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2019年7月12日金曜日

2019年6月 一般質問議事録 水道、イヌ・ネコ不妊・マイクロチップ助成

安くて、おいしい中井町の水道。どのように維持していくか。
イヌやネコの不妊手術・マイクロチップ助成は



会 議 の 記 録(抜粋)
                                令和元.6.11

                         (10時20分)
議     長  7番 尾尻孝和君。
尾 尻 孝 和  日本共産党議員として2問伺います。
 1問目、安くて、おいしく、安全・安心の中井町水道を維持していくうえで。
 町の発行した小さなパンフレット「里都まちなかいへいらっしゃい」には、「中井町の水道水はすべて地下水を使っていて、安くて、ミネラル豊富な美味しい水がいつでも飲めます」と書かれています。また、大判のパンフレット「里都まち人」には、水道の家庭用基本料金は同規模事業体のなかで全国2番目に安い600円と紹介されています。
 これからも安くて、おいしく、安全・安心の中井町水道を維持していくうえで、何点か伺います。
 1、中井町の水道水が安く維持できている理由は。
 2、これからの施設更新や耐震化推進が水道料金値上げに結びつかないか。
 3、長い年月をかけて施設の老朽化・耐震化対策に取り組むうえで、職員の人材育成・技術の継承をどのように考えているか。
 4、安全・安心な水道水を維持していくうえで、各水源の水質の傾向と今後の対策は。
 5、総務省は水道事業の包括的民間委託などを全国ですすめるよう促しているが、これにどのように対処されるつもりか。
 2問目、イヌやネコへの不妊手術助成などについて。
 「ノラ猫に餌をあげていたら、子猫を産んでしまった。捨てに行くわけにもいかず、かといって放っておいたら、さらに増えてしまいそう。不妊手術をしたいがお金がかかる。近隣市のように手術の助成があるとうれしい。」飼いネコやイヌが「知らないあいだに妊娠してしまった。避妊手術をしておけばよかった。」――このような声が聞こえてきます。
 また、「家族のようなペット。災害の時はいっしょに逃げたい。」あるいは、「災害でペットとはぐれてしまったらどうしよう。」――こんな声も寄せられます。
 これらの声に応え、行政として次のような対策の具体化を求めるものです。
 1、飼い犬、飼いネコ、飼い主のいないネコを対象とした不妊・去勢手術への助成。
 2、災害時のペット対策。
 3、マイクロチップ装着への助成。
 以上を伺います。
町     長  7番、尾尻議員の1問目、「安くて、おいしく、安全・安心の中井町水道を維持していくうえで」の質問にお答えいたします。
 中井町の水道事業は、良好な水質で豊富な地下水を水源として昭和46年に事業を開始し、安全でおいしい水の安定供給に努めているところであります。
 1点目の「中井町の水道水が安く維持できている理由は」についてですが、水道料金が事業体ごとに格差が生じる原因は、自然的地理的要因による水源の位置、水源の種類、水質の良否、水道の敷設時期などが異なることから供給コストに開きがあるためであり、本町では全ての水源を良質な地下水で賄い、水の浄化経費を低く抑えることができていることなどから全国的にも安い料金単価で供給できています。
 2点目の「これからの施設更新や耐震化推進が水道料金値上げに結びつかないか」についてですが、老朽施設の更新・耐震化は待ったなしの状況でございまして、今後厳しい経営になることが見込まれます。町の水道事業経営戦略では、料金体系のあり方を検討し見直していくことを方針として掲げており、施設整備費の平準化、最適な財源調達、一層の業務効率化などを図り可能な限り経費を抑制しながら、料金の検討を進めていきたいと考えております。
 3点目の「職員の人材育成・技術の継承をどのように考えているか」についてですが、厳しい経営環境に対応して職員数を抑制しなければならない状況下でも、業務の質の確保と技術の継承を可能とする業務体制とする必要があります。現在、水道施設の管理については2人の技術系の職員で行っているところであり、日々業務を通して若い職員へ経験のある職員の蓄積された知識と経験に基づく技術を伝えながら人材育成を図っているところであります。ほかにも研修等への積極的な参加や、情報収集とその活用を図りながら、水道事業に携わる者としての使命感、責任感、誇りをもった職員の育成に努めてまいります。
 4点目の「各水源の水質の傾向と今後の対策は」についてですが、国が定める水質基準項目に基づく水質検査を実施しており、いずれの項目においても国の水質基準値を満たしており、良好な状態であることを確認しています。安全でおいしい水を供給するため、水源から家庭の蛇口に至るまで定期的に水質検査を行い、水道水の水質管理に万全を期しているところであります。
 5点目の「国の包括的民間委託の促進への対処」についてですが、水道は町民生活や社会・経済活動に欠くことのできない重要なライフラインとして常に安心・安全な水を安定供給することが求められており、平常時はもとより、災害などの非常時においても一定の給水を確保することが町の大きな責務であることから、採算性を重視しつつも公営企業としてサービスを提供していくため、基幹的業務は今後も町が責任を持って効率的に実施していくことが必要で、包括的民間委託については、現在は考えておりません。
 水道事業につきましては、人口減少や節水意識の高まり、大口需要家の動向に伴う水需要の低下による料金収入の減少が懸念され、また老朽化に伴う施設や管路の更新に多額の投資が必要となることから、適切な財政計画や投資計画に基づく安定的かつ効率的な事業運営を進めてまいりますのでご理解いただきたいと存じます。
 次に、2問目のご質問、「イヌやネコへの不妊手術助成などについて」の質問にお答えいたします。
 1点目の「飼い犬、飼いネコ、飼い主のいないネコを対象とした不妊・去勢手術への助成」ですが、飼い犬、飼いネコにつきましては飼い主の方の責任において不妊・去勢手術等を実施していただきたいこと、また飼い主のいないネコにつきましては神奈川県で飼い主のいない猫を適正に管理できると認められる方が行う避妊去勢手術費用に対する補助制度を実施していることなどから、町において助成制度の創設は予定しておりません。
