行為に代理代行権が与えられます。しかも後見を受ける人の能力の状態が回復したと診断されない限り、後見人の権限は、後見を受ける方が亡くなられるまで継続されます。開始決定の審判の効力には、期間制限が、現在、ありません。定期的な審査の機会も与えられておりません。要するに、この方は判断能力がもう一切ないとされて、しかもその状態が継続しているとされます。そして、後見人には包括的かつ広範囲な代理権が与えられます。一旦、後見と審判されれば、その後、後見を受ける人の意思を確認する必要はなく、意思に反する代理・代行が起こり得ます。これが、先ほど話がありましたように、現実に起こっていることです。
 青年後見制度の後見という類型、これはそういうものとして、現在、できています。そういう類型をつくってしまっている、そのことが、本人の自己決定権が尊重されない1つの大きな要因になっているのではないでしょうか。この問題意識、ありますでしょうか。
福 祉 課 長  お答えをいたします。まず今回の改正された新たな後見制度なんですが、ご存じのとおり、ノーマライゼーションという基本的な考え方、本人の意思を尊重するという考え方から制度が変わったということは十分理解ができます。その中で、認知能力の欠けた方を支援するというところでの、どうしても矛盾が出てくるということは十分理解はしているし、その中で事件がこういうふうに起きているのかなという認識はしております。
 これは制度の問題なのか、また運用の問題なのかというところはあろうかと思います。その辺を、今後、この制度を運用するに当たって、必要に応じて改善していかなければいけないなというふうには認識しているところでございます。以上です。
尾 尻 孝 和  それでは、この制度、どういう方向であるべき制度に、あるいは運用に進んでいったらいいのか。そのガイドライン、指針となる基本理念ですね、それが障害者の権利に関する条約、日本政府、2014年に批准した、この条約にあると考えます。
 障害者の権利に関する条約第12条では、障がい者が全ての場所において法律の前に人として認められる権利を有すること、障がい者が生活のあらゆる側面において他の人との平等を基礎として法的能力を共有すること、障がい者がその法的能力の行使に当たって必要とする支援を利用する機会を提供するための適当な措置をとると、このように条約では規定されています。
 これは、精神上の障がいがあることをもって一律に行為能力を制限することを否定したもの、このように受けとめられており、また、自分のことを自分抜きでは決めないでほしい、誰もがみずから意思を決定することができるよう、必要な支援を可能な限り尽くすことを、国や地方自治体、支援にかかわる全ての人々に求めたものとして受けとめられていると考えます。後見制度のあるべき姿への指針として、障がい者権利条約の、この基本理念、生かすべきと考えますが、いかがでしょう。
福 祉 課 長  お答えをいたします。回答としてはちょっと重複するところがあろうかと思いますけれども、今回の制度改正の背景には、当然、高齢化の進展だとか、措置から契約に変わったと、また大きな問題が国際的社会福祉理念の変化ということで、世界的にノーマライゼーション、それから本人の残存能力の活用、それから自己決定の尊重と、そういう理念のもと、改正され、そこをいかに今回の制度で運用していくかというところが重要なポイントであると。
 その中で、今、尾尻議員がおっしゃった点につきましては、当然本人の意思決定がまず尊重されなければいけないと。本人の残存能力、残った能力をいかに引き出して、それを運用していくかというところの仕組みがまだまだ欠けているところではないかなと。それに関しては、法改正が必要なのか、または、意思決定をした内容のチェック機能が必要ということで、その辺のガイドラインで運用を決める必要があるのかというところは、今後、制度を運用する中で考えていかなきゃいけない問題であるというふうには考えております。以上です。
尾 尻 孝 和  制度自体の中に、運用上も含めて、さまざまな問題があるという認識だと思います。
 日本弁護士連合会、2016年にシンポジウムを行いまして、この成年後見制度、成年後見制度から意思決定支援制度へと、このように問題提起されています。この制度、導入されて18年たちました。先ほど紹介していただいた事例、この間、起こっている問題、個々の運用上の問題にとどまらず、後見を受ける人の自由を過剰に抑圧し得る運用、それが現実には行われていると。その構造上の問題に起因しているという認識、今、一定程度、話があったかと思います。
 成年後見制度、直接は国の制度ですから、町としてどうこうできるものではありません。しかし、議論したような問題、起こってはならないことだと考えます。町としての国政要望に、現在の青年後見制度から意思決定支援制度への検討、このことを加えていただくことを要請したいのですが、いかがでしょう。
福 祉 課 長  これは制度の問題になろうかと思います。また、当然うちのほうだけの問題ではないというふうに認識しておりますので、こういった制度に問題があれば、各市町村、状況を共有しながら、場合によったら町村会等を通じて国・県に意見を申し上げたいというふうには考えております。以上です。
尾 尻 孝 和  現在の青年後見制度に改善すべき重要な問題があるとはいえ、この制度、虐待だとか財産侵害から守る一定の役割を果たしてきたのも事実だと思います。中井町でも町民の高齢化が進んでいます。現在、中井町で認知症と診断された方、何人いらっしゃるでしょうか。あわせ、知的障がいなども含め、本人の意思決定能力への支援が必要とされると思われる方、おおよそで結構ですが、何人ぐらいいらっしゃると認識されていますでしょう。
福 祉 課 長  お答えをいたします。障がいに関しましては福祉課のほうからお答えをさせていただきます。青年後見の支援が必要な方ということで、当然、知的障がいの方、それから精神障がいをお持ちの方ということで、手帳の所持者数に障がいの場合はなると思われます。
