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2021年4月20日火曜日

2021年3月議事録 福祉有償運送、デマンドタクシー、スクールバス、町道下庭線

 中井町オンデマンドバスは、2013年に実証運行が始まり、来年で満10年となります。来年度の切り替えに向け、3つの提案をしました。

尾 尻 孝 和  7番、尾尻孝和です。

 日本共産党の議員として3問伺います。

 「(1)福祉有償運送の現状と今後への課題は」

 中井町社会福祉協議会が、中井町からの受託事業として実施してきた「しらさぎ送迎サービス事業」は、道路運送法の改定を受け、2012年度より「福祉有償運送事業」として取り組まれてきました。

 制度が改まってから9年が経過し、高齢者の増加に伴い介護保険要支援者、要介護者も増加の一途をたどっています。

 町は、福祉有償運送事業の現状をどのように認識され、今後支援をどのように考えているか伺います。

 「(2)無料の町営スクールバス実施の考えは」

 2022年度には、オンデマンドバス運行体制切替えを含めた地域公共交通の見直しが行われます。見直しに際し、通学にも使われている朝夕1便の路線バス維持のための事業者への補助金事業から、現在のオンデマンドバス車両を使った徒歩通学困難地域を巡回する無料の町営スクールバス実施へ切り替える考えは。

 「(3)町道下庭線の改修計画は」

 鴨沢・雑色の中村川左岸で町道下庭線以外に進入路がない世帯が多くあり、下庭線はこれらみなさんの毎日の生活道路となっています。

 しかし、中村川左岸土手道で狭い道路幅のため、車の脱輪転落事故も数多く起きています。消防車、救急車の通行幅もギリギリです。

 以前より拡幅改修工事の要望が出され、5年程前にも鴨沢自治会から改めて改修要望が提出されています。

 1、下庭線の現状をどのように認識されているか。

 2、下庭線の改修に向けた課題は。

 以上を伺います。

町     長  おはようございます。

 7番、尾尻議員の1問目、「福祉有償運送の現状と今後の課題は」の質問にお答えいたします。

 中井町社会福祉協議会が行っている送迎サービス事業は、平成22年度に国の緊急雇用創出補助金を活用した町の委託事業として開始し、平成24年度からは道路運送法上の福祉有償運送事業の登録をした社会福祉協議会の独自事業として運営しており、町は補助金交付等の支援を行っています。

 事業開始年度に会員数60名、年間1,300回ほどの利用実績だったものが、事業の認知度の向上や高齢化の進展に伴う介護保険の要介護、要支援認定者などサービス対象者の増などにより、平成30年度では会員数300人、年間3,000回ほどの利用実績となっており、ドア・ツー・ドアの個別輸送サービスを提供する福祉有償運送は、ほかの公共交通機関を利用することが困難な高齢者や障がいをお持ちの方に不可欠なサービスであると認識しております。

 社会福祉協議会は民間の社会福祉法人であり、その運営には自主性と自立性を十分に確保することが重要でありますが、福祉有償運送事業は道路運送法で利用料金をタクシーのおおむね2分の1の範囲内とされていることや、本町の地域特性などから事業費の全てを社会福祉協議会の自主財源で賄うことは難しいと考えておりますので、今後も引き続き事業費の補助や運営に関しての助言指導などを、必要な支援に努めてまいりますのでご理解いただきたいと存じます。

 続いて2問目、「無料の町営スクールバス実施の考えは」のご質問についてお答えいたします。

 オンデマンドバスの今後の取組につきましては、昨日の同僚議員の質問に対して回答させていただいたとおり、運行事業者との協議を進めているところです。

 無料の町営のスクールバスの実施につきましては、現行の朝夕1便の震生湖線、路線バス維持のための事業者への補助とオンデマンドバスの運行により児童・生徒を含めた移動手段の確保も行っており、経費面等からも効率的であると認識していることから、現在のところ考えておりませんので、ご理解いただきたいと思います。