 2点目の「災害時のペット対策」ですが、国では「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」を策定しており、被災したペットが野良犬や野良猫化することを防止するため飼い主とペットの同行避難を基本とし、自治体に対し避難所に可能な限りペットを受け入れることを求めております。ペットの管理につきましては、平常時の対策を含め避難所等でも原則は飼い主の責任で行われるべきものであり、餌の備蓄や鑑札の装着、集団の中でのしつけなど飼い主に対して事前対策を講じていただくようチラシを配架するなど啓発活動を実施しております。
 3点目の「マイクロチップ装着の助成」ですが、動物愛護管理法では犬や猫などの動物の所有者は、自分の所有であることを明らかにするためにマイクロチップ等の装着を行うべき旨が定められております。神奈川県では飼い犬へのマイクロチップ装着促進活動補助金制度を実施しているところであり、県の補助制度を有効に活用していただきたいと考えております。
 ペットの管理につきましては、飼い主の方の「命あるもの」である動物の愛護及び管理に関する責任というものを大切にしなければならないと考えますので、保健福祉事務所や動物保護センターなど関係機関と協力しながら適正管理の普及啓発に努めてまいりますのでご理解いただきたいと存じます。
尾 尻 孝 和  中井町の水道が安く維持できている、その理由について説明がありました。もう一つ資料を紹介します。政治・経済『週間ダイヤモンド』、このことし1月15日号に、「水道料金ランキング1,263事業体完全版、格差は全国で7倍超」、こういう特集が掲載されました。1カ月20立法メートル当たりの家庭用料金の2016年度全国ランキングをその中で紹介しています。中井町は安い順番に並べた全国ランキングで、松田町と一緒の8位です。全国ベスト30の中に、神奈川県内では、中井町、松田町のほかに、開成町、南足柄市、大井町、湯河原町と、6つの自治体が入っています。
 私、さらに注目したのは、この中の料金回収率です。この回収率、給水に係る費用が水道料金による収入でどの程度賄われているか、これをあらわすもので、この回収率が高いほど水道事業の収益性がよくなる。100%を下回っている場合は、給水に係る費用が料金以外の収入からも賄われていることを意味する、そういった数値です。全国ベスト30の中で、この料金回収率、一番高いのが中井町で163%、2位の群馬県嬬恋村が142%、ベスト30の事業体でも、その4つに1つ以上は100%を割り込んでおり、給水に係る費用が水道料金以外の収入からも賄われています。2016年度について言えば、水道事業収益性、中井町は水道料金の安い事業体全国ベスト30の中で1位、トップです。まずこの事実、間違いないでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。平成28年度の水道事業に係る経営指標の数字、また水道料金の数字かと思います。議員おっしゃられました数字で、料金回収率等、あと20トン当たりの水道料金については間違いございません。以上です。
尾 尻 孝 和  この中井町のおいしくて全国トップレベルの安さの水道水、しかもそれらの中で収益性は全国1位、高い、この中井町の水道事業、なぜ安く維持できているのか、冒頭、答弁ありました。答弁にありましたように、何より豊富な地下水に恵まれている中井町の自然条件があると思います。それとともに、恵まれた地下水と里山の地形を生かした中井町独自の水道事業の設計・施工と、その維持管理、延々と続けてこられた、その努力なくして、現在の到達、あり得なかったと思います。そのことが現在のおいしくて安い水道水をつくっていると考えますが、これに長くかかわってこられた副町長、いかがでしょう。
副  町  長  今、議員のほうからご指摘ありましたように、中井町の水道は豊富、低廉の中で経営をしてまいりました。昭和46年に公営企業法の適用を受け、今の経営があります。そうした中で、中井町においては、一般住民、さらには企業とのかかわり等を持ちながら水道経営をしております。
 そうした中で、料金の中では企業に依存する面が多い面はございますが、豊富、低廉な水を供給してきたと。それから、全世帯に供給が図れたということが大きな…地勢を利用して全世帯に供給をしてきたということがかかわりの中にあると思います。
 町の水道においては、基本となる考え方、いかにコストを下げて安く供給するのか、維持管理においても、いろいろ先輩方々の技術の継承をしながら、町長のほうから答弁がございました、これからも継承しながらしていくことが大事だと。少ない人数でいかに経営をしていくのか。大きな施設の中では管理のシステムを投資をしている面もございますが、中井町は、時代に合ったものを採用しつつ、最小限の投資をもって経営に取り組んでいるという面も安さの1つであると思っております。
 そうした中で、これからも時代の流れを把握しながら、改めて採用するものは採用し、また取り組むものの中での更新等をしながら経営をしていくということの大事さ、豊富、低廉な水を供給するという水道の使命に基づいて、これからも維持管理に努めていかなければいけないというふうに思っております。
尾 尻 孝 和  この延々と続けてこられた中井町の水道事業の取り組み、派手さはありませんが、町民の福祉を支える、すばらしい、私は、行政の取り組みとして、大いに評価いたします。
 すばらしい、この中井町の水道事業、抱える課題もあります。老朽化に応じたインフラの更新、耐震化の推進など、これから大きな負担が予想されます。先ほど発表された中井町水道事業経営戦略、今後10年間の水道事業戦略を示したものですが、この中で、水道料金体系のあり方を検討するとして、その基本方針に2つの検討、見直しを掲げています。