 まず知的障がいに関しましては、AとBの方で、18歳以上で合計81名の方が手帳を所持されております。精神障がいにつきましては、1級・2級の方で32名ということで、合計113名が手帳を持っている方ということで、対象になり得るということで認識をしております。
健 康 課 長  お答えいたします。認知症の高齢者数についてですけれども、平成28年に町の介護認定者の現況調査のほうを行っておりますので、そちらに基づきまして回答をさせていただきたいと思います。
 介護認定の際に提出をいただいています主治医意見書においては、介護を必要とする原因疾患について記載をされております。この中で、認知症と記載されている方が、当時、76名いられました。当時の介護認定者数、調査時点において329名いられましたので、介護認定者全体の約19%が認知症と診断されているという状況となっておりました。
 ただし、介護の原因に関しましては複合的な要因によることも多くて、主たる病歴の記載のみで、実際には認知症を患っていられるというようなケースも多く見られているというのが現状となっております。このことから、医師の意見書の中での日常生活自立判定欄に基づきまして、再度、集計を行った場合、認知症、または軽度の認知症を含む、認知症の疑われる方の合計数が324名になるという状況で、介護認定者の約8割が認知症になっているというようなことも想定されるという状況です。
 ただ、当時、介護認定者数392名であったものが、今現在、454名、認定者数も当時と比べて15.8%増というような状況にもなっておりますので、介護認定者数も増加している中で、あわせて認知症の高齢者数というのも相応に増加しているということが推測されるという状況となっています。
 また、意思決定能力の支援が必要な方ということの人数なんですけれども、正確には人数は持ってはいないんですが、当時の主治医意見書の中での自立判定欄に基づいて集計した数字の中で見ますと、一番重い、重度となるM欄、一般的には著しい精神障がいや問題行動が見られるという欄に該当した方が7名いられたという状況でございます。以上です。
尾 尻 孝 和  今、紹介していただきました知的、精神関係が合計113名、認知症と診断された方が76名、あわせて189名と。このほか、軽度も含めますとかなりの人数になる方が、これらの状態で大変苦労されております。こういった皆さんの多くは家族によって支えられ、また家族が正式に後見人となっておられる方もあるかと思います。現在、中井町で青年後見制度を利用されておられる方、何人でしょう。
福 祉 課 長  現在、後見制度を利用されている方ということで、裁判所の統計数字になるんですが、中井町に住民登録がある方で後見制度を利用ということで、69名の方が利用されているという状況でございます。
尾 尻 孝 和  この青年後見制度の申請、多くの場合、その方の家族が申請し、後見人には司法書士や行政書士などが当たっている例、これもあるかと思います。また、依拠できる家族がいないために申請をする人がいない、こういった事態への対応も必要になります。
 中井町でも、この制度の円滑な運用目的に、2015年1月から2つの要綱が施行されています。先ほど紹介もありましたが、1つは、中井町青年後見制度に基づく町長申し立てに関する取り扱い要綱、それからもう一つが中井町青年後見制度に係る後見人等の報酬助成に関する要綱、この2つの要綱が、今、使われています。この2つの要綱について、再度になりますが、その目的と内容、簡単に説明をお願いできませんでしょうか。
福 祉 課 長  それではお答えをいたします。まず青年後見制度に基づく町長申し立てに関する取り扱い要綱の目的でございますけれども、これは、4親等以内に申し立てする方がいない。いたとしても、何らかの理由で申し立てすることができない、また虐待等により親族の申し立てが適当でないというふうに判断した場合について、親族にかわって町長が申し立てをするというものであり、その方々の制度の利用を公的に支援するということが目的でございます。
 内容につきましては、申し立てによりまして、まず申し立ての要請者を決めるということ。親族がいないわけですから、できる方ということで要綱に定めております。民生委員だとか、それから介護保険施設の職員、障がい者施設の職員、病院等の職員が要請書を提出するということになっております。それに基づいて、本人の健康状態、精神状態、それから生活状況や財産の調査、それから4親等以内の身辺調査をするという内容でございます。以上の調査等から申し立てが適当であるというふうに判断した場合は、要請書を提出した者に決定の通知を出し、あわせて町は家庭裁判所に申し立てを行うというものが内容でございます。
 もう一点の、青年後見制度に係る後見人等の報酬に関する要綱でございます。この目的につきましては、町長申し立てによりまして選任されました後見人に支払う報酬に関して、助成を受けなければ青年後見制度の利用が困難な方に対して支援をすることで、福祉の向上、権利の擁護を図るということを目的にしたものでございます。
 助成の対象としましては、町長申し立てをした方が対象であり、かつ生活保護や、助成しないと制度の利用ができないというふうに町が判断した者ということで、助成額の上限としまして、施設の方ですと月額1万8,000円を上限、それから在宅の方でありますと月額2万8,000円を上限に助成するというものでございます。以上です。
尾 尻 孝 和  この夏なんですが、私、中井町の、この青年後見制度を扱っている司法書士の方から意見をいただきました。ちょっと紹介します。
