ページ

2020年4月20日月曜日

2020年3月議事録 公共施設長寿命化計画 バイオガス発電事業

久所地区にバイオガス発電事業が計画されています。
地元住民のみなさんから様々な疑問や不安の声があがっています。
気候変動の影響を軽減する効果ある事業だからこそ、新たな環境問題を生み出すようなことがあってはなりません。
住民のみなさんの声をとりあげ、質問しました。

会 議 の 記 録(抜粋)
                               2020.3.33                      
議     長  引き続き一般質問を行います。
 7番 尾尻孝和君。
尾 尻 孝 和  日本共産党の議員として、2問伺います。
 1、公共施設長寿命化計画から生かすことは。
 2018年9月に補正予算計上され、同年11月に委託契約された中井町公共施設長寿命化計画が、今年1月のパブリックコメントを経て3月に策定されます。
 1、この計画策定にあたって、34の対象施設をあげ、「原則として長寿命化をはかる」としつつも「政策的な判断により長寿命化をしない」施設もあるとしています。それはどの施設で、そのような判断をされた理由はどのようなものでしょうか。
 2、計画の過半を占める教育系施設について、「原則、長寿命化」とし、それに基づく計画となっています。しかしながら、長寿命化計画(学校編)では「学校施設は、原則として現在の規模・配置を維持します」としつつも、方針の3つの基本事項の1つに「学校統合の検討」を掲げています。「学校統合の検討」を掲げたその理由は。
 3、長寿命化計画をこれからの町政運営にどのように生かすつもりか。長寿命化計画に対応した今後40年間の財政推計の作成・公表は。
 4、詳しいデータを公にし、これからの町政運営への町民の理解を深め、町民の知恵を集める手立てが必要では。
 2、久所バイオガス発電事業の対応は。
 久所地内で計画されているバイオガス発電事業に、住民の不安が広がっています。
 1、住民の不安をどのように受けとめ、認識されているか。
 2、事業開始へ今後必要となる許可は神奈川県が4つ、中井町が1つです。県と町との協議も含め、中井町は「書類が整った事業申請されれば認可する」という立場か、それとも、「住民の理解と合意を前提として対応」か。
 以上、伺います。
町     長  7番、尾尻議員の1問目、「公共施設長寿命化計画から生かすことは」のご質問にお答えします。
 公共施設長寿命化計画は、本町が今後も保有していく公共施設について、その機能や性能を良好に保ち、長期にわたって町民等が安全に利用できること、修繕・更新コストの平準化等を図ることを目的に、施設の維持保全の方向性についての実施内容、時期、費用等の具体的な個別施設のアクションプランとして、現在、策定を行っております。
 1点目についてですが、施設の保全方法の決定、長寿命化改修対象施設とするか否かについては、長寿命化改修の費用対効果、建物の劣化度や用途、加えて譲渡、廃止等の見込み、これらにより判断を行うこととしました。
 ご質問にあります政策判断とは、長寿命化改修の費用対効果、建物の劣化度や用途の基準では長寿命化改修対象施設となるが、譲渡、廃止等の見込みにより長寿命化改修を行わない施設を指すものと理解し、ご回答させていただきます。
 これに該当する施設は、町営住宅と地域集会施設の井ノ口上会館及び井ノ口下会館の3施設となります。町営住宅については、入居者に快適な生活環境を提供するためには、施設の構造や間取り等を勘案すると多額の費用を投入して長寿命化改修を行うことにより現在の施設を長期に維持していくのではなく、民間賃貸住宅の借上げによる民設公営型の町営住宅の提供又は家賃補助事業の実施とする計画といたしました。地域集会施設の井ノ口上会館、井ノ口下会館については、施設の設置目的及び利用実態を踏まえ、地域等への譲渡又は施設廃止といたしましたのが、その理由です。
 2点目についてですが、平成27年5月の中井町総合教育会議において、少子化に対応した活力ある学校づくりに向けて協議いたしました。その協議のなかで、学校の統合について私と教育委員会とで意見交換を行っており、学校統合について関係者の意向を調査する目安としての学校規模は、複式学級となる学校規模であることを合意しております。
 公共施設長寿命化計画において推計した児童・生徒数及び学級数では、複式学級となる学校規模を前提とした場合、計画期間内では学校統合が必要な状況ではないと想定しています。しかしながら、少子化の更なる進行や社会経済情勢の変化により、学校の統合を含め、最適な学校教育のあり方を検討していくことが必要であると認識しておりますので、学校施設の適正規模・適正配置を検討する際の基本事項に、学校統合の検討を掲げさせていただきました。
 3点目、長寿命化計画の町政運営への反映については、長寿命化計画に定めるロードマップを基本に、公共施設を保全・管理していくことが冒頭に申し上げた長寿命化計画の策定目的を達成することになります。長寿命化計画の策定に伴う施設の維持管理や劣化状況の把握に加え、施設の利活用の状況や社会経済情勢の変化により求められる施設機能のあり方等もしっかり調査・把握し、検討を行った上で、総合計画後期基本計画実施計画へ反映させたいと考えており、これにより町政運営に確実に生かしてまいります。
 また、長寿命化計画に対応した今後40年間の財政推計についてですが、財源的な裏付けをもって、公共施設の保全・管理に取り組んでいく必要性は十分に認識をしておりますが、40年の間には世界や我が国の社会経済情勢の変化に対応して、税や社会保障等の諸制度が現行制度から大きく変わっていくであろうことが想定されます。そのため、現行制度をベースとしたあまりに長期の財政推計は推計自体の信頼性の確保が非常に困難であると考えております。また、長寿命化計画は、計画期間を40年間としていますが、社会情勢の変化等の状況に応じて、10年を期間とする長寿命化計画のロードマップの設定を行うこととしております。
 これらのことから、長寿命化計画を反映させる総合計画後期基本計画実施計画により、5か年間を推計期間とした財政推計を行ってまいります。
 最後に、4点目についてですが、長寿命化計画には、個々の施設の劣化度評価結果及びロードマップ、施設類型別にライフサイクルコスト及びその算定条件を掲載しております。長寿命化計画の策定後、その全文を町ホームページに掲載し、公表してまいりますので、ご理解いただきたいと存じます。
 続きまして、2問目、「久所バイオガス発電事業の対応は」の質問にお答えいたします。
 当該事業は、久所地内の工業専用地域に食品残渣を原料としてメタン発酵によりガスを生成し、当該ガスによる発電を行う事業とのことで、事業者から計画概要の説明を受けております。
 1点目についてですが、現在、事業者の方で住民の理解を得るための説明会などを開催していますが、地域住民から不安の声が上がっていることは承知をしているところです。住民の皆さんの不安や懸念を払拭できるよう詳細かつ丁寧な説明等について、事業者に対して要請してまいります。
 2点目についてですが、事業者に対し、住民の皆さんに理解と合意をしていただくために説明会を要請しているところであり、住民の理解と合意を前提として対応しております。