 続いて3問目、「町道下庭線の改修計画は」のご質問についてお答えいたします。1点目、2点目につきましては、関連性がありますのでまとめて回答いたします。

 町道下庭線は、河川堤防敷を利用し町道認定している路線で、地域の方の生活道路として利用されておりますが、道路幅員が狭く数箇所に待避所を設けて擦れ違いを行うなどの利用者の方にはご不便をおかけしていることから、道路整備の必要性は十分認識しております。

 過去にも地元自治会から道路の拡幅要望をいただいており、河川管理者と協議を行ってまいりましたが、河川区域内での行為となりますので制約が多くあることや、沿線の境界が明確でないことなどから、事業化に至っていない状況となっております。

 町といたしましても、施工方法や施工時期を検討し、地元自治会や関係地権者並びに関係機関と改めて協議してまいりますので、ご理解いただきたいと思います。

尾 尻 孝 和  まず1問目ですが、まず、中井町社協から実施しているこの福祉有償サービス事業、この基本的なことを確認しておきたいと思います。

 対象者、利用目的、利用回数及び時間、利用料金、利用範囲、運行日と時間、これらはどのようになっているでしょう。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。中井町社会福祉協議会が行っております福祉有償運送事業なんですけれども、対象者につきましては介護保険の要支援、要介護認定を受けている方ですとか、障がいをお持ちの方、また、介護の認定は受けていないんですけれども、高齢等で歩行等が困難な方を対象ということで、使用の目的といたしましては、病院への通院ですとか、また、入院時の送迎、施設への通所、入所の際、また、買物等への利用ということで行っていただいております。

 原則お一人様月2回の利用ということで、2時間以内を目安ということで、利用料金につきましては、町内は一律500円、町外につきましては片道500円で、往復で1,000円という形になっております。

 運行範囲につきましては、上地区の1市5町ですとか、中郡、小田原市、秦野市、伊勢原、平塚までを運送のエリアとしておりまして、月曜日から金曜日、祝日は除くんですけれども、8時半から5時までの間の利用という形になっております。以上です。

尾 尻 孝 和  これらの皆さんの利用されているうち町外への通院送迎、例えば、東海大病院の伊勢原ですとか大磯、あるいは秦野の神奈川病院といった自宅からこれら町外への病院の送り迎え、これが全体の7割を占めていると伺いました。

 利用されている方の声、どのような声が上がっているか、紹介いただけますでしょうか。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。町の社会福祉協議会が行っている事業ということで、よく顔を見知った職員がいろいろ対応していただいて、臨機応変な対応なども、基本予約は3日前までという形のようなんですけれども、対応ができれば前日までの予約のほうも受け付けて、予約も取りやすく運転士の方も親切で、感謝されているというふうなお話をいただいております。以上です。

尾 尻 孝 和  今紹介いただきました。私も直接聞きました。本当に皆さん感謝しているんですね。喜ばれています。

 今、中井町の介護保険を利用されている皆さんや障がいを持つ方などにとって、福祉移送サービス、本当になくてはならないサービスとして、利用者、家族の皆さんから喜ばれています。

 この事業、非常勤職員が3名、内訳は、月給1名、時給2名、原則1日2名の体制で運行されていますが、運転手が足りないときは、社協の事務局員が運転し、やりくりもされています。

 道路運送法の改定を受け、2012年度より、福祉有償サービス事業として切り替え、現在に至っているわけですが、この間の福祉移送サービス運行回数について伺います。

 2019年度は、最終の四半期が新型コロナウイルスの影響により、通院回数も必要最小限に自粛とされた影響で、利用回数が減少しています。新型コロナウイルス関係の影響がない2018年度、それから、福祉移送サービスが開始された2012年度、それぞれの65歳以上の高齢者人口、福祉移送サービスの利用回数、どのようになっているでしょう。

 あわせて、それぞれの増加割合、これもどのようになっているかお願いします。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。まず、高齢者、65歳以上の人口につきましては、2012年、平成24年度が10月1日現在の人数となります、65歳以上人口2,520人。