 1つは、適切な費用負担に応じた水道料金の水準の設定に向けて検討を行うということ、あと1つは、使用水量の増加に応じて、高い単価を適用する現在の料金体系を見直す、この2つの点。端的に言ってしまえば、これから施設の更新でお金がかかるから、水道料金値上げを検討すると、それと、業務用水道料金体系、こちらについては値下げを検討すると、こういうことだと思いますが、いかがでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。議員おっしゃられますように、今後、水道施設の改修等必要になってくる費用、当然発生してまいります。ここ何年来、あまりその辺の取り組みが進んでいなかったことがございまして、今年度から徐々に、水道管路施設等の改修を始めていく予定でございます。その辺に係る経費、今後の減価償却費用等々に見合った料金水準を考えていく必要があるというふうに考えております。
 また、料金の体系の見直しというところでございます。おっしゃられましたように、現在の料金体系、逓増料金制といいます。使用水量が増えるに当たって1トン当たりの単価が高くなるような料金体系をとらせていただいております。また当町の場合、家事用と業務用ということで、種別で料金単価を変えるというふうな料金体系となっております。
 今後、経済状況にもよるとは思うんですけれども、大量に供給を受けている事業体につきましては少し高目の料金という形には、実際、なっております。そのようなことで、企業の進出ですとか、まあ、撤退などが発生するという恐れも、実際、ほかの都市ではあるような状況もございますので、その辺も考えあわせながら、一番よい料金体系のあり方というものを検討していきたいというふうに考えております。以上です。
尾 尻 孝 和  この中井町水道事業経営戦略では、水道管路の目標耐用年数での更新、これを前倒しして、更新費用の平準化を進めること、あわせ、おくれている耐震化を進める、そういった戦略になっております。そのための設備と管路の更新事業費、今年度が1億2,700万円、次年度以降2030年までの10年間、毎年、平均すると1億5,000万円程度を予定していますが、こういうことで間違いないでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。議員おっしゃられましたように、経営戦略の中で、一時期に改修工事が集中しないような形で平準化をして対応していきたいというふうに考えております。以上です。
尾 尻 孝 和  この設備と管路の更新、前倒しして取り組むと、このことは必要なことだと思います。その結果、中井町の水道事業の収支計画が今度どのようになるのか、この24ページに示されていますが、収益的収支は、向こう10年間、減少傾向にあるものの、期間を通じて赤字になることはない、このようにしています。2001年4月に平均13.46%の水道料金値上げを行ったとき、1995年、1997年、1998年、1999年と、収益的収支の赤字が続き、やむなく値上げに踏み切った経過があります。今回の経営戦略では、向こう10年間、収益的収支が赤字になることは想定していません。にもかかわらず、水道料金値上げを検討しなければならないのでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。24ページの収支計画は、使用料収入が現在の水準で移行していくという前提での収支計画をとらせていただいております。先ほど申しましたように、企業の状況によっては、この辺の料金の変動がかなり多く出てしまうのが実情です。現在、中井町の水道の料金は、家事用と事業用の比率に対しまして、実際の水量はそれほど大差はないんですけれども、事業用の水道料金に占める割合が非常に高いものとなっておりまして、それも特定の大口の何社かで大分大きな金額を納めていただいているような状況になっております。その辺の企業動向によって左右されてしまうような実は料金体系という形になっておりますので、それを少しでも、そういう企業等に影響を受けないような料金体系に見直して基盤の強化を図りたいということでの見直しの検討ということでございます。以上です。
尾 尻 孝 和  今後の設備投資にも関連するんですが、前倒しで施設と管路の更新に取り組むこと、これで建設の改良費が当然増えていきます。その3割程度は企業債の発行で賄う、そういった計画になっています。資本的収支も加味して水道事業の資金収支がどのようになっていくのか。単年度で資金収支の赤字が今後発生する年もありますが、それでも累積の資金残高、一番少なくなると予想しているのが2027年度で3億8,100万円、翌年からは増加に転じ、10年後の2029年が3億8,700万円になっています。資金収支という点から見ても、値上げせず、十分やっていけるのではないでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。先ほど申しましたように、資金収支、建設のほうは収益のほうで補塡しているというところもございます。水道料金がこのまま推移するという前提でのあくまでも収支計画ということになっております。先ほど回答させていただきましたように、その料金体系のバランスをもう少しとっていって、安定経営を目指せるようなものを検討する必要があるというふうに考えております。以上です。
尾 尻 孝 和  安定経営ということですが、私、再質問の冒頭で、中井町の料金回収率、給水に係る費用が水道料金収入でどの程度賄われているかという、この数値ですが、これが、水道料金が安い全国ベスト30事業体の中で一番高い163%だということを紹介しました。
 その同じ資料に、経常収支比率、これも載っています。中井町は152%、この数値も、30ある事業体の実はトップなんです。ここでさらに注目したいのは、ベスト30事業体の中で、経常収支比率よりも料金回収比率が高くなっている、この自治体は、中井町も含め5つの事業体だけです。経常収支比率は、一般会計からの繰り入れなど、水道料金以外の収入もあわせて給水費用をどの程度賄っているか、これを示す指標です。つまり、ベスト30事業体の中で25事業体は一般会計からの繰り入れなどでやり繰りしているということ、この認識は間違いないでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。ほかの事業体の、済みません、収支の細かい状況については承知していないところでございます。当町におきましては、一般会計などからの繰り入れはなく、単独でこのような数値を維持させていただいているところでございます。つけ加えさせていただければ、この回収率等と、あと経常収支比率がいい理由というのも、全ては特定の、その企業、何社かによる高い料金収入があって、こういう数字が出ているということをつけ加えさせていただきます。以上です。