 身寄りがない、身内から虐待を受けている、親族が協力しないなどの理由で申し立てをする人がいない方の保護を図るため、申し立て費用の負担が困難等の場合は、市区町村長申し立てができることや、青年後見制度利用支援事業が適用されることになっていますが、中井町においては事業化ができておりません。生活保護世帯等の場合は申し立て費用等の負担ができない状況が考えられますし、また、申し立てができたとしても、本人の収入がないと、後見人への報酬がほとんどなく、ボランティアで対応することになると思われます。各市はこの制度を既に事業化されておりますが、町では事業化されていない町がまだ多いと聞いていますが、中井町での事業化の実施について提案いたします。事業化されないと、相談等があっても積極的に応じることができにくくなりますと、このようなご意見でした。
 専門家で、かつ中井町の事例を扱っておられる方からの意見でした。どうしてこのようなそごが生じてしまったのか、その辺の要因、どのようなことを考えられますでしょう。
福 祉 課 長  お答えをいたします。まだまだ周知が十分ではないのかなという反省をするところでございます。基本的に、成年後見に関する相談、高齢者であれば地域包括支援センターが窓口、また障がい関係であれば福祉課が窓口というふうなことになるんですが、この青年後見に関しましては、介護保険の事業所でありますとか障がいの事業所の職員、それから介護のケアマネージャー、そういった方の理解、周知というのが非常に重要だなと。そこから相談が入ってくるケースが非常に多いと。そこの理解が十分必要だなということで、そことの今後の連携というものをさらに強化していく必要があるなというふうには感じるところでございます。以上です。
尾 尻 孝 和  ぜひその辺の連携を、今後、強めていただきたいと思います。
 この問題で、最後に町長に伺いたいと思います。今回のように、2つの要綱をつくっているにもかかわらず、そのことが後見制度を扱っている関係者に必ずしも十分伝わっていない。こういった青年後見制度だけでなく、ほかのさまざまな制度や事業でも起こり得ることだと思います。このような事態が起こらないよう、必要な手だて、考えておられましたらお願いします。
町     長  この制度があって運用ができていないという部分は、実を言うと私もちょっと知らなかった部分でございまして、そういう面では、周知の問題なのか、どういう形か、その辺はわかりませんので、この辺はまた確認してから判断させていただきたいと思っています。
尾 尻 孝 和  次に、2問目の、ブロック塀の安全対策について伺います。
 今回、補正予算で、危険ブロック塀等安全対策補助金210万円が計上されています。現在、安全対策補助金の要綱を検討する作業に入っているとのことです。最初に、このことはまず評価したいと思います。と同時に、ブロック塀の抜本的な安全対策には何が必要か、いま少し立ち入って伺いたいと思います。
 ことしの6月18日、大阪北部地震では、高槻市の小学校4年生の女子児童が、通学中、倒れたブロック塀の下敷きとなり死亡しました。このブロック塀、小学校に設置されていたもので、建築基準法施行令に違反していました。既に高槻市長は法令違反を認め、謝罪しています。
 この大阪北部地震では、高槻市は震度6弱を記録しました。大阪府警察の発表では、この女子児童のほか、大阪市東淀川区でも街路のブロック塀が倒れ、下敷きになった80代の男性が死亡しています。
 大阪北部地震の震度、この6弱という震度ですね、これがどの程度のものか。2年前に発表された中井町地域防災計画では、中井町における想定地震の震度、それから被害想定を行っています。ここで行っている6つの地震の想定震度、並びに想定死者数、それぞれどのようになっていますでしょう。
地域防災課長  お答えいたします。中井町で想定される大きな地震として、議員おっしゃるとおり6つ、これにつきましては、神奈川県の地震被害想定、平成21年度版から情報のほうは引用しておりまして、そちらのほうの数値で報告させていただきますけれども、まず1つ目が東海地震、こちらについては震度5弱から6弱、死者数についてはゼロ。続いて神縄・国府津松田断層帯の地震、震度6弱から7、これについては死者数はゼロから20。東京湾北部地震、こちらについては震度5弱から6弱、死者数についてはゼロ。南関東地震、こちらにつきましては震度6弱から7、死者数については30から50。あとは三浦半島断層群地震、震度4から6弱、こちらは想定死傷者はゼロ。あとは神奈川県西部地震、震度5弱から6強、想定死者数はゼロという形になっています。なお、この想定死者数につきましては、家屋の倒壊、ブロック塀の倒壊、土砂崩れによるもの、そういったものによる想定死者数ということになっております。以上です。
尾 尻 孝 和  今お話しのあった想定される6つの地震、この中で、中井町の想定震度が低い東海地震あるいは東京湾北部地震で震度5弱から6弱、今回の大阪北部地震、高槻市の震度と同じレベルの想定になっています。中井町での想定震度がさらに高くなる南関東地震や国府津・神縄断層帯地震では、中井町で震度6弱から6強、さらには震度7、これを想定しています。これらの地震が起きたとき、ブロック塀の倒壊について言えば、大阪北部地震と同じ、あるいはそれ以上の倒壊が中井町でも起こり得る、このように考えるべきかと思いますが、いかがでしょう。
地域防災課長  お答えいたします。議員ご指摘のとおり、ブロック塀倒壊による死傷者数については、この神奈川県の被害想定よりふえるものという認識は、過日の大阪北部地震の状況等を見て、またそれ以前の過去の大きな地震の事例を見ても、ブロック塀倒壊による死傷者というのは大変多くなっておりますので、想定されるところでございます。以上です。
尾 尻 孝 和  ブロック塀の被害はまたもう少し先で話をしたいと思いますが、国土交通省、各都道府県に対し、学校における既設の塀の安全対策についてという通達を出しました。学校設置者が、判断基準に基づき、学校ブロック塀の安全点検を実施することを求めました。同趣旨の通達、文部科学省からも出されております。この通達に基づき、中井町でも点検が行われ、まとめたものが神奈川県に報告されていると思います。この説明をお願いします。