尾 尻 孝 和  まず、公共施設長寿命化計画は、それに先立つ中井町公共施設等総合管理計画があり、この2つの計画の関係、位置づけはどのようになっているでしょう。
総 務 課 長  お答えいたします。公共施設長寿命化計画につきましては、その上位計画が公共施設管理計画という形になりまして、その長寿命化計画につきましては、当該計画の個別施設の具体のアクションプランという形の位置づけを行っておりまして、その公共施設管理計画の具体化をしたものというような形でご理解していただければと思います。以上です。
尾 尻 孝 和  2017年の3月、中井町公共施設等総合管理計画が策定されました。この総合管理計画では、私たちが使っている公共施設は、一見、堅牢に見えても、必ずつくり直されねばならない更新の時期を迎えますとして、庁舎や学校などの公共施設のほか道路や橋りょう、水道設備などのインフラ資産全体、ただし下水道インフラは除かれましたが、これら全体の、今から50年間に更新費用として支出しなければならない総額195億円、1年当たり約3.9億円と試算しました。公共施設やインフラ全体の3割で更新を取りやめても、2036年には最大30億円の累積赤字となると、こういった試算も出されました。
 同じ年、一旦提出された役場周辺整備計画、総額25億から30億円で中村川右岸に町民交流センターなどをつくる計画ですが、これが、この年の10月、見送りとなりました。役場周辺整備計画見送りの判断と中井町公共施設等総合管理計画との関係は、当時、どのようなものだったでしょう。
総 務 課 長  お答えいたします。総合管理計画を、現下の長寿命化計画ではなくて総合管理計画ですね、その計画を策定する時点においても、議員がおっしゃいます役場周辺の整備の関係、それについては含まれてない形で50年間の費用の積算をさせていただいているという状況でございます。以上です。
尾 尻 孝 和  あの中期財政展望が、当時、示されました、この結果を受けてですね。それで、役場周辺整備計画の見送りを、その結果、判断されました。これに対し、私、当時、12月の議会だったと思いますが、必要な判断だと、このように述べました。そのことは、その後の財政状況の推移を見ても、正しかったと思います。
 中井町の現在の財政状況、一般会計で借金を上回る預金があります。特別会計も含めた借金総額が減少しています。このように、中井町の財政は、近隣自治体と比べ、健全です。新年度予算案に組み込まれている中学校給食費の全額補助、防災行政無線戸別受信機の、希望する全ての世帯への無償貸与、こういったことができるのも、この比較的健全な財政があってこそだと考えます。
 2017年、一般会計の7割にも相当する箱物建設を始めていたら、即、借金は預金を上回り、中学校給食全額補助や戸別受信機無償貸与など、この4月から取り組む決断はできなかったのではないでしょうか。町長、いかがでしょう。
町     長  それをつくろうと思えばつくれたと思うし、やろうと思えばやれたかもしれません。それはちょっとわかりませんが、その都度その都度、判断をしておりますので、それでご理解していただきたいというふうに思っています。
尾 尻 孝 和  少し先に触れちゃいます。最後に最終策定される中井町公共施設長寿命化計画、2018年9月の議会で、この計画作成委託料として1,300万、承認されました。計画作成に当たって、国の示している調査基準に加え、町ではコンクリートコアの抜き取り調査なども行われました。
 策定される長寿命化計画の内容ですが、公共施設の耐用年数と目標使用年数を示しています。鉄筋コンクリートですと耐用年数60年、目標使用年数85年です。52の公共施設、建物のうち、長寿命化改修で使用年数85年を目指す14の建物の名称、それぞれが何年までの使用目標となるか、お願いします。
総 務 課 長  お答えいたします。尾尻議員のご質問にありましたように、構造が鉄筋コンクリート造、また建築物で、躯体の耐用年数が60年のものについては、長寿命化の大規模改修をすることによって25年延伸し、85年というような形で目標の使用年数を設定させていただいてございます。その使用年数が早く到来する順にお答えをさせていただきたいと思います。
 まず2059年が中学校の体育館と特別教室棟の2戸、2060年が学校給食センター、2063年が井ノ口小学校のA棟とB棟、2065年が役場の庁舎、2067年が子育て支援センター、2069年が農村環境改善センターと郷土資料館の2戸、2070年が井ノ口小学校のC棟、2071年が中村小学校B棟と中井こども園の旧幼稚園舎の2戸になります。2073年が中学校の教室棟、2074年が井ノ口公民館という形で、以上14施設となります。
 なお、この挙げさせていただいた14施設につきましては、あくまでも国土交通省の指針に基づいての施設を挙げさせていただいたということでご理解をいただきたいと思います。以上です。
尾 尻 孝 和  そのほか、建設後30年未満の建物で、今後、計画保全により使用年数85年を目指す3つの建物があります。それぞれ何年までの使用目標となるか、お願いします。
総 務 課 長  お答えいたします。これについても、目標使用年数が早く到来する順にお答えをさせていただきます。2081年が保健福祉センター、2085年が中村小学校の南校舎、2094年が中井こども園の旧保育園舎、以上でございます。
尾 尻 孝 和  比較的最近になります。今後10年間、2030年まで建てかえとなる7つの建物と、その年度、これについてもそれぞれお願いします。
議     長  総務課長、これは公表されているものですか。今、何らかの形で公表されているものか。(私語あり)
 7番 尾尻君に申し上げます。この目的を聞かせてください、この羅列をしていただいている。
尾 尻 孝 和  長寿命化計画自体には細かく発表されています、正式なものを見ると。皆さんの共通の認識にしていただきたいという趣旨がメーンです。
議     長  そうしますと、ある程度、お調べいただいたところもあるわけですね、もう既に。全部が全部、今、聞き取って書き取れるわけでもないですし、またそれを覚え切るわけでもないですので、その点は、物理的あるいは現状の可能な範囲で質問していただいて、必要に応じて、そのまとめを具体的に求めていくような質問がよろしいかと思います。
 とりあえず、今の質問にお答えください。総務課長。
総 務 課 長  お答えいたします。7施設につきましては、いずれも躯体の耐用年数まで使用するという形でございまして、木造で30年、鉄骨造で45年の使用年数という形となります。これにつきましても、使用年数が早く到来する順にお答えをさせていただきます。
 まず、2021年が総合グラウンドの体育小屋、中学校の技術棟と格技場と体育館の3施設、2026年が中村小学校の体育館と消防団の第3分団の詰所、2029年が井ノ口小学校の体育館ということで、以上7施設になります。なお学校のプールについては除かせていただいてございますので、ご了解いただきたいと思います。以上です。
尾 尻 孝 和  この今後40年間の計画の中に、建てかえ以外の新規建設、この予定は入っていないと思いますが、いかがでしょう。