尾 尻 孝 和  水道事業会計、企業会計だから独立採算が原則と、このように思われがちです。しかし、ベスト30の、この事業体でさえ、8割以上は一般会計からの繰り入れなどで対応しているのが現実です。ましてや財政状況が厳しい事業体、推して知るべし、こういう状態だと思います。
 水道水というと、全ての住民が必要とするものだからこそ、少しでも安く、負担を軽くしようと、多くの自治体が繰り入れなどの努力を行っています。中井町水道事業戦略の10年間の期間では想定していないことですが、仮に水道事業の純損益で赤字が見込まれるような事態になったとしても、行政として、まず行うこと、それは町民への料金転嫁でなく、一般会計からの可能な繰り入れなど、町民負担を増やさない努力を行うことではないでしょうか。そこの基本的な考え方、町長、いかがでしょう。
町     長  議員がおっしゃる部分は十分わかります。わかりますけれども、ただ、課長が答弁いたしました、私も最初に答弁しましたけれども、今後、企業さんにおんぶをずっとしているわけですよ。これが、ずっとおんぶできるかというと、例えば企業さんも要するに利益を生まなくちゃいけませんから、そこの部分で、水道を使えば使うほど高くなって、原価、利益の部分がマイナスになってきたときにおいては、撤退という部分だってあり得るわけですね。しますよとは言っていません。だから、そういう面を含めて、安定的に水道事業ができるための、要するに料金も見直すという部分も1つありますので、その辺もご理解していただきたい。議員おっしゃることもわかります。わかりますけれども、今、私の言ったことも逆に理解をしていただきたいというふうに思っています。
尾 尻 孝 和  事業者の料金負担ということを後でまた少し触れたいと思います。
 事業戦略の、この14ページですね、水道料金のあり方を検討する基本方針の2つ目として、使用水量の増加に応じて高い単価を適用する現在の料金体系を見直すと、このように書かれています。さらに同じページの下のほうには、現在の料金体系は、業務用大口需要者の費用負担が大きいことから、受益者負担の原則を考慮し、バランスのとれた料金体系の検討を行いますと、このようにも書かれています。答弁にあったとおりだと思います。
 現在までの家庭用と業務用で分けた料金体系、これを、水道管の口径、例えば13ミリとか20ミリといった口径別に分けた料金体系に変えること、家庭用・業務用といった区別をなくしていくこと、使用料が増えるに従って単価が上がる現在の方式をやめて、フラットな料金体系を目指す、こういった方向で検討するということでよろしいでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。経営戦略のほうでそのような記載をさせていただいております。実際、他の事業体におきましても、現在は、大分、口径別の料金体系というのが多くなってきている状況です。そのような他事業体なども参考にしながら、バランスのとれた料金体系に見直していきたいということで、必ずしもここに書いてあるものにするというわけではないんですけれども、このようなものを一応検討していくということでご理解いただきたいと思います。以上です。
尾 尻 孝 和  この料金体系、家庭用と業務量を分けて、使用水量が増えると単価が上がるというこれまでの料金体系、ずっとこれが続いてきました。なぜこの料金体系を中井町では決めたのか。副町長、決めた当時、どのような理由でこういう判断をされたのか承知されているのではないでしょうか。
副  町  長  現在、中井町の料金体系においては、従来型の家事用・業務用というのが主体、スタートのときの料金体系がそういう状況でございました。これは、一般の他の事業体におきましても、初期はこういう料金体系が主流でございました。先ほど担当課長が申しましたように、時代の背景とともに、口径別の料金体系、それに見合った、口径に基づく料金体系を求めていくというのが今の趨勢に変わってきているということでございます。
 そうした中で、中井町においても、一般家庭用が主体だった、先ほど申しましたように、料金体系から、水道経営から、グリーンテク等の企業が進出した等によります企業への水道の供給ということで、ちょうど日本の高度成長時代の中での経営が企業としてもできる状況にあったということだと思います。そうした中で、町の料金体系も、それに見合ったものを設定をさせていただいたというところでございます。
 しかしながら、これからの時代を見ますと、町として持続していかなければなりません。そういった中では、改めてあるべき料金体系をしっかり見据える必要があるということで、今回の経営戦略でも、それらの視点をしっかり見据えた取り組みをしていきましょう、していく必要があるということで、10年間の考え方のまとめがしております。改めて、そういったものも町もしていかなければ、やはり中井町が持続していくことの大事さを忘れてはいけませんので、改めてその辺を料金体系の中で検討しているというところでございます。
 先ほど申し上げましたように、料金においては、時代の背景等も踏まえて、流れの中で、料金の設定をしたということでご理解をいただきたいと思います。
尾 尻 孝 和  時代の変遷の中で料金体系についての考え方も変わってくるというお話かと思います。
 赤ちゃんからお年寄りまで、中井町に住む全ての町民にとって、水道水、1日たりとも欠かせない命の源です。だからこそ、住民に安心して飲める水を安く供給する、家庭用と、営利を目的とする事業用とを分けた料金体系、これも、そのために今までつくってきたのではないでしょうか、いかがでしょう。
副  町  長  今、ご質問のあったとおりの料金体系も視野に入れた中で当時は設定をさせていただいております。