教 育 課 長  お答えさせていただきます。平成30年の6月19日付で、文部科学省のほうから、学校におけるブロック塀の安全点検等についてという通知が発せられました。内容につきましては、学校内の礎石造の塀、または補強コンクリートブロックの塀について、耐震対策の状況及び劣化・損傷の状況に係る安全点検を行うようにという内容となっております。議員おっしゃられたように、その点検を行う際に、国土交通省のほうからも、特定行政庁のほうが学校の塀の安全点検を行うのに協力をしていただくというような通知も出てございます。
 地震発生の翌日に、当町におきましても、文科からの通知が発せられる前に各学校のほうに連絡をいたしまして、学校敷地内の塀等の確認をさせておいたところでございます。確認の結果、該当するような塀はないということで国のほうには報告させていただいております。以上です。
尾 尻 孝 和  今、お話しありましたように、この報告、学校のブロック塀の安全点検について求めております。通学路のブロック塀までは求めていません。中井町では独自に、これに加えて通学路のブロック塀の点検、これが行われたと聞いています。この通学路のブロック塀の点検、どのように行われたのか、どういう体制で、誰が行ったのか、その際、点検の基準はどういうものだったのか、そして点検の結果はどうであったか、これをお願いします。あわせて、通学路に限定せず、中井町全体のブロック塀の確認・点検、これがされていましたら、そちらの内容、結果についてもお願いします。
教 育 課 長  お答えさせていただきます。6月18日に地震が発生したときが、ちょうど各学校で毎年通学路の安全点検を行っていただく期間だということがございます。その各学校で行っていただいている安全点検にあわせて、今年度は特に通学路上のブロック塀の状況についても確認をお願いしたところでございます。
 国のほうからなどで出ていましたブロック塀のチェックポイントのようなものを各学校のほうに送りまして参考にしていただいて、あまりに高さが高いようなもの、ひび割れているようなもの、傾いているようなもの、そういうものがないかどうかというようなところを学校のほうで点検をいただきました。あわせて教育委員会のほうも独自に、学校の通学路のほうは学校のほうから委員会のほうに報告が上がっておりますので、ルートを承知しております。その関係で、教育委員会でも、あわせて並行しながら、通学路のブロック塀の状況を確認しました。
 点検の内容なんですけれども、専門職ではございませんので、あくまでも公道側からの目視で、人様の塀ですので、やたらメジャーを当てて高さをはかるというようなこともなかなかやりにくいことがございますので、目視で、高さ、傾斜、ひび割れ状況などを見ていただいて、行っていただいて、危険箇所と思われることを報告をいただきました。
 各学校からいただいたものの中で集約したもので、特に設置箇所で、本当にひび割れているようなものですとか傾いているようなもの、そういうものを特に抽出いたしまして、通学路の状況で、ちょっと幅員が広いですとか、逃げ場がありそう、そういうふうな対応がとれそうなところは実際の現地点検のときはできなかったんですけれども、特に注意を要するなと思われるようなところを重点的に、中井町通学路交通安全推進会議という組織において現地点検をさせていただきました。そのときの参加者は、教育委員会と各学校、PTA、地域防災課、まち整備課、松田警察署、県西土木事務所の担当職員が参加して実施してございます。
 例年ですと、道路管理者のほうの関係の職員が、県西土木さんですね、出ていただいているんですけれども、今回はブロック塀の関係があるということで、建築指導課ですか、建築物のそういう指導を行うところの課なんですけれども、そちらのほうの職員の方においでいただきまして、現地を調査いたしました。そのときは、県西土木事務所の職員の方が、結構、メジャーを当てたり、内壁の控え壁ですか、などの確認等をしていただくなどして、ある程度の危険度の詳細な判定は行っていただいております。
 結果、どうしても狭隘道路上で逃げ場がないですとか、本当に傾いているようなものがあるというようなところは、学校において危険箇所の周知を児童・生徒に行うですとか、通学路の迂回ですとか、ルートのちょっとした変更などを必要に応じてするように指示を行ったところでございます。以上です。
尾 尻 孝 和  件数ではどのぐらい問題点あったんでしょう。
教 育 課 長  お答えいたします。一応各学校から上がってきたのは45件ほどだったんですけれども、その中から集約いたしまして、見たところ7件ほど、ちょっと問題があるかなと、対応がすぐには難しいようなところがあるかなというところで把握しております。以上です。
尾 尻 孝 和  6月の21日、記者発表された、建築物の塀の安全点検についてという国土交通省の文書があります。並びに、先ほど答弁にもありましたが、国交省作成のブロック塀のチェックポイントと、こちらですね、回覧にもされました。これがございます。ここには、鉄筋が必要とされる1.2メートルを超えるもの、それから1.2メートル以下のものそれぞれに6つのチェックポイントが示されています。この図表、6つのチェックポイント、改めて簡単に紹介していただけますでしょうか。
まち整備課長  それでは私のほうから、ブロック塀の点検のチェックポイントということで説明をさせていただきます。
 まず、2.2メーターというところで、ブロック塀については、まず塀が高過ぎないかということで、塀の高さが地盤から2.2メートル以下ということが規定されています。