総 務 課 長  お答えいたします。ご質問のとおり、入ってございません。以上です。
尾 尻 孝 和  答弁にありましたような長寿命化改修、あるいは計画保全する建物、それ以外の耐用年数での建てかえ、または取り壊し除去する建物、これらを組み合わせ、40年間のライフサイクルコストの合計は約1527,000万円、1年間の平均は約3億8,000万円となると、これが今回の中井町公共施設長寿命化計画が示したものです。
 今月策定となるわけですが、冒頭申しました4点について、より詳しく触れたいと思います。政策的な判断に、長寿命化をしない施設に町営住宅が入っています。政策的に借り上げにするとか、2つほど出されました。
 私、1つ提案したいんですが、山北町が、定住促進住宅事業として、山北駅北側に42世帯入居のサンライズ山北、こちらですね、これを6年前に建設しました。子育て世帯を対象にした6階建ての住宅で、平均家賃6万5,000円程度、2から3LDKで、子どもの成長に合わせた間仕切り調整もでき、スローガンに、子育てしやすく安心して定住できる生活環境の提供、これを掲げています。ある入居者は山北町広報で、子育てなどにとてもお金がかかる世代にとって、同規模の民間住宅に比べ負担が軽いのが魅力、このように述べています。
 中井町の町営住宅が住めなくなるのはまだ先のことですが、その時点で中井町の公営住宅がなくなる、これは地方自治体の住宅政策としてよいのでしょうか。どうでしょう。
福 祉 課 長  お答えをいたします。ただいまの町長の答弁でも、民間の借り上げとか、家賃補助とか、そういう検討、計画をしているというお話で、今年度、外部評価の中で、町営住宅の運営管理ということでB評価という評価をいただきました。その中で、事業の手段、効率性を改善し、効果を高めることが適当であるというふうな評価をいただき、その中で、今回の家賃補助とか民間の借り上げ等の提案もさせていただきました。
 いずれにしろ、今の住居に関しましては、バブルバリアフリー化に欠けているとか、そういう問題も当然あります。今、5世帯のうち4世帯が高齢者が住んでいるという状況で、基本的には低所得、それから高齢者、そういったものの需要が、ある程度、中井町は多いというものを視野に入れながら、まだ期間もありますけれども、今、各市町の事例等を調査しながら、今後、検討を進めていくという状況でございますので、ご理解いただきたいと思います。以上です。
尾 尻 孝 和  先ほど山北町の紹介をしました。中井町の特徴ですが、横浜市の鶴見区あるいは西区などと同様に、昼間の人口が夜の人口を上回っている、県内の数少ない自治体、行政区です。外から中井町に働きに来ている方がたくさんいます。井ノ口の県道沿いならバスもあるし、秦野や二宮駅へもさほど時間がかかりません。インターチェンジもあります。豊かな自然と、おいしくて安い水、子どもの医療費無料や給食の無料化、保育園の待機児はいません。中井町に毎日働きに来ている子育て世代を対象にした魅力的な町営住宅を提供し、将来、中井町で戸建て住宅への生活につなげてもらう、このような発想もあってよいのではないかと思うのですが、いかがでしょう。
町     長  議員おっしゃることは十分わかります。山北町の例もありましたけど、それ以前に、一時有名になった下條村、あのときはすごい人気だったんですけど、今は逆に減っているという状況もございます。そういう面で、山北町さんはPFIの形でやって、その辺はよく聞いております。その中で、今、PFIの会長もやっていますけれども、そういう面では、その辺の部分も頭によぎることはあります。
 それともう一つは、要するに民間を借り上げてというのは、中井町の地主さんが町民であるから、そこを買い上げるということは、それもまた1つの方策かなという部分もあります。
 そういう面で、今はそういう方針でございます。今後については、また必要とあれば判断をさせていただきたいと思います。今の時点では先ほど申したとおりでございます。以上です。
尾 尻 孝 和  この町営住宅のほかにも、町有施設として譲渡ないし廃止を見込んでいる、そういった建物があります。その建物、設定した廃止年度あるいは譲渡の年度、予定しているところを紹介いただきたいと思います。あわせて、これらの建物については、普段使われている町民の方への説明、あるいは地元自治会との相談はどのようになっていますでしょう。お願いします。
総 務 課 長  お答えいたします。私のほうからは、現在、地域の自治会館として利用されている施設についてが該当する施設になりますので、その部分だけ、すみません、お答えをさせていただきたいと思います。
 まず2024年が中村下会館、2031年が井ノ口上会館、2032年が井ノ口の下会館、以上でございます。
福 祉 課 長  私のほうから、今、3館の、住民との説明だとか協議だとか、そういう点についてご説明を差し上げます。まず井ノ口の下会館につきましては、平成27年度から、地元、下井ノ口の自治会と、下井ノ口の自治会館の老朽化に伴って、譲渡等の協議をしてまいりました。その中で、最終的には、30年度になりまして、建物がちょっと大きい、管理も大変だというところもございます。町も、全部無償というわけにはいかないという中で、やはり用地等の賃貸についての協議ということもありまして、最終的には、現時点では譲渡は希望しないということになっております。
 また井ノ口の上会館につきましても、同様に平成25年から地元の自治会と協議をしております。その中で、金銭面でやっぱり折り合いがつかないという状況がありまして、譲渡に至っていないという現状がございます。これにつきましては、要望があれば、また再度、自治会とも協議をしてまいりたいというふうには考えております。
 また中村の下会館につきましては、耐用年数も近づいているというところもございまして、今後の検討が当然必要なところがございます。その中で、利用者人数が、年間、中村下に関しては延べ5,000人の利用者がいると。そういう中で、学習支援だとか、体操教室、ヨガ、絵画等の教室等のコミュニティ的な利用がかなり多いというところもございまして、廃止するには、当然、これから地元自治会等との、また団体等との協議もしながら、適正な移行といいますか、その辺を考えていきたいというふうに考えております。以上です。
尾 尻 孝 和  廃止するという結論ありきではなく、既に協議もされているところもあるようですが、住民や自治会、あるいは利用者との丁寧な対応、そして、これらの要望を受けて、結論が既に決まっているということでないと受けとめてよろしいでしょうか。
福 祉 課 長  お答えをいたします。一応計画上は廃止ということで、方向性としては、取り壊しだとか、譲渡とか、売却とか、そういう廃止に向けての取り組みを今後進めていく必要があるという中で、当然、いずれにしても地元住民の意見を聞きながら、その辺の廃止後の状況については十分検討していきたいというふうには考えております。以上です。
尾 尻 孝 和  廃止という結論は、一定程度、もう出ているわけですが、それについて、その後のフォローの仕方をどうするか、新たに利用者のためのものをつくる、あるいは配置する、こういったところもぜひ検討して、論議の中に加えていただきたいと思います。