尾 尻 孝 和  業務用大口需要者の費用負担が大きいと。中でも5の企業の需要が大きいと承知しています。この5つの企業が1カ月に使用している水道の量、どのぐらいでしょう。それと、納めている水道料金、中井町の水道料金総額のどの程度を占めているのでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。今、上位5社程度ということでご質問いただいております。年間の水量でいいますと、上位5社でおよそ33%、3分の1程度の供給量を占めているところでございます。実際、その33%の供給量で、その上位5社は、中井町全体の水道料金、3億1,000万程度あるんですけれども、そのうちの1億5,000万程度、約半分を、その上位5社が料金収入で納めていただいているというような状況です。以上です。
尾 尻 孝 和  先ほど来、答弁の中でも何回か触れられていましたが、こういった企業、こういった企業、水道料金負担を理由に中井町から撤退されたら困ると、こういうような思いを抱いておられるんでしょうか、確認のためにお願いします。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。他事業体において実際にそういう事案もある状況です。うちのほうで全くないというふうなことは言い切れないというふうに考えておりまして、この辺は一応常に危機感は持ちながらいるところでございます。以上です。
尾 尻 孝 和  この中井町の水道料金、この5つの企業にとって特別に高いのか。ほかの自治体で同じ水量を使ったときの料金負担と比べるとどうなのか調べてみました。企業が払う水1立法メートル当たりの最高単価、県営水道の436円、これは問題外としても、中井町と隣接する秦野市が245円、小田原市が260円、これと比べ、中井町は215円です。丹沢や箱根の水域を水源とする地域、全国でも水道料金が安い地域で、かつ首都圏です。その中で、中井町で事業を行っている水道大口需要企業が、水道料金が高過ぎるからという理由でほかの自治体に移る判断をすると、このようには考えられません。せいぜい地下水を無料でくみ上げることができる自治体を探すくらいではないでしょうか、いかがでしょう。
副  町  長  企業においては、それぞれの自治体が経営する業務用の料金を、供給を受けている企業体、他の自治体ではございます。そうした中で、みずからも自己水源を持っているところもございます。また、供給の中では、工業用水としての供給もしているところもございます。そうした中で、中井町においても、過去には大口の供給を受けたいというような申し出があって、現実的な供給をした中で、実態として経営に影響するというようなこともありまして、それらの社としての再利用等の取り組みをしながらすることの大事さがあるというようなことで見直しを図った中で、当初の予定した水道使用量が減少した経緯もございます。
 たまたま中井町からは、今、出るということはしてございませんが、中井町として、先ほど申し上げましたように、そうした企業があって、またそれに働く場所が、中井町の住民ができるというような連携した取り組みがこれから持続する、まちづくりの中では大事であるということを踏まえますと、やはり改めて、これからの料金体系をどう構築していくのかという視点は、今回の管の更新もございますが、全体の中で見ていく必要があるということで、料金の考え方の整理をさせていただきたいというふうに思っております。
尾 尻 孝 和  私、もう一つ調べてみました。この5つの企業の中で一番水道使用量の多い企業、全国に5つの工場を展開しています。5つの工場があるそれぞれの自治体の水道料金最高単価、一番高いところが436円、そして334円、311円、247円と続きまして、中井町が一番安い215円です。水を大量に使う、この企業も、中井町に進出するに当たり、中井町の安い水道料金、中井町の現在までの事業用水道料金体系で採算を検討して進出の判断を行ったのではないでしょうか。受益者負担の原則、公平な料金負担、こういった考えに縛られて、その考えを基準に水道料金の検討を行おうとしていないでしょうか、いかがでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。その考えにとらわれることなく、ただ特定の数社で依存してしまっているような状況はやはり適切ではないというふうに考えておりますので、将来的なことも考えながらの中での料金体系の見直しということで検討させていただきたいということで考えております。以上です。
尾 尻 孝 和  この受益者負担の原則、公平な料金負担といった考え、ここにどうしてもこだわってしまうわけですが、この問題、後ほどもう一度触れたいと思います。
 今後、施設規模の適正化ですとか耐震管への切りかえなど、中井町水道にとって大きな事業が何年にもわたって続いていきます。これを進める職員の体制、さらに職員の人材育成、技術の継承について伺います。
 環境上下水道課長のほかに、業務班1名、工務班2名というのが現在の体制です。水道の維持管理、料金徴収など財務管理、その他さまざまな業務をこの体制で取り組んでこられました。ことしからは、施設規模の適正化という、中井町水道事業にとって大きな転換となる事業が始まろうとしています。その企画から設計、発注、さらには施工管理まで、これまでになかった仕事に取り組むことになります。また、耐震管への切りかえが本格的に始まります。こちらも、設計、発注、施工管理など、新たな仕事になりますし、財政計画、財務管理もしっかりした取り組みが求められます。現在の体制で、これらの業務、責任を持って進めることに不安はないでしょうか。
副  町  長  今、議員のほうからご質問がありましたように、職員の体制は今の状況で取り組んでいるところでございますが、しかしながら、これから事業を展開していく中では、あるべき姿というのは当然のことながら検討してなければいけないというふうに思っております。現場の事業が増えれば、それに対する体制づくりは取り組まなければいけない。今の人員の中でできるのかどうかというのは大きな課題になりますので、それらを見据えた中でしっかり取り組んでいかなければいけないと思っております。
 一方では、やはり技術の継承、あるいは技術の取得というのは大きな課題でございます。今の時代の中で、時代に合った技術をどう取り組み、またそれを現実のものとして実施していくのかということでは、職員の研修、あるいは企業との連携を図った新たな技術の導入、さらには法等に基づく技術の見直しがされた中での、それらの技術の取得等を、研修等をさせながら、やはり実態として取り組まなければいけないということは十分理解しております。