 これが2018年、平成30年になりますと3,212人、692人の増、パーセントにしますと27%ほど増という形になっております。

 一方、社会福祉協議会の福祉有償バス事業の運行回数のほうなんですけれども、2012年、平成24年度の実績が1,681回。これが2018年、平成30年度の実績になりますと3,067回ということで、回数にいたしますと1,386回の増、82%の増という形になっております。以上です。

尾 尻 孝 和  今お話しいただきました。

 高齢者人口の増加割合が1.27倍、福祉移送サービスの利用回数の増加割合が1.82倍です。高齢者人口よりも福祉移送サービスの増加割合のほうが大きく上回っています。この辺の事情はどのように見ておられるでしょう。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。先ほど町長答弁のほうにもありました社協のほうが、福祉輸送運送事業の認知度が上がってきた。また、その運営に対して評価が高いということで、利用のほうが伸びているというふうに感じております。以上です。

尾 尻 孝 和  この社協が行っているサービスですが、2018年度決算で、収入合計額、幾らになっているでしょう。

 あわせて、この事業を委託している側の、中井町からの委託補助金額、これは幾らでしょう。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。2018年度、平成30年度の福祉有償運送の社会福祉協議会の事業決算につきましては、決算額が6146,000円となっております。そのうち町からの補助金は250万円となっております。以上です。

尾 尻 孝 和  社協の福祉移送サービスの年間収入合計、これは多分662万円だと思うんですが、町からの委託補助金が250万円、約4割弱を占めています。利用者の負担金が130万円で20%。残りの4割強の金額は社協が負担し持ち出しになっています。共同募金、社協の会費、あるいは社協の基金などから繰入れしてやりくりされています。

 しかも町からの委託補助金は、2012年度には300万円だったものが、その後50万円削られています。現在250万円。

 町の新年度予算では、この委託補助金を50万円増やして福祉移送サービスとしてスタートした2012年度の水準に戻されるようですが、それでも全く足りないのではないでしょうか。

 福祉移送サービス、年間事業費の4割強に当たる金額を社協全体の会計から持ち出して、何とかやりくりされています。

 これは、社会福祉協議会だからできることで、もし、民間の福祉法人にこの事業、この金額で委託したら、どこも多分引き受けるところはないと思います。いかがでしょう。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。1点ちょっと確認なんですけれども、こちらの事業、平成22年、23年度は、国の補助金を使いました緊急雇用対策ということで、雇用を広げるという形のもので、ハローワークなどで人を募集して、運転手を募集して事業を始めたという経緯がございます。

 その当時は、確かに委託事業ということで行っておったんですけれども、平成24年度からは、あくまでも社会福祉協議会の独自事業という形での運営に対しての町からの補助というスキームになっております。

 ちょっと委託事業とちょっと補助事業、委託事業となりますと、町が行うべき仕事を直接別の者にやらせている。補助事業は、補助を受ける団体が独自で行っているものに、町が公益性があるということで補助を出しているという、そういう仕組みになっておりますので、その辺はちょっとご理解いただきたいと思います。

 また、社会福祉協議会なんですけれども、一応社会福祉法人でございます。独自性、自立性をもって、独自財源などを確保しながら運営していくということが肝要なところでございます。

 また、その中でも、公益事業、公益的な事業について取り組むようにということになっております。そのような中で、補助の割合がどの程度かというところの判断はあるとは思うんですけれども、一応、こちらの関係、今、250万円という形で長らく補助をさせていただいておりました。

 次年度につきましては、社会福祉協議会のほうで、少し料金体系の見直しを行うということになっておりまして、それに併せて町のほうも、補助の額の見直しを行ったというところになりますので、ご理解いただければと思います。以上です。

尾 尻 孝 和  お話ありましたように、恐らく今の補助金の額では、民間福祉団体に委託したら、どこもやれないと思います。社会福祉協議会だからこそ何とかやりくりしてできているわけですよね。年間で1.8倍にも増えている利用件数、これに応えようとかなり苦労されています。運転手が足りないときは、少ない事務局員の中から対応されています。事務局本来の仕事を脇において、自ら運転もされています。