 次に、学校統合の検討を掲げたことについて伺います。中井町で学校統合を行おうとしたら、2つの小学校を統合するか、さらに、小中一貫校として町全体で1校にすると、これしかないと思います。統合すれば教員を減らすことができる、あるいは学校施設を減らすことができる。中井町で公共施設削減を進めるには教育施設しかない、要は、いかに将来の財政負担を減らすか、そのことが学校統合の主要な目的になってしまわないでしょうか、いかがでしょう。
教 育 課 長  お答えいたします。まず、町長の答弁にもございましたように、今回の計画の中に、中井町総合の中で位置づけさせていただいたものといたしましては、中井町の総合教育会議において学校の統合問題について協議した経緯がありましたので、学校施設の適正規模、適正配置を検討する際の基本事項に学校統合の検討を掲げさせていただいたという背景がございます。少なくとも計画期間内では、学校の統合について検討するような事態は、児童・生徒数の推移・推計からは想定してはおりません。したがいまして、学校統合ありきで、今回、記載しているわけではないということでご理解いただきたいと思います。
 ただ、今後の社会情勢が変化する中で、劇的に状況が一変することもないわけではございません。まして今回の計画につきましては40年にわたる長期の計画ということもございますので、そういう計画である以上、そういう状況も多少なりとも視野に見据えておく必要があることから、学校統合の検討について記載させていただいたというところでございます。あくまでも、計画にも記載してございますけれども、学校施設の適正規模、適正配置の方針に記載のあるとおり、学校施設は現在の規模、配置を維持します、これが原則となっておりますので、ご理解賜りたいと思います。以上です。
尾 尻 孝 和  原則としつつも、当面の3つの基本方針の中の1つに据えられちゃっているんですね、このことが。学校のあり方を検討する際ですが、あくまで子どもたち一人ひとりの豊かな成長を据えていく、そのために学校はどうあったらよいのか、どのように充実したらよいのか、こういったことが脇に置かれて、財政負担をいかに減らすかと、この問題意識が先行してしまう。財政負担を減らすために、あれこれ教育上の理由がひとり後からついてくると。こういうことはよほど戒めて当たらないと流されてしまうのではないかと思います。そのことへの腹構えですね、教育長、いかがでしょう。
教  育  長  高橋課長が答弁したように、まず統合ありきとは一切考えていません。平成27年の総合教育会議においても、国のほうからは、財政問題等も背景にはあるんですけれども、適正な学校規模というふうなことを推進する会議を持ちなさいよと。そこで開いた結果は、やはり中井町においては、2校、特に小学校の置かれている地域の上での文化、これは非常に重要であるというふうな認識に立ち、あるいは一人ひとりの資質・能力を伸ばすためにはどちらのほうがいいのかと、適しているかと、そこから原点があります。したがって、今回の長寿命化につきましても、現段階では統廃合は全く考えていない。
 ただし状況いかんによっては、統廃合についての調査をするかしないか、それを聞くための調査・研究は必要であろうというふうな議論はさせていただいております。要は、この長寿命化は、今の学校施設、特に統廃合をしないためにはどうしたらいいかと、この上に立って、今回は、この長寿命化計画があると。まあ、逆の発想というふうなことでは捉えております。以上です。
尾 尻 孝 和  次の問題に移ります。長寿命化計画には、町有施設の維持・保全の方向性についての実施内容、時期、費用等の具体的な個別施設のアクションプラン、これが示されています。しかし、その個々の内容は、計画作成に当たっての条件設定、国が示している条件設計に沿った形で行われており、この作成に当たって行われた各施設の劣化状況調査の結果、これが十分反映された内容にはなっていません。
 今回調査した52施設のうち、さらに詳細調査が必要とされた施設、これは26ありました。いろいろあると思うのですが、鉄筋コンクリート施設については、あくまで60年、85年の設定を基準としてライフサイクルコストが計算されています。概要を示すものとして、この計画を活用しつつも、実際の事業を進めるには、今回の検査結果、さらには詳細検査を行って、それらに基づいた行政としての政策判断を加えた修正、これが必要ではないでしょうか。その取り組み、当然、考えておられる、あるいは既に取り組み始めておられるかと思うのですが、いかがでしょう。
総 務 課 長  お答えいたします。町長からもご答弁をさせていただきましたけれども、今回の長寿命化計画の策定に当たりましては、先ほど議員おっしゃいますように、コア抜きとかも含めて劣化度調査を実施させていただきました。また、今までの管理状況等も含めて、各施設ごとの詳細なカルテ的なものをつくらせていただきました。それに基づいて、今回、長寿命化計画、尾尻議員おっしゃいますように、確かに国土交通省とかから出ている指針がございますので、その指示に基づいてというところはありますが、町としても、その指針に基づいて計画をさせていただいているというところでございます。
 また、各施設の今後の維持管理、また維持修繕を含めたところにつきましては、この長寿命化計画によって劣化状況等の調査の把握はできましたので、ただ今後につきましては、施設の利活用の状況ですとか、また社会経済情勢の変化というところもございますので、施設の機能のあり方もしっかり議論させていただいた中で、具体のものについてはどういうふうな形で取り組んでいくかというところについては決める必要があるというふうには認識してございます。以上です。
尾 尻 孝 和  その取り組みを反映した財政計画、これは、長期のものについてはかなり難しいと。ただ、5年、10年という範囲での推計、あるいはその作業を進めたいという先ほどの答弁でした。
 この公共施設の状況、長寿命化の計画、財政推計、こういった詳しいデータを公にし、これからの町政運営への町民の理解を深め、町民の知恵を集める手だてについて伺います。
 今後、一層の少子高齢化が進行する、あるいは町財政は厳しさを増すとよく言われます。しかし、抽象的な言葉で強調されるだけでは、町民から出される知恵や提案、意見も抽象的になりますし、あるいは直感的なものとなってしまいます。行政の持っている問題意識、町民が感じている問題意識とがかみ合わず、場合によっては不信感が増すことにもなりかねません。
 まず行政が持っている詳しい情報、詳しいデータを可能な限り町民の目に触れるようにすることが、先ほどの答弁にもありましたが、前提だと考えます。そして、これらの内容をわかりやすく伝える努力、問題の整理された町民への投げかけ、これが必要ではないかと考えますが、いかがでしょう。
総 務 課 長  お答えいたします。ご質問の内容につきましては確かにおっしゃるとおりだというふうな形に思いますし、また町長からのご答弁の中においても、そういうような形でご答弁をさせていただいているというふうに考えてございます。