 改めて、今後のそういったものを運営していく中では、それらをしっかり取り組んだ中で、経営という視点、それから皆様に安心・安全な水を供給するための取り組みとして、しっかり向き合っていきたいと思っております。
尾 尻 孝 和  今後、業務が大幅に増えてくると、そういう中で、職員の手に余り、業者に丸投げ、お任せという状態が広がり、気がついてみたら、状況判断できる職員が誰もいなくなっていた、あるいは委託ばかりになって、委託業務の内容もわからない職員ばかりになってしまった、こういった最悪の事態、決して起こしてはならないと考えます。
 中井町の水道事業に精通した職員がおり、しっかりした技術を身につけ、責任を持った事業展開が行われるよう、そして職員間の技術の継承も確実に進めていかなければなりません。小さな自治体の少ない職員、職員の異動も行わなければなりません。専門分野に精通した職員、現場の状況を熟知した職員を確保し続けるには、特段の努力、工夫が必要かと思います。町長、その辺のどのような検討、手だて、考えておられるでしょう。
町     長  検討、手だてというか、それは特には持っておりませんけれども、今、議員おっしゃった部分というのは十分私も承知しているとは言いませんけれども、ある面では思っているところでございます。ただ、今、一番、今後、技術職の方を職員採用するのが、今、非常に難しくなっているのは事実でございます。そういう面では、今年度あたりから県のほうも動いていただいている部分もありますけれども、そういった部分も含めて今後対応していかなくちゃいけない部分はたくさんありますので、その辺を含めて庁内で検討していきたいというふうに思っています。
尾 尻 孝 和  ぜひその必要な人材は配置し、確保すると、そのことが将来の安定した事業運営につながり、安くておいしい命の水を提供し続け、町民の福祉を守っていけると、この立場で当たっていただきたいと思います。
 政府は、公共サービスも民間に任せる市場化、これを進めようとしています。水道事業の民営化を進めるための水道法改正も行われました。改正された水道法では、地方公共団体が水道事業者としての位置づけを維持しつつも、厚生労働大臣等の許可を受け、水道施設に関する公共施設等の運営権を民間事業者に設定できる、そういった仕組みが導入されました。中井町では民営化は想定していませんが、しかし、その流れはひたひたと押し寄せてきているのではないでしょうか、その認識、いかがでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。国のほうでもそういう法律の改正が行われまして、神奈川県のほうも、水道の広域化、共同化というのを進めるような政策を行っているところでございます。当町におきましても、基幹的業務は別なんですけれども、例えば個別の業務を近隣事業体と共同に発注、例えば水質検査業務ですとか、そのようなことを共同でやることによって経費の節減を図るですとか、そういうふうな取り組みは進めているところでございます。
 ただ、近隣の水道事業体の経営状況、規模、運営形態等々から考えまして、水道事業体同士が合併するですとか、施設の運営権を行うというようなことは、恐らく近隣のほうでもなかなかそういうふうな状況にはなっていないのではないかというふうに認識しております。以上です。
尾 尻 孝 和  この水ビジネスで利益を追求する民間企業にとって、中井町の水道事業、小さいとはいえ、私、まさに魅力的な存在だと思います。タウンニュース3月29日号、中井町と横浜ウォーター株式会社との間で、水道事業経営基盤強化に向けた支援協定を締結したと、こういう記事が掲載されました。この記事にはありませんが、この中井町水道事業経営戦略、この作成を委託した先も、実はこの横浜ウォーター株式会社ではないでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。議員おっしゃられますように、こちらの経営戦略につきましては横浜ウォーターさんへの委託業務ということで実際させていただいております。以上です。
尾 尻 孝 和  この横浜ウォーター株式会社自身も、この委託契約を締結したということを昨年5月に報道発表しています。この報道発表の最後に、みずからの企業経営目標を紹介しています。「当社は横浜市の有する上下水道事業ノウハウを生かし、国内外への技術協力等の事業支援に貢献するとともに、持続性の高い上下水道事業運営や官民連携事業の創出を追求してまいります」と、このように紹介しています。この横浜ウォーターの企業目標、承知された上で、中井町水道事業経営戦略の作成委託、あるいは今回の支援協定を結ばれたのでしょうか、いかがでしょう。
議     長  7番 尾尻君に申し上げます。また上下水道課長に申し上げます。議場におきましては、Y社あるいはA社程度でとどめていただけたらと思います。以上です。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。一応企業理念等は承知した上で、あくまでも技術的な援助、アドバイス、アドバイザリーを行っていただくための協定ということで締結させていただいております。以上です。
尾 尻 孝 和  報道発表されていますので皆さんによく知られているということで、具体的に挙げさせてもらいました。
 同じように、もう一つ報道発表されている記事、文章を紹介したいと思います。メガバンクが発表した文章なんですが、「国内上下水道市場の現状と民間事業者の戦略の方向性」と、こういう文章です。この中で、「公共事業が落ち込む中で、上下水道設備投資は下げどまり」、下げどまりです、「更新需要の増加が見込まれており、地方の厳しい財政事情と技術職員の後継者難を考えれば、広域化、民営化を進めるべきである」、このように結論づけています。新たな投資先として、上下水道事業、これを位置づけ、官から民への経営移譲をここではうたっているわけです。「水ビジネス」と、こういう言葉が広まった背景には、日本の大手企業、財界、さらには世界の水ビジネス企業の新たな市場開拓に向けた強い願望があります。この点の認識はいかがでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。官から民への移譲というふうな流れが経済界のほうということなんですけれども、先ほど町長のほうの回答にもございました。当町におきましては、町で運営していくことが住民福祉への最も適切な対応だというふうに考えております。また、民へ出さないで済むようにするために、この経営戦略などの中で財政見通し等を立てさせていただいて、水道料金体系の見直しなどを図っていくということが必要だというふうに認識して、今回の戦略を進めていきたいというふうに考えております。以上です。