 それと、壁の厚さということで、これについては、2メーターから2.2メートル以下については15センチ以上が必要という規定になってございます。
 それから、控え壁ということで、塀の高さが1.2メートルを超える場合には必ず控え壁をつくるということになってございます。
 それから、基礎があるかどうかというところで、コンクリートの基礎があるかどうかという確認をしていただきたいということでございます。
 それと、壁の健全性ということで、壁の傾き、それからひび割れというものがないかというような点検項目がございます。
 それと、あと塀に鉄筋が入っているかどうかというところで、これについても、壁の中に直径9ミリ以上の鉄筋、縦横とも80センチ間隔で配筋をされていることというところも書き込まれてございます。
 それと、1.2メーター以下のれんがづくり、それから石づくり、鉄筋のないブロックについても同じような点検項目がございます。塀の高さについては地盤から1.2メーター以下、壁の厚さが十分であるかどうかというところもあります。それと壁の長さについては、4メーターごとに壁の厚さの1.5倍以上の控え壁があるかどうか、それから基礎があるか、それと傾き、ひび割れはないかというところと、基礎の根入れについては深さ20センチ以上であるかどうかというところで、これについても、ホームページ、自治会回覧ということで、チェックポイントは自己点検をしていただきたいということで周知をさせていただいています。
 このチェックポイントを点検していただいて、心配があるという場合には、専門家、それから特定行政庁のほうにお願いをして点検をしていただくというような形をとってございます。以上です。
尾 尻 孝 和  このチェックポイントの一番上に、「ブロック塀について、以下の項目を点検し、1つでも不適合があれば危険なので」、このように書かれています。改善しましょうと。
 それで、実際に各ブロック塀をチェックするとき、道路側から、先ほど、塀の高さをはかったり、傾きあるいはひび割れがないか、こういったチェックがされたという話でした。しかし、宅地側に控え壁が基準を満たして設置してあるかどうか、基礎があるか、こういったチェックポイントは、多くの場合、ブロック塀の所有者の敷地に入らなければチェックはできないと思います。当然所有者の了解を得ての確認ということになるかと思います。今回行われた通学路ブロック塀の点検、そこは十分なされたんでしょうか。
教 育 課 長  お答えさせていただきます。通学路の安全点検の際は、一応土木の建築指導課の職員に同行していただいて、敷地内部というよりは、道路側からブロック塀の上に上って、上から内部を拝見させていただく程度の点検でして、中に入って所有者の同意を得て構造などの確認というところまではできていない状況です。以上です。
尾 尻 孝 和  このチェック項目には、専門家、事業者でないと確認できない項目がほかにもあります。1.2メートル以下の塀の場合、基礎の根入れ、これが20センチメートル以上されているか、1,2メートルを超える塀の場合は鉄筋が規定どおり入っているか、コンクリートの基礎があり、根入れが30センチメートル以上されているかどうか、こういったチェックポイントになっています。今回行われた通学路ブロック塀の点検では、これら項目の点検は、県の、先ほど専門家の職員が同行したという話もありましたが、この辺の点検はなされたんでしょうか。
教 育 課 長  お答えいたします。専用の器具を持ってきて鉄筋の状況等を確認しているわけではございません。あくまで目視と状況などで、あと設置の大体の年代、古さなどから、鉄筋、これは入っているんじゃないかな、入っていないんじゃないかなという、そのような点検にとどまっております。以上です。
尾 尻 孝 和  私は、中井町で独自に調査・点検、この対象を通学路まで広げて取り組まれたこと、このことは、まず評価したいと思います。しかし、急ぎ取り組んだということもあり、専門家業者でないとできない点検項目までは十分チェックされておりません。今回の点検で異常がなかったこと、問題が見つからなかったブロック塀でも、これで安全が確認されたと、こういうことにはならないと思いますが、その判断、いかがでしょう。
教 育 課 長  お答えいたします。おっしゃられるとおり、見落とし等ある可能性は否めません。ですので、学校において、生徒指導、安全指導の中で、地震発生時に、揺れたら、構造物、そういうものから離れるですとか、そのような安全教育を徹底するように指導させていただいているところでございます。さすがに手前どものサイドだけで全部のブロック塀の危険箇所を把握して対策を講じるというのは、なかなか現実的に難しいというふうに思っております。
 また教育の考え方でいけば、全てをこちら側で排除するというのは現実的に不可能ということがございますので、児童・生徒たちが、ある程度、自分たちで判断して、自分たちで身を守れるような、そういうような教育をしていく必要があるということで、地震発生後、防災安全研究所というところが出しました、子ども向けの簡易なイラストで、こういうブロック塀は危ないというふうなイラストもございましたので、そういうようなものを各学校に送付いたしまして、そういう資料などを生かしながら、朝の会、帰りの会、いろんなところで安全指導を行っていただくというふうな取り組みを教育委員会のほうではしているところでございます。以上です。
尾 尻 孝 和  8月24日付の神奈川新聞ですが、南足柄市建設業協同組合、ここが、市民所有のブロック塀を対象に無料点検を始めていると、こういう記事が掲載されています。市民から南足柄市に申し込みのあったブロック塀を対象に行うそうです。記事によりますと、無料点検は、鉄筋探査機による塀内部の鉄筋の有無のほか…この鉄筋探査機というのは、一般には金属探知機として知られているもので、大体大きさ、確認しましたら、これの2倍の幅ぐらい、ちょうど手のひらサイズですね、そういったものです。ブロック塀に沿って、こう流しますと、そこに鉄筋が入っているかどうかがチェックできると、こういうものだそうです。この鉄筋の有無のほか、塀を支える控え壁が建設基準法施行令に基づいて設置されているかや、塀の高さ、外見上の亀裂、傾きなどを確認する。長さ15メートルの塀の場合、点検には30分から1時間程度かかるというと、このような記事です。