 特に財政推計のほうのお話につきましては、40年間の計画につきましては、町長ご答弁させていただいたとおり、なかなか困難であるというのが実態でございます。ただ長寿命化計画自体については10年間のロードマップをつくるという形にさせていただいてございますし、また現在、総合計画の実施計画においては、5年間を推計期間として実施をさせていただいてございます。特に来年につきましては後期基本計画の実施の年度でもございます。
 また、今までこの長寿命化計画を反映した実施計画というのはなかなかできていなかったというのが実態なんですけれども、それも含めた中で、来年度については5年間の財政推計を行っていくというふうに町として判断してございますので、そのデータについては、当然、議会の議員の皆さんもそうですけれども、町民の皆様に財政推計という形で開示をさせていただくというふうに考えてございます。以上です。
尾 尻 孝 和  ぜひそれらの開示をお願いしたいと思います。
 この1,300万円かけてつくった町の公共施設長寿命化計画です。でき上がったからよかったよかったと書庫に入れてしまうのでは、作成した意味が、当然、問われます。この計画をさらに練り上げ具体化し、これからの町政運営に生かしていかなければならないと考えます。そのために作成したのですから、いよいよこれからが、ある意味では本番という立場で当たっていただくことを主張して、次の質問、バイオガス発電事業について伺います。
 まず最初に、国連は持続可能な開発目標、SDGsの1つに、気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる、このことを掲げています。バイオマス発電事業は、その目標を達成する上で効果ある事業だと認識しています。そうであるからこそ、推進する上で守るべきルールがあり、バイオマス発電事業が新たな環境問題を生み出すようなことがあってはならないと考えます。
 今回、久所の工業専用地区にバイオマス発電事業が計画されていることについて、それはどういうものか、それと、経過や事実関係を、まず確認しておきたいと思います。計画されている食品廃棄物によるバイオガス発電とはどういうものでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。工場などから出る食品廃棄物ですとか、事業所など、レストランなどから出る食品廃棄物を集めまして、かの地でメタン発酵という技術がございます。それで発酵させて、その発酵したガスをもとに発電機を回して発電をして電力利用をする事業ということで事業者のほうから説明を受けております。以上です。
尾 尻 孝 和  中井町で、この事業者から、中井町でバイオガス発電事業を実施したいと、この話が最初にあったのはいつでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。平成30年の12月に、事業者のほうから計画の概要について、最初、お話をいただいてございます。以上です。
尾 尻 孝 和  この話があったとき、町は事業者から事業概要について説明を受け、町としての判断を持つため、同種施設の視察も行っています。そして町は事業者に対し、土地利用の考え方などから、砂利採取跡地などでの実施を提案しています。町が事業者の計画している久所の工業専用地区でなく、砂利採取跡地などを提案した理由、それはなぜでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。久所の工専であればさまざまな利用のほうが可能でございます。以前は別の企業が、大手の企業が事業所として参っておりました。そういう関係で、町の土地利用を考えた中で、現在、未利用のところがあるというところで、土地利用を検討しなくてはいけない場所があるというところの中で、一応砂利跡地のほうというお話をさせていただいたということでございます。以上です。
尾 尻 孝 和  しかしながら、この提案、砂利採取跡地などでの事業提案、これは業者から受け入れられませんでした。事業者が受け入れられないとした、そして計画どおり、久所の工業専用地区で進めたいとの意向を示したのはなぜでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。この事業、発電を行います。再生可能エネルギーで発電した電力の固定買い取り制度というのが経産省のほうでございまして、そちらの買い取り単価が、年々、見直しをされている状況で、ご案内のとおり太陽光などは大分価格のほうが下がってきているような状況です。事業者のほうでは早目の事業化を実施したいということで、工業専用地域での実施の意向を持っているという状況です。以上です。
尾 尻 孝 和  今、答弁ありましたように、再生可能エネルギー電気の買い取り制度、FIT、これによるバイオマス発電の現在の買い取り価格、これはキロワット当たり39円です。太陽光や風力の18円よりも高い2倍の価格が、現在、設定されており、これが2021年度まで適用されます。その後、この価格がどうなるかは国の審議会で検討されますが、政府は引き下げる方向です。
 事業者は2020年度中に発電事業の認定を受けるため、ことしの3月中に申請手続を始める、そういう計画です。そしてこの認定を受けると、2022年度からの買い取り単価が下げられても、2021年の事業開始後20年間は、この39円の単価で固定されます。砂利採取跡地は調整区域であり、事業化まで何年もの年数を要すると。2022年になれば、39円の買い取り価格が見込めず、採算が悪化する、これが受け入れられない大きな理由でした。
 この事業者の意向を受け、町は、においや騒音対策、関係車両の通行などについて地域住民の理解を得るよう事業者に指導を行っているとのことですが、具体的にどのような指導を行ったのでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。事業者のほうで独自に説明会のほうを、既に3回ですか、開催しておるところでございます。住民の方から出る不安等に対して適切に回答するようにお話しをさせていただいているところでございます。以上です。
尾 尻 孝 和  中井の生活環境を心配する会の皆さんにより、今回のバイオガス発電事業への4つの心配事項、それと全国で起こっている事故事例、これを掲載した文書が地元地域に配布されています。私、2つの点で、町が行政としてどのような認識でおられるか伺います。
 1点目はごみ処理の基本にかかわることです。ごみは発生元で減らす、そして分別して資源にする、発生した地域で処理し、ほかに持ち込まない、こういったことがごみ問題解決の大原則になります。
 今回、中井で計画されているのは、食品残渣を原料とするバイオガス発電としては全国でも5本の指に入る規模です。日量80トンの生ごみを必要としており、発酵槽は1日24時間、年間365日、休みなく発酵を続ける計画です。事業が軌道に乗るかどうかの鍵の1つ、それは安定して、この日量80トンを確保すること、これにかかっています。そのため事業者は、コンビニやスーパーの期限切れ食品や加工で発生する生ごみで50トン、食品製造工場の生ごみで25トン、家庭からの生ごみ5トン、これを毎日確保するとして、神奈川県内のみならず、東京都からも、これら生ごみを搬入するとしています。