 そういった状況ですから、積極的に制度のお知らせをして必要とする方、誰もが気軽に利用できるようになっているかというと、そこまではいっていないのが実態ではないかと思います。潜在的な需要、これはまだまだあります。そのことが分かっていても、これ以上増えても利用希望に応える体制が取れない。これが実態ではないでしょうか。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。議員おっしゃいますように、なかなかその運転手の手配がつかないときは、社協の事務局の職員が運転するというようなこともあったというふうに聞き及んでいます。

 ここのところは少しそういう状況はないということで、非常勤職員のほうでうまく回せていけているというふうな状況は確認してございます。

 またこちらは、先ほど来言っていますように、高齢者の増加により利用者が増えております。介護認定ですとか、要支援認定を受けた方への恐らく利用が増えているというふうに感じている中で、特に高齢者のほうになりますと、介護保険のほうの例えば移送サービスですとか介護タクシー、そのようなものもございますので、そういうようなものを利用されている方、ちょっと当課のほうで把握はできていないんですけれども、そのようなものをいろいろお使い分けいただいているのではないかというふうに認識しております。以上です。

尾 尻 孝 和  事務局が、近頃は対応することはないというようなお話でしたが、コロナの影響なんですね。利用が減っていますから、昨年は。

 私、影響がある前で、確実に増えていると。その時点で確実に事務局員が実際に毎日運転しているような状況が生まれていると。コロナが収まれば、またその状況は、さらに拡大した形で出てくると思います。

 高齢者人口、介護利用者が増加していることに伴って増大する需要、これに応えていけるように、あるいは月2回の、今、利用限度、これを、3回、4回へと増やしていくことも必要かと思います。現在でも空いていれば、かなり社協では柔軟に対応する努力をされているようです。しかし、それにもやはり限度はあります。

 例えば、人工透析は週3日、これが基本です。いきなり全ては無理だとしても、せめて週1回利用へ増やしていくべきではないかと思うのですが、その辺はどのようにお考えでしょう。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。例えば人工透析の方、週3回行かれるという方、その方は、例えば自家用車で行くことが可能な方という方も多々ございます。

 当課のほうで、障がいをお持ちの方に燃料費の補助などを行っている中では、透析のほうの方にはガソリン代ということで補助をさせていただいているようなことがございます。

 回数の問題につきましてはどこまでをやるか、2回とは言っているんですけれども、ある程度、社協のほうで対応が間に合えばその辺も柔軟な対応をしていただいていることになっております。社会福祉協議会の実習事業ではありますけれども、その辺の状況は確認しながら、運営に関しての補助や助言などはさせていただいているというふうな状況でございます。

 ただ、今後も、高齢者は間違いなく増えていきます。その中で、どうしても中井町以外の移動がネックになります。それを、じゃ、どこまで社会福祉協議会が行っている現行の福祉有償運送事業で、全てをこれをカバーするのかどうかというふうなお話になってくるのかなというふうにも考えます。

 これが現在ですと、高齢者の利用が多いものに対して、いろいろな介護のサービス等々がございますので、そちらのほうでも役割分担をしていきながら、町全体として、高齢者の移動等について対応していく必要があるのかなというふうに考えております。以上です。

尾 尻 孝 和  運行体制を、今後、どのようにしていくかというお話もありましたが、具体的なちょっと今の運行体制の課題について伺います。

 非常勤でお願いしている運転手の仕事の内容、仕事の条件といったものはどのようになっているか紹介をお願いします。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。今、週に5日間のほぼフルタイムで来ていられる方が1名、また、週に二、三回で、予約の入ったときに来ていただいく方、時給制の方がお二人ということで計3名での対応とさせていただいていると伺っております。

 業務内容につきましては、送迎、車両の点検、清掃、予約の調整、または、福祉有償運送でご利用される方が高齢の方、要介護認定の方等々いらっしゃいますので、担当ケアマネと送迎についての、気をつけることの調整ですとか、そのような業務も併せて行っていると承知しております。以上です。