 私、中井町の業者に南足柄と同じように無料点検を求めるというものではありません。探査機を所有する中井町の業者、どの程度あるのかつかんでおられるでしょうか。
まち整備課長  中井町の業者の中で、探査機を持っているかどうことで各社に問い合わせをしましたけれども、探査機については、どこの会社も、今、所有はしていないという回答がありました。その中で、そういうことをするのであれば、レンタルによる探査機を借り入れて探査をしていくということで、そのレンタル費用については1日6,000円から3,500円というような金額が出ていますという報告は受けています。
尾 尻 孝 和  このブロック塀の安全対策ということであれば、当然、専門業者による安全チェック、これがまず欠かせないと思います。今回の大阪北部地震、ブロック塀の倒壊で死者が出た震度は6弱でした。中井町地域防災計画で想定している幾つもの地震のうち、想定震度6弱の被害想定、先ほどやり取りありましたが、死亡者ゼロになっています。この想定どおり、震度6弱では1人の死者も中井町で出さないと。そのためにも、ブロック塀の安全点検、この国交省の示す6項目、これを専門業者に依頼して行うことが必要ではないかと考えますが、いかがでしょう。
まち整備課長  町全体のブロック塀等を専門業者にということでございますけれども、1件当たりどのぐらいということで診断料のほうを専門業者に聞きましたけれども、間口25メーター、高さ1.7メートルで大体3万7,500円という診断料が必要ということを聞いてございます。中井町にどれだけのブロック塀、そのほか礎石造の塀があるかというところも把握はしてございませんけれども、それだけの金額を出すというところは非常に難しいのかなと、困難なのかなというふうには思っています。
 それで、今回、補正予算を組んで、今回は通学路を中心に、安全性を保つための改修をしていくと、補助金を出していくという形にしてございますけれども、これについては、町全体に広げていって、一刻も早く危険のあるものについては改修をしていくという考え方は持ってございます。
 それについては、やはり自己点検というものが一番重要なのかなというふうには思っていますので、まずはこのチェックポイントで自己点検をしていただいた中で、専門業者、それから、あとは特定行政庁である県の機関のほうにご相談をしていただいて、自分でその辺の危険性の判断をしていただくというところが一番重要ではないのかなというふうに考えてございますので、これを、全部を一斉に点検をするというところは、今、考えてございませんけれども、今後、補修に当たっては、今回補正予算をする予算を継続させて町全体に広げていきたいというふうには考えてございます。
尾 尻 孝 和  今、チェックする機械のレンタル料の話ですとか、1件当たりの、大体チェックにこれぐらいの金額がかかるよというような話がございました。私、聞いたところでは、南足柄の、その業者、機械としてはごく単純な機械なんですね。私も特別な大きな機械、レントゲンのような機械で調べるのかなと思っていましたら、それでなくても十分用は足りますよということだそうです。ですから、その辺のところは、もっと安価に十分できるんじゃないかと思います。そこはぜひ調べていただきたいと思います。
 とはいっても、業者に無料でお願いしますと、南足柄は業者のほうから無料でやりますよと言ってくれているわけですが、こちらからそう言うわけにはいかないと思います。かといって、ブロック塀の所有者に点検費用を求めるということでは、お金出してまでやってほしくないと、当然こういうことになりかねません。ここは町として必要な予算措置をとり、取り組むべきと考えますが、いかがでしょう。
まち整備課長  先ほどもご回答させていただきましたけれども、撤去、それから新しく新設をするというところについての補助については継続をしていきたいというふうには考えてございます。点検費用についての予算措置というところでございますけれども、これについても、町内の業者に話をしたときに、協力できるところは協力はしていきたいというような報告もいただいていますので、その辺で、格安でやっていただくとか、そういうことができれば、そういうことも考えていければなというふうには思っています。
 資格というところで、どうしても、1級土木施工管理技士という国家資格が必要になりますので、その辺で、我々がその機械を使って鉄筋があるかどうかという調査だけでは済ませられないだろうというふうには思っていますので、その辺で、今後、考えていきたいと思っています。
尾 尻 孝 和  先ほど金額の話がありましたが、この南足柄の場合は、事業者のほうから、長さ15メートルの塀の場合、点検には30分から1時間程度と、その簡潔な点検で大体様子はわかりますよということだそうです。ですから、ここの分野でも、隅から隅まで全てチェックするということでなくても、大方の様子、鉄筋が入っているかどうか、どういう間隔で入っているかというようなことはごく簡単にわかるようです。ぜひその辺のところは研究していただければと思います。
 次に、この点検の結果ですが、対策が必要とされたブロック塀、これをどうするかということです。国の事業として、ブロック塀を生け垣などにつくりかえる補助制度、これがかつてあったと。中井町でも、この制度を利用して生け垣につくりかえた方がいると伺いました。この制度の内容、中井町での経過、利用状況についてお願いします。