尾 尻 孝 和  民に出さないために、この戦略をかけたんだというお話ですが、政府は水道事業の広域化、民営化を進めるという、そういった立場から、水道法の相次ぐ改正、重ねてきました。2011年の改正では、インフラは自治体が所有したままで運営権を民間に移譲できる改正、2015年の改正では、水道事業に取り組む中で、これまで地方自治体職員が築いてきた専門的ノウハウ、この民間移転を目的とし、公務員を退職派遣させる、こういった制度、これが創設されました。そして今回の改正です。一貫して貫かれてきたのは、地方自治体の水道事業に民間資本が参入しやすくする、そのために水道法を改正することでした。
 中井町が協定を結んだ、このY社、この会社、水道法の改正に合わせるように横浜市が全額出資して発足した民間企業ですが、横浜市水道局の専門職員が退職派遣され、そのままこの企業の中軸となって働いています。これまで地方自治体が責任を持って取り組んできた水道事業運営に民間企業の参入を進めようとする、その流れにさお差すためにつくられた、そのさおとして位置づけられた企業だということ、そのこところを認識されていますでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。横浜市が100%出資で創設した事業会社ということになります。そのようなことも当然考えてのことだとは思います。ただ、当町といたしましては、あくまでも、そのすぐれたノウハウ、経験、大きな事業体です。相当数のノウハウを持っております。今年度も既にアドバイザリーということで、手前どものほうの施設の管理状況などについて打ち合わせを行っているところでございます。そのような、あくまでもノウハウを仕入れて、うちのほうがあくまでも町独自として単独水道事業として持続可能にしていくための取り組みということで、こちらのY社との協定内容での支援を受けているところというふうに認識しております。以上です。
尾 尻 孝 和  あくまでノウハウを仕入れるということでとどまれば私もいいと思います。
 総務省が公営企業の経営のあり方に関する研究会報告書を発表しました。平成29年3月付の資料です。この中で、「かつては『公』でしかできなかった、あるいは『公』が上手くできたことの中から、社会経済状況の変化や技術の発展に伴い、『民』がより良くできるものが増えている。『民』を活用することで、新たなビジネス機会の拡大に資することも期待される」、このように公営企業への民間資本の参入をあけすけに語っています。
 この報告書では、水道事業の包括的民間委託の先進事例、これも実はこの中で紹介しています。宮城県の山元町、2014年、Y社です、にアドバイザリー契約を委託し、最適な経営手法の導入に向けて支援を受けた。その結果、山元町は、2016年、S社に水道事業の包括的委託を行った。このS社というのは、日本の大手商社など大企業3社が共同出資した、国際水メジャーを目指すという従業員4,700人の会社です。委託内容というのは、取水施設、浄水場、ポンプ場、配水池、管路、施設などは山元町がそのまま所有して、それらの運転管理、保守点検、水質管理、物品調達業務、窓口業務、料金関係事務、こういったものを包括委託したというものです。この中に書かれています。この事実、ご承知でしょうか。
環境上下水道課長  お答えいたします。済みません、不勉強で、そちらの事実のほうは承知しておりませんでした。以上です。
尾 尻 孝 和  ここにそのように紹介されていますので、ぜひ確認していただければと思います。このY社と中井町の協定、適切な水道事業のアドバイスを受けるという協定です。中井町水道事業のこれからの方向は、町職員がみずから示し、実行していかなければなりません。そのためのアドバイスならばわかると思います。
 耐震管への管路の更新事業がこれから何年にもわたって取り組まれます。一つ一つの仕様発注に町は責任を持たなければなりません。とても手が回らない、あるいは判断能力を持てず、性能発注で済ませてしまう。仕様発注から性能発注への流れが進み、町の水道事業なのに町の関与が弱くなってしまう、さらには民間委託せざるを得なくなる、そういう流れにしないため、必要な体制を確保し、そして技術の研鑽、継承をしていくことが必要だと考えます。先ほど町長に聞いたことなんですが、その点、再度、いかがでしょう。
町     長  議員おっしゃる部分に対しては、私も知らない部分もございました。そういう面では、改めてそういった部分で、また庁内で検討していきたいと思います。ありがとうございます。
尾 尻 孝 和  水道はそれこそ町民の毎日の生活に直結しますし、その命と健康を保持するために欠くことのできない、そういったものです。水道を町民の命と健康、生活等を守る福祉と位置づけてきたからこそ、家庭用と事業用を分け、利用が増えるに従って負担が増える料金体系、これをつくり、町民の負担を抑え、町民の生活を支えてきたのではないでしょうか。繰り返しになりますが、この認識はいかがでしょう。
副  町  長  ご指摘のとおり、その認識は変わってはございません。先ほどから、町長のほうからもご答弁させていただいておりますが、水道経営におきましては、町がしっかり経営に携わるということには変わりはございません。
 そうした中で、先ほど町としても、これからのあり方ということで、Y社との委託契約をしながら、今回の水道のあり方というのをまとめさせていただいたのも事実でございます。これらにおきましては、そのY社が持つ自治体の地勢は中井町と非常によく似ている丘陵地であるということも1つの視野にあります。また技術力を日本で一番持っている自治体でもあるということも踏まえて、技術の研修等の場を設ける1つの機会でもあるというような総合的な判断の中で、町はそのY社に委託契約をさせていただきました。