尾 尻 孝 和  採用の条件は、中井町の任用職員と基本的に準じる形で支払いをされていると伺いました。福祉有償運送として運転手への研修、様々、ただ運転するというだけじゃない作業等いろいろ出てくるかと思います。この辺の体制はどのようになっていて、どういう形で行われているんでしょうか。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。当然二種ではございません。皆さん免許は、通常の一種免許という形で、その中で、福祉有償運転者講習というものを必ず受講しておるところでございます。ちなみに社協の職員は、運転手の方以外、正規の職員なども、みんなこれを講習して、行って対応をさせていただいております。

 また、社協といたしましても、そういうふうに車を使って事業を行う事業所ということになります。

 安全運転管理者会というような組織もございます。そちらのほうにも加入しながら、また、安全運転講習ですとか、法令改正の確認などをきちんとしているということで認識しております。以上です。

尾 尻 孝 和  あわせて福祉有償運送として、万が一の事故、これは交通事故もあるし、乗車や様々な形での利用されている方の事故も含めて、これらへの対応と補償はどのようになっていますでしょう。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。社会福祉協議会で行っている運送事業につきましては、福祉有償運送事業で登録が必要な事業という形になっております。

 任意保険については、登録の際に必要額というのが決められておるんですけれども、それは、対人8,000万、対物200万以上の加入というものの中で、社協のほうは一応、対人対物無制限で加入をしているというふうに承知しております。

 また、移送中の事故に対してその他もろもろ、車の事故に限らず総合保障制度というものに別途加入して対応を行っているということで承知しております。以上です。

尾 尻 孝 和  いろいろ対応されているということなんですが、今の運行体制で改善すべき課題、どのようなものがあると認識されていますでしょう。

福 祉 課 長  社会福祉協議会で運営している事業です。補助などを実施する中で、様々な取組状況、また、経営状況などは、確認はさせていただいております。

 運営の中で、利用者からの声ということで、先ほども少し触れさせていただきました利用料金の見直しを図るというのは、これもまたやはり利用者の方からの声ということで、やはり近距離の関係を少し、町内一律500円なものを、本当にごく近距離でもその金額というのはなかなかどうなのということで、その辺の料金体系の見直し等を行っているところでございます。

 他市町の福祉有償運送に比べても、料金体系は比較的安価なものになっております。ある程度の料金体制の見直し、また、どうしても、当町、地域的に特性といたしまして、1回当たりの運行が長くなる傾向にございます。当然、やはり近くに病院等がないということで、1回当たりの距離が長くなるために、長い方と短い方というのを、ちょっと公平性を考えた料金体制の構築ということで、このようなことはある程度進めていく必要があるのかなというふうに考えております。以上です。

尾 尻 孝 和  この事業、社協で行っている事業だから、社協に任せておけばいいと、このように割り切っているわけではないと思います。

 必要とする人の誰もがこの制度を知っていて、気軽に利用できる。そして、利用回数の限度も増やしていく。運行体制も充実していく。人も車も研修や保証の体制も拡充していく。

 それらのことを社協が行っている事業だからということで放置されているわけではないと思いますが、いかがでしょう。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。社会福祉協議会の事業でございますけれども、当然、町民が直接利用されて、かなり使用されている事業でございます。

 運営に対しては、社協の理事会などに協議をさせていただいているということで、その理事会の中には、町のほうですとか以外のほうからも理事のほうに参画していただいて、いろいろご意見などをいただきながら運営しているということになります。

 当然、数少ない公共交通を補完する事業でございますので、社会福祉協議会に全部任せているというところではございません。運営状況を確認しながら必要な支援には努めておりますのでご理解いただければと思います。以上です。

尾 尻 孝 和  福祉移送サービス事業の歴史的な経過についてちょっと確認しておきたいと思います。

 高齢者、障がい者の移動を支援する事業は、現在の福祉移送サービス事業が始まる以前から行われていました。

 その当時、道路運送法との関連が問題とされ、運送業者以外の者が利用者から料金を取っての運送が、いわゆる白タク行為として禁止されるため、当時のしらさぎ送迎サービスは、年会費5,000円の制度を取っていました。政府は、公共の福祉を確保するためやむを得ない場合には、これを例外的に許可していました。