 このような広域で発生した生ごみが中井町に集中すること、発生した地域で処理するというごみ問題解決の原則に照らして、行政としてこのことをどのように考えますでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。当該バイオガス事業に限った話ではなくて、ごみの処理の考え方でお話しをさせていただきたいというふうに思います。
 域内で発生したごみを域内で処理できれば、それは一番いいことかと思いますけれども、私たち、生活している中で、どうしても広域で移動しております。今、私たち、家庭で消費するものは、加工されたものを家庭で消費しますけれども、加工工場は域内にはございません。そこから運ばれてきて、食品は家庭で食べて、食べ残しがまた域内で出るので、一般家庭からの廃棄物ということで町のほうで処理をさせていただいているところでございます。
 ほかにも、例えば私どもが町外に出てレストランに行ったり、ホテル行ったりとかすれば当然ごみが発生します。そのような中で、ごみが、発生元はうちだけというふうな考え方は少し違うのかなというふうに、ちょっと考えはございます。
 食品に限らず、ほかのもの、加工品、いろいろなもの、生活に必要なもの、さまざまなものが域外で生産されて、そこで生産に伴う廃棄物が当然発生しております。そのようなものを、私たちは、自分たちのところで出たものでないからということで一律に排除するというのは、ごみ処理の考え方では少し違うのかなというふうに考えております。すみません、今回のは当該事業のことというよりも、一般的なごみ処理の考え方のお話でさせていただいております。以上です。
尾 尻 孝 和  例えば中井のごみは上郡3町で共同で処理するわけですね。今回の、この事例、神奈川のみならず東京都からも生ごみを中井町という小さな自治体に持ち込むと。規模的には、やはりごみを発生したところは、基本的に発生したところで処理していくという、この観点から見て、あまりにもずれているのではないかなというふうに思うわけです。発生したごみは発生したところ、発生した地域で処理することが、環境問題、ごみ問題を解決している基本だという、この立場をきちっと対応を進めていただくことが必要ではないかと思います。
 2点目、建設予定地の環境に関連して行政の認識がどうなのかということを伺います。この建設予定地、確かに工業専用地域です。しかし住宅地が隣接し、しかも裾に広がるように隣接しています。中井町水道の最大供給減となっている久所浄水場、その3つの井戸はすぐ近くにあります。全国各地のバイオガス発電事業を見ても、例えば東京都大田区の施設のように、市街地から離れた広い工業団地の中に位置しており、長野県の施設のように、郊外で周りを畑に囲まれた中に建てられています。中井町の予定地、そういった環境とは違います。なおかつ、中井町の予定地は土砂災害警戒区域に接しています。
 事業者は、施設について、新耐震基準により設計します、地域上乗せ基準がある場合は、それも満たすものとします、このように表明しています。先月、逗子市で、卒業間近の高校生、通学途中、崩れた土砂に埋まり、亡くなるという痛ましい事故が起きました。事故は、大量の雨や地震がないにもかかわらず、土砂災害警戒区域から崩れた土砂によるものでした。近年、増えている豪雨、あるいは必ず来ると言われている巨大地震、そのとき計画地の土砂災害警戒区域で土砂崩れは起きない、このように言えるでしょうか。
副  町  長  今、ご質問の件におきましては、事実、土砂災害の指定ということでなっております。これが必ず問題ないということは確定することはできません。
尾 尻 孝 和  新耐震基準により設計された発酵槽、容量が合計4,000立方メートルです。この役場庁舎、これを器に見立てますと、深さ4メートルから5メートルまで満たすのと同じ容量です。この発酵槽、これが地上に設置されるわけです。この発酵槽、土砂崩れに遭っても、新耐震基準を満たしているから破損しない、このように言えるでしょうか。
副  町  長  本体の基準としては合っているという設計上の話はございますが、やはりその地勢や全体の状況を見るということが大きな視点であるというふうに認識をしております。
尾 尻 孝 和  新耐震基準、地震の揺れに対しての耐震基準にはなると思いますが、土砂災害、土砂崩れが襲った場合には、全くその対応としては不十分だと、このように思います。発酵槽が大きく破損して、水とあわせてどろどろに攪拌された嫌気発酵中の生ごみ、この4,000立方メートルの発酵槽に入った大量の汚泥、これが流れ出しても、汚泥が流れ下る地域での直接的被害、地下水の汚染など、甚大な被害にはならない、このように言えるでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。現在、事業者のほうは、まだ施設の設計等を行っていない段階でございます。神奈川県のほうに事前相談という形で、こういう事業をやりたいというふうなお話をされているだけで、事業概要等の子細につきましては私どももお伺いしておりません。先に住民説明会のほうを進めているということで、逆に、その子細が決まってない中での住民説明会ということで、事業者が適切にお答えすることができない部分があるのかなというふうに認識しております。そのような段階ですので、今、想定でそういうお話をするのが正しいことかどうかというのはちょっとわかりかねますということでご理解いただけたらというふうに思います。
尾 尻 孝 和  このメタンガス発電事業ですが、既に現地に視察へ行かれた方も多数いられると思います。メタンガス発酵槽、そして脱硫装置、あるいは発電装置、こういった施設、プラントが一連のものとしてあるわけですね。あの久所の地域にそれをつくるわけですから、当然、そこに対しては細かい設計ができてないから対応をまだ考えられないということにはならないのではないかと私は思います。
 さらに懸念するんですが、嫌気発酵で発生する硫化水素です。この硫化水素なんですが、プラントには発酵槽からメタンガス発電機へつながるガスパイプの中間に脱硫装置が設置されます。発酵槽で発生するガスは、6割から7割がメタンガス、二酸化炭素が三、四割、ほかに微量成分として硫化水素などが含まれます。この微量の硫化水素、ppm単位の硫化水素を取り除くのが脱硫装置です。
 伺います。前もって資料要請しておきましたが、硫化水素とはどのような気体なのか。気体の特徴、濃度と被害の関係、硫化水素による事故は、地面を掘る工事、工業プラント、温泉や火山など、それぞれどのような環境で発生し、どういった事故が起きているでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。硫化水素は、空気より重く、無色の水溶性の有毒の気体で、腐敗した卵に似た特徴的な強い刺激臭があり、皮膚、粘膜を刺激するということです。