地域防災課長  お答えいたします。実は、前にそういう制度があったということで、所管とか、そういったところを探した…所管の担当課はどこだったのかとか、過去の書類はというところだったんですけれども、こういう補助金が出るのは、大体、そういう大地震が来て、ブロック塀で死傷者が出たということで補助制度ができて、それを受けて市町村が実施したということで、過去のそういうものを見ていましたら、1978年あたりに宮城県沖地震というのがあって、10人以上がブロック塀が倒れて亡くなった。その後、国のほうで、ブロック塀に対する生け垣につくりかえる補助制度みたいなものを創設して市町村で実施したというような過去の記事をネット上で見つけさせていただきました。
 78年というと40年前ですね。町のほうでも、当時あった、多分、生活環境というような、生活と環境、もしくは防災環境というのかな、そういうようなところでやっていたというところまでは聞きづてで確認はできたんですけれども、実際には関係書類については見つけることはできなかったということで、その経緯、そして何件、実績とか、そういったものは、大変申しわけございません、把握はできていないという状況です。過去にあったというのは聞きづてで確認できていますけれども、申しわけございません。以上です。
尾 尻 孝 和  過去にあったということで、詳しい状況はなかなかつかみ切れないということです。
 神奈川新聞ですが、これも7月15日付で、進まぬブロック塀対策、撤去補助、県内11市町村のみという記事が掲載されました。国の制度が中止になったので、市町村としてもブロック塀対策をやめてしまったところ、残念ながら中井町も当時はそうだったわけです。一方で、たとえ国の制度が中止されても、住民の安全のために、行政独自に対策事業に取り組んできたところ、その違いが、この11市町村に出ているのかと思います。近隣では、平塚市、秦野市、松田町、こういったところが、危険なブロック塀の撤去・補修補助に今まで取り組んできました。国の制度が中止となった時点で、すぐかどうかはわかりませんが、行政として独自にこれらの取り組みがやられています。
 今回の大阪北部地震の痛ましい被害、学校ブロック塀が倒壊し、当時9歳の女子児童が死亡したことを受けて、各自治体が取り組みを始めています。これもマスコミ報道ですが、8月23日の読売新聞ですが、平塚市では、4メートル以上の道路に面するブロック塀を撤去する場合、市民税が非課税の世帯に限り、現行の半額から全額、上限30万円補助に拡充すると。市が関連費を盛り込んだ補正予算案を市議会9月定例会に提出すると。小中学校の通学路にあるブロック塀など390カ所を点検し、204カ所で問題のあるブロック塀が見つかった。約5割超で問題が見つかったということですね。これまでに、このうち73件の相談があり、うち47件が補助の対象になるというと。約6割と超えるものが相談のうち対象になりますという報道でした。
 中井町でも危険なブロック塀の撤去並びに生け垣などへのつくりかえの補助事業の、今、検討を始めているということですが、少し詳しく現在の検討状況についてお願いします。
地域防災課長  お答えいたします。現在、防災担当課である地域防災課のほうで主になって進めさせていただいているんですけれども、専門的なところについてはまち整備課さん等の知識もお願いしたいということで、調整しながらやらせていただいているところです。
 基本的には、他市町村といいますか、近隣の市と同じようなレベルの補助事業という形でやらせて、まあ、外郭はつくっております。基本的には、ブロック塀、60センチ以上のものについて、その撤去に係る経費について2分の1、そして、それを危険でない生け垣、フェンス等にかえる工事、それについてもあわせた工事、そういったものについても2分の1、あわせて工事として上限30万円ぐらいまでの補助事業という形で考えているところです。
 具体的に、補助要件等を、今、最終的に詰めているところなんですけれども、最初に町長の回答でも話しましたとおり、本年度につきましては補正予算で組むということで、緊急的に実施するものとして、教育委員会のほうで上がってきましたといいますか、その調査委員会で上がってきました、通学路に面したブロック塀等を対象とすると、それを優先して実施するというような形の要綱づくりを、今、しているところです。以上です。
尾 尻 孝 和  本年度については、危険箇所、とりわけ危険だと思われる7カ所について、30万で、3×7=21210万円という補正かと思います。
 井ノ口のある町民の方から聞いた話ですが、この方のお宅のブロック塀、通学路に面していて、こういう話でした。心配だ。もしうちのブロック塀で子どもさんがけがをしたり亡くなるようなことになったら嫌だ。万々が一かもしれないが、そうなったら近所から末代まで言われてしまう。すぐに壊すつもりはないが、できればトタンのようなものでつくりかえたい。町で壊す補助でも出してくれるなら決心がつくんですけど。このように話をされました。
 ブロック塀の安全点検を所有者に持ちかける場合、所有者に、安全点検は無料でやりますと、町が負担しますから、このように仮に言ったとしても、所有者からは、点検されて、もし壊さなければいけなくなったら、とてもそんなお金ないから結構ですと、はっきり言われるか、そんなことを言うのは恥ずかしいからと、ただ点検は要りませんと断られる、これも当然あり得ると思います。危険と判断された後の取り壊しやつくりかえ、これへの町の助成を示すこと、そのことによって、それなら点検をお願いします、もし危険と判定されたら取り壊そう、つくりかえようと、そういった判断をしてもらえるのではないでしょうか。
 平塚市、住民税非課税世帯に取り壊し全額補助を打ち出しました。横浜市は、除去工事9割、新設工事5割の補助を打ち出しました。中井町では、申し出のあったブロック塀の取り壊し、つくりかえまで含めて、先ほど話ありましたように半額、上限30万円の補助、これを検討されているとのことですが、しかし、安全点検をどこまでどのように行うのかと、この方向についてはまだ出されておりません。