 しかしながら、それをもって、全てを、これからのものを、その指導に基づく経営のあり方等を委託するという考えは、町は毛頭持ってございません。当然のことながら、ご承知のように、足柄上に属しておりますが、足柄平野の一帯ではございません。独立した水道経営をしていかなければいけない状況等々、大きな視点で見なければいけない中井町であることを踏まえると、これからもしっかり水道経営に取り組む責務があるというふうに町は認識をしておりますので、ご理解をいただきたいと思います。
尾 尻 孝 和  中井町の水道を包括的に、このY社に、あるいはY社の仲介で別の会社に包括的な委託をするというようなことは毛頭考えていないというご答弁かと思います。
 現在まで、この延々と続いてきた、この判断基準ですね、命の水を町が責任を持って安く、安全に届けるという、この判断基準、しかしながら、この判断基準に、今、揺らぎがあるのではないでしょうか。今回の中井町水道事業経営戦略には、適切な費用負担、受益者負担、負担の平等、こういった言葉の中に、水道事業を利益の上がる民間事業へと誘導する考え、水道を福祉として位置づけてきた考えから、水道を商品として見る考えの転換があるように思われるのですが、これはいかがでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。あくまでも、やはり町で責任を持って、水道を、安全でおいしい水を供給していくための取り組みということでございます。そのための経営基盤の強化等々を検討する中味ということです。公営企業という枠組みではありますけれども、まずは住民へのそういう福祉等を考えていることに違いはございません。以上です。
尾 尻 孝 和  今回の、この基本戦略で、中井町水道経営の基本理念、これを掲げています。豊かな自然の恵みを生かした安心で安定したおいしい水道と、こういう基本理念を掲げています。実は、この基本理念から、中井町の水道が全国の中でも秀でて安く供給している、この「安く」という言葉が削られ、実は抜け落ちています。町の発行したパンフレット「『里都(さと)まちなかい』へいらっしゃい」と、この中で書かれているとおり、「中井町の水道水は全て地下水を使っていて、安くてミネラル豊富なおいしい水がいつでも飲めます」、これからもそう言い続けることができるように、町が責任を持って水道事業に取り組むことを求めるものですが、町長、いかがでしょう。
町     長  基本的には最初に答弁したとおりでございまして、そういった面では考えは変わりませんので、努力してまいりたいというふうに思っています。
尾 尻 孝 和  水質の問題について1点だけ伺います。中井町水質検査計画に基づき水質検査が行われ、その結果が町のホームページに公開されています。法令で義務づけられている毎日検査の3項目、それから水質基準項目の51項目、このそれぞれは町のホームページで見ることができます。任意とされている水質管理目標設定項目、この26項目のうち、中井町が独自に必要と判断した農薬類、12種類の除草剤や殺虫剤ですが、これについては掲載されていないようですが、これらの検査結果、数値と傾向、どうなのでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。議員おっしゃられますように、農薬の関係については、申しわけございません、ホームページのほうには掲載してございません。一応毎年10月に農薬のほうの検査を行わせていただいております。年度により、ゴルフ場での使用の除草剤ですとか、例えば農薬を販売している事業所での新たな農薬の傾向などを聞き取りしながら、若干農薬の種類などを入れかえながら実施しているところでございます。一応昨年度につきましては、除草剤6、殺虫・殺菌剤8、計14項目について水質の検査のほうを実施させていただいております。この全ての項目におきまして、定量下限値といいまして、分析法では測定できる数値以下ということでなっております。以上です。
尾 尻 孝 和  安心で飲んでいただいて結構だということだと思います。
 中井町の水道水、全て地下水を使っていて、安くてミネラル豊富なおいしい水がいつでも飲めますと、ぜひこれをこれからも続けていっていただくように努めていただきたいと思います。
 時間がありませんので、最後に、犬や猫への不妊手術助成などについて、1点だけ伺います。
 地域には猫が好き人・嫌いな人、あるいは迷惑を受けている人、動物アレルギーの人までさまざまな人が混在しています。飼い主がいない猫でも生きているんだからということで餌をあげている人もいます。しかし、そのことが地域社会に新たな問題を起こすことにもなりかねません。だからといって、餌をあげなければ問題は解決するかというと、そう単純でもありません。地域猫対策など、行政として検討しているものがありましたら紹介お願いします。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。先ほど町長の回答にございましたように、町独自としての助成制度のようなものはとりあえず当面のところは予定はないところでございます。そのような地域猫に係るようなお話、ご相談等がありましたら、各種制度をご案内させていただくですとか、やり方の方法などを、例えば国のほうからも、いろいろな地域猫を飼育するときのやり方などというのが示されておりますので、そういうのをご案内させていただく。また、地域の方の理解をいただくためのかけ橋的なことをできればというふうに考えております。そのような、ちょっとソフト的な面で、相談、啓発等を行わせていただきたいというふうに考えております。以上です。
尾 尻 孝 和  業者へのマイクロチップ装着の義務化、これが盛り込まれた動物愛護法改正が今の国会で成立する見込みです。この法改正の内容、ぜひ町としても検討され、冒頭提案した事業などを具体化されることを求め、質問を終わります。
議     長  ここで暫時休憩といたします。再開は1245分とします。
                         (11時34分)


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