 発生元は、自然界では火山あるいは温泉地帯において、地下のマグマに溶け込んでいるものが分離して、噴気孔から大気中に放出されております。人工的な発生源といたしましては、し尿や汚水を貯蔵するタンクや管路などがございまして、汚水管などの中で汚水が長時間滞留すると、空気が供給されないため、汚水が嫌気性細菌によって還元され、硫化物が精製し、これが空気に触れて硫化水素が発生します。
 濃度と被害の関係につきましては、事故現場の状況などによるというふうに思いますので、一概にお示しすることは難しいと考えます。硫化水素による事故は、下水道マンホール内での堆積した汚泥の清掃作業中に中毒になる例ですとか、工業プラントのタンク内で作業等、密閉した空間で事故の発生が見られております。また過去に、換気の悪い温泉施設での事故の例ですとか、登山中に火山ガスが発生する立ち入り禁止区域に立ち入ったことにより事故が起きた例があるということを承知しております。なお、中学校の理科の実験で、硫化水素を発生させるというのがあるんですけれども、それで、においで気分が悪くなるというようなことは時々あるようです。
 事故の頻度につきましては、厚生労働省による、硫化水素中毒による労働災害の発生状況というのが厚労省ホームページに掲載されております。過去20年間、平成10年から平成29年の数字になります、の労働災害は68件で、年間二、三件発生していることになります。以上でございます。
尾 尻 孝 和  濃度との関係をおっしゃられませんでしたが、硫化水素、800から1,000ppm、これが即死の濃度です。人間が即死する濃度です。これは、空気中に0.08%から0.1%硫化水素が含まれる、そういう濃度です。メタン発酵槽内で発生するガスの硫化水素濃度、それは1,000ppmを優に超えるとされています。
 伺います。硫化水素事故が発生した場合、その救出にはどのような対応を求められるか。2次被害の危険性、救助活動の装備、発生部署への換気のもたらす影響、火器への影響など、注意ですね、各地の消防はどのような対応を行っているでしょう。
地域防災課長  お答えをいたします。硫化水素事故が発生した場合の消防の対応ということだと思うんですけれども、救出要請があった場合には、周囲の安全確保や2次災害防止の対策をとった上での救出活動に当たるということになります。
 その中で、まず2次災害の危険性についてですけれども、これにつきましては、今、一般的には、先ほどおっしゃいましたように、特徴的な臭気があるというところで、気づきやすいというものではあるんですけれども、高濃度の場合には臭気を感じなくなることもあるというふうに消防のほうから聞いておりますので、高濃度の硫化水素が一部に滞留した場合等につきましては、気づきにくいというような状況が考えられます。
 次に、救助活動の装備についてということですが、装備につきましては、全身を覆う簡易化学防護服と、あとは顔を覆うことができるような呼吸保護具を着用した上で、あとはガスの測定器具を持った上で救助活動に当たるというふうに聞いております。
 次に、換気のもたらす影響というところにつきましては、硫化水素は空気より重たい性質がありますので、風がない場合等におきましては低地のほうに滞留する恐れがあるということがあります。また換気を行った場合等につきましては、風下のほうにまたその影響が出るということもありますので、そうしたものも考慮した中で、避難の必要性とか、そういうところも考えていかなきゃいけないというような対応になると聞いております。
 最後に、火器についての注意ということなんですけれども、一般的には、バイオガスに含まれる硫化水素では、引火する危険性というのは低いと言われているんですけれども、メタンガスを生成しているということから、閉鎖空間でバイオガスが漏れた場合には引火する危険性も当然あるということです。
 いずれにいたしましても、消防といたしましては、いろんなことを、今言ったこととかを想定した中で、2次災害を起こさないことを最優先に活動を行っていくということになります。以上です。
尾 尻 孝 和  消防では今のような対応がされる、それが硫化水素です。
 近年増えている豪雨や必ず来ると言われている巨大地震、そのとき計画地の土砂災害警戒区域で土砂崩れが、4,000立方メートルの発酵槽あるいはプラントを襲った場合、発酵槽や脱硫装置、ガスの配管を含めたプラント全体、仮にこれが大破に至らない場合でも、発酵槽の一部破損、あるいはひび割れ、ガスパイプとの接続面での亀裂、あるいはガスパイプの亀裂、こういったものが1つ起きただけでガスは漏れ出します。電気がとまっても発酵はそのまま20日から30日の間続き、その間、ガスは放出され続けます。
 メタンガスや炭酸ガスは空気中に拡散され、人体に直接の影響はありません。今、話がありましたように、硫化水素は、微量でも、比重が重いため下へ下へと流れます。事業地の下には民家が並んでいます。このようなシナリオ、あり得ないことでしょうか。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。リスクをどこまで考えるかというふうな話かと思います。説明会の中でも、想定外の災害等ということが住民の方からお話が出ていることは承知をしております。適正な施設管理、設計等を行う、維持管理を行うということで事業者のほうは対応するというふうに認識はしております。
 あと、すいません。ただ1点だけ、土砂災害警戒区域の関係につきましては、たしか敷地の、以前あった事業者が緑地として使っていた部分がかかっていたというふうに認識をしております。どのような施設の配置になるかというのは現時点では子細はいただいていませんけれども、以前の事業所ですと、たしか緑地部分がかかっているというふうな状況だったかというふうに承知しております。以上です。
尾 尻 孝 和  このバイオガス発電事業の許認可権、これは県と町が持っています。昨年5月、事業者から神奈川県に相談票が既に提出されています。今月中にも、事業者から神奈川県に事業予定計画書、それと生活環境影響調査実施計画書、これが提出されるでしょう。既に提出されているかもしれません。これから県と町との協議も行われると思います。中井町も、一般廃棄物処分業許可、この判断をしなければなりません。
 事業者は、2020年度中に中井町でのバイオ発電事業の認定を受けるとしています。そして事業者は同時に、許可申請手続を進める中で、行政の指示や助言を仰ぎますと、このようにも表明しています。行政として、様子見、あるいは県の判断待ちでなく、科学的事実に基づく独自の検討を多方面で行うことを求めるものです。その判断をもって神奈川県との協議にも当たっていただきたいのですが、いかがでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。町としても、独自に法令ですとか整備マニュアル、基準等々の確認は行っているところでございます。しかしながら、先ほど来、お答えしますように、事業者からの詳細計画が出ていないということで、私どものほうから、この事業についての説明をするのは差し控えさせていただいているような状況でございます。
 今の議員のお話の中で、今月中にも計画書が県のほうに出されるというお話があったんですけれども、私どものほうではそういう話は一切聞いておりません。直近で県にも事業者のほうにも確認はさせていただいております。まだその段階にはないということで確認をとっております。どのような話が出ているのかわからないんですけれども、状況としてはそうです。