 時間がかかると思いますが、町内の全てのブロック塀所有者を対象に働きかける。専門業者による6項目の安全点検をさせてください、点検のお金は町が一定負担します、このように働きかけ、そして、その際、もし危険と判断されたときには、取り壊し、つくりかえのため、町としてもこれこれの補助金を出しますと、そこまで打ち出さないと、危険なブロック塀をなくすこと、これはできないのではないでしょうか。危険なブロック塀、中井町からなくしていくと。さらに具体的な方法、方向、こういったものを検討されていましたらお願いします。
地域防災課長  お答えいたします。町としましては、まず初めに、そのブロック塀の撤去を促進させるために補助金制度をつくったらどうかというところから始まったところです。初めに内部で、民地のものについて補助をするということはどういうことかというところも話も実はありました。そういった中で、安全・安心のまちづくりの中の防災事業として、まして子どもたちの通学路については安全なものにしなくてはならないというような視点から、今回はそういう形にさせていただきました。
 町内全部のブロック塀等の点検という、そういう視点も、実はちょっと欠いていたのは事実です。ですから、今回、ブロック塀の撤去に係る補助要綱作成において、あわせて、今回につきましては、小学校等の通学路を優先させる補助となっておりますけれども、来年度につきましても、引き続き同じような形で予算のほうは組んでいきたい。そういった中で、町内の全ブロック塀というんですか、そういったものの点検ができるものか、するべきものなのか、そういったものを検討しながら調整していきたいというふうに今の時点では考えているところです。以上です。
尾 尻 孝 和  6月の25日ですが、国土交通省住宅局市街地建築課が、都道府県建築主務部局耐震改修担当者宛てということで事務連絡を出しました。この中で、ブロック塀等の除去等に係る支援について、防災安全交付金等の効果促進事業の対象とすることが可能であることをお知らせする、このように連絡しています。要は、住宅建築物の耐震改修事業にブロック塀等の除去、生け垣整備、これらを加えられますよと、こういうことです。この場合、国の交付金は、交付団体・不交付団体に関係なく交付され、中井町でも耐震改修促進事業として、事業費の6割近い国・県補助を受けて、現在、取り組まれています。
 この事業、国の交付金の補助率は、地方負担の2分1、5割です。予算書で逆算してみますと、県負担が1割弱、町負担が4割強と、このようになっております。この事務連絡の趣旨も生かして、中井町でもこの制度を活用したブロック塀等の除去、生け垣等の整備事業、これらの具体化を検討されているかと思いますが、現在の検討状況、いかがでしょう。
まち整備課長  国土交通省のほうから事務連絡が来てございます。社会資本総合整備交付金の中にいろいろなメニューがありまして、今現在、町がそのメニューの中で使用しています住宅建築物安全ストック形成事業というものがあります。この安全ストック事業の中に、効果促進事業として、国からのブロック塀等の撤去に係る交付金を受け取るという形で申請をしていけば、それがかなう、補助金がもらえるという形になってございます。
 これについては、まずは中井町の耐震計画のほうを変更しなくてはなりません。今年度、補正予算に間に合うかというと、今年度の申請はちょっと間に合わないということで、来年度に向けてこの申請をしていくという、今、計画をしているという状況でございます。
尾 尻 孝 和  ぜひこれを活用して取り組んでいただきたいと思います。
 最後になりますが、中井町の地域防災計画で想定している震度6弱の地震、これは、死者の想定はゼロになっています。つまり震度6弱の地震では1人の死者も出さないということです。これを現実にするためにも、危険なブロック塀は全て撤去し、つくりかえると。ブロック塀の安全対策、この目標を正面に据えるべきではないかと思います。具体化することがそのスタートと思いますが、町長の見解、いかがでしょう。
町     長  議員おっしゃる部分は十分理解をするところでございます。そうした中、本当に今回は、要するに予算措置の問題もあります。そうした中で、まずは子どもたちの安全を最優先に守りたいなということで、こういう補正を出させていただきました。これは補助金はないということで判断させていただきます。
 そうした中、課長も答えたとおり、今後、そういった面では、危険箇所についてはそうした補助は進めていきたいというふうには思っていますけれども、これは、要するに今年度ではちょっと難しいから来年度予算になるのかなという判断はしております。そうした中で、できるだけ早目にやっていかなくちゃいけないなというふうに思っています。
 ただそこが、今議員おっしゃった、そのブロック塀、全面に出していく、もっと危険な部分はブロック塀以外にあるのかなという、そういった部分もあると思いますので、ないとは言いがたいので、そういった部分も含めて考えていかなきゃいけないというふうに思っていますので、ご理解していただきたいというふうに思っています。
尾 尻 孝 和  今年度で、もちろん、全部やってほしい、やるべきだなんていうふうには私も考えません。当然これらをやるには何年度か計画としてはかかると当然思います。ただ、この震度6弱の地震では1人の死者も出さないという、そのためには、やはりブロック塀、あるいはそれ以外のことも含めてだと思いますが、これらに対して正面から向き合う、その計画をぜひつくっていただきたいということを訴えて、質問を終わります。


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