 また、2020年度中の経産省の認定申請というふうなお話もあるようなんですけれども、恐らく物理的に無理なんじゃないかなというふうに、今、考えております。2021年度中の申請になるのではないかなというふうに、今のタイムスケジュールを見ますと、考えております。
 事業者のほうは、2020年度末、工事着工ということで当初の事業計画説明資料をつくったままの状態で説明会等を開催されているようですけれども、そのスケジュール感では恐らく無理ではないかなというふうに感じております。
 神奈川県のほうでの許認可、町のほうでの認可ということがございます。とりあえず、以前ご説明した中では、大きなもの4つということでご提示をさせていただいておりますけれども、こういう施設ですので、例えばガス保安法ですとか、高圧ガス法とか、例えば消防法等々、さまざまな規制を受けるような形にはなります。当然、その辺の技術的な確認は、県と連携しながらしていきたいというふうに考えております。
 ただ、今、現時点で、町のほうで、この事業についてご説明する段階ではないというふうな状況ということでご理解いただきたいと思います。以上です。
尾 尻 孝 和  当初、事業者が予定したとおりには進んでいないということが、まだ申請に至っていないということだと思います。ぜひ注意して対応していただきたいと思います。
 私、バイオマス発電事業について2点ほど、ごみは発生したところで処理し、ほかに持ち込まないこと、土砂災害が起きたときに想定されること、この2つの点に絞って伺いました。ほかにも町民から出されているたくさんの不安、疑問があります。これらについても、行政みずから、事業者が計画が出ないからということではなくて、一つ一つ事実を積み重ね、調べ、検証していただきたいのですが、いかがでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。先ほどお話しさせていただきましたように、法令の確認等々、独自にはやっているところでございます。また土砂災害区域につきましても、そのような形で現状のエリアの確認は内々に行っているところでございます。
 当然、申請が出ないからといって、全く何も検討していないということではございません。実際問題として、直接私のほうに住民の方から、心配ということでお話をいただいていることがございます。そういうご心配についてのご相談ですとか回答などはさせていただいている状況です。ただ、私どものほうで、この民間事業について説明を広く行うという段階ではないのかなというふうに認識しているところということでご理解いただければと思います。以上です。
議     長  本日の会議は議事の都合により、あらかじめ、これを延長いたします。
尾 尻 孝 和  検証していないわけではないという話がありました。現時点で具体的な検証がどのように行われているのか、また検証の結果、どのような判断をされているか、二、三伺います。
 搬入・搬出が狭い道路で行われる危険リスクについて、どのように検証されましたでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。搬入・搬出ルートにつきまして、現在、これもせんだっての説明会のほうで事業者が提示しておりました仮のルートということで承知しております。今後、集荷先の決定などによりルートが変わるということで話をいただいております。
 搬入コース、想定されるのは幾つかございます。その中で、一部、狭いですとかいうようなところもございますので、そういうようなところはできる限り搬入時は避けるような指導が必要かなというふうな、そのような検証は行わせていただいております。以上です。
尾 尻 孝 和  メタンガスエンジンと発電機による低周波振動、これについての検証と判断はいかがでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。発電機が、いろいろ種類がございます。レシピプロ型ですとか、ジェットのようなものを使うようなものですとか、あるようです。おのおのの特性ですとか、そういうようなものについての確認は行っているところですけれども、まだ事業者のほうで、どちらの発電機、どのようなシステムの発電機を使うかということを明確に伺っておりません。ただこういう種類の発電機があって、こういう対策が必要だということは、内部で私のほうで検討はさせていただいている状況です。以上です。
尾 尻 孝 和  このバイオマス発電事業の全国の事故事例、これを生かした対策、これについての検証と判断、いかがでしょう。
環境上下水道課長  お答えさせていただきます。環境の会の方が集めていただいて町民の方にお示しされている資料の中のお話かというふうに承知します。拝見させていただいて、施設類型ごとに見させていただきまして、いろいろこういうリスクがあるかなというところは把握をさせていただいております。
 一部、事業者の行うシステムとは違うつくりのものの事故等が掲載されているようなところもございますので、その辺も、まだ事業者のほうで最終システムが固まってない状況ではありますけれども、こういうシステムであればこういう危険性があるということで認識をして、今後、必要な指導が発生するであれば、そこに行かせていただきたいというふうに考えております。以上です。
尾 尻 孝 和  今、幾つかの点で答弁いただきました。率直に言いまして、今の答弁で、住民の皆さん、不安は解消されるでしょうか。町長、住民の不安は今の答弁で解消されると判断されますでしょうか。
町     長  今の答弁ではちょっと不安かなという感じは私も受けますけれども、基本的に企業さんの計画のほうを含めて、そこで判断はしていかなくちゃいけないのかなというふうに思っています。今の時点では、私が今までずっと申しておりますように、積極的に持ってくるという部分もないし、また、今だめだということではないんですけれども、その辺の判断は、めどとしては今月いっぱいかなという感じもしておりますので、その辺で判断をさせていただきたいなという部分でもあります。
尾 尻 孝 和  ぜひ行政として、住民から出されている不安の一つ一つについて事実を積み重ね、調べ、検証していただきたい。そして行政としての一定の判断をもって事に当たっていただきたい。様子見でなく、主体的に事に当たっていただきたいと思います。
 最後になりますが、中井町環境基本条例では、第3章、環境の保全及び創造を推進するための施策の中に、町民等の意見の反映、このことを掲げています。具体的に第10条では、町は、環境の保全及び創造に関する施策について、町民等の意見を反映することができるような必要な措置を講ずるものとする、このように定めています。行政が単独で判断するのでなく、町民の意見を反映する、そのために必要な措置まで、この条例では町に求めているわけです。この条例の立場からも、今回のバイオマス発電事業への対応は、住民の理解と合意を前提として町が対応を行うことを求め、質問を終わります。


0 件のコメント:

コメントを投稿