 しかし、この事業、全国の自治体に広がり、例外が常態化したため、2006年の道路運送法改正で、福祉有償運送が制度化されました。これによって、タクシーでなくても運賃をもらって他人を乗せることができる。ただし、国に登録が必要である。このようにされました。

 その際、旅客から収受する対価は実費の範囲内とし、国土交通省は、タクシーの半額程度という目安も示しました。この道路運送法改正に沿って中井町社協が行う福祉移送サービス事業は、国から許可を得ました。

 その際、利用料として、町内利用を500円、町外利用片道500円が決められた。こういうことで経過は間違いないでしょうか。

福 祉 課 長  経過としてはおおむねそちらのほうで合っているというふうに認識はしております。以上です。

尾 尻 孝 和  その後、2017年6月9日、閣議決定された規制改革実施計画、ここでは、登録または許可を要しない自家用自動車による運送について、ガソリン代等のほかに一定の金額を受することが可能な範囲を、通達により、明確化するとして任意の謝礼と、こういった方向が言及されました。

 これを受けて国土交通省から、2018年3月、自治体に対し通達が出されています。この通達の関連する部分、紹介いただけますでしょうか。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。2018年に、こちらはちょっと自治体宛ての通達というのが見当たりませんでした。各地方運輸局に、国土交通省の自動車旅客課長から発せられた通達ということで、承知しております。

 このときの通達によりますと、道路運送法における許可または登録を要しない、こういう運送の対応についての考え方を整理して、個々具体的な行為が有償運送として許可や登録を要するか否かについて、主としてボランティア活動における送迎行為などを念頭に置いて、許可または登録が不要な場合の考え方と、これに該当すると思われるケースの例が示されているものでございます。

 ボランティア送迎は全くの無償といいますか本当の実費、福祉有償運送は料金を取って運送するもの、それ以外の、例えば、地域住民の方などが行うようなボランティア送迎の際に、ガソリン代のほかに一定の金額を収受することが可能な範囲を明確化したものということで理解をしております。以上です。

尾 尻 孝 和  今お話あったように、任意の謝礼という方向ですね。いわゆるボランティアで、それに対しては謝礼の範囲でということも可能であるというそういう趣旨の方向です。

 具体的に、じゃ、金額がどうなのかということになりますと、まだ国交省からは、任意の謝礼の金額についての通知、これは出ていないようです。

 しかしながら、現在の福祉有償運送の実費の範囲内、あるいはタクシーの半額といった金額よりは、かなり低額の金額になるのではないかと、このように見られています。

 これは、今の社協の行っている事業とはちょっと対応が違うわけですが、こういった方向も、それから1つの、さらにプラスアルファ、加えるものとして、町として検討する。こういうものについての検討はされているんでしょうか。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。先ほどお話ししました地域の方のボランティア送迎等の関係でございます。今、現時点では、町のほうではちょっと検討ができていない状況です。以上です。

尾 尻 孝 和  それについては、なかなかいろいろ課題もあると思います。

 大事なのは、今社協が行っているこの福祉移送サービス、これを拡充していくことだと思います。人も車も拡充して利用者負担を可能な限り平等というか、状況に応じたものに変えていく、制度も広く町民に知っていただくようにする。それには、事業拡充に見合った町からの補助金が、やはりどうしても必要だと思います。

 現在の福祉移送サービスへ移行したのが2012年度、それ以前の制度のとき、町から社協への委託補助金が、2011年度は679万円、これは国からの補助があってそれを回したという側面もあるんですが、事業の全額を町からの委託補助金でこのときは賄いました。

 当時、利用者の年会費が5,000円、その合計額およそ40万円は町の収入となったわけですよね。それを差し引いても640万円。社協は実質負担なしで、この事業を当初は行いました。今回、新年度予算で町の負担を50万円増やしても300万円です。

 社協とよく相談、検討し、町としては補助金をこれこれの額増額するので町民の要望にさらに応えられるように、福祉移送サービス、もう一歩、拡大、拡充していただきたいと、こういった対応が必要ではないかと思うのですがいかがでしょう。

福 祉 課 長  お答えさせていただきます。今議員のおっしゃるように、社会福祉協議会と事業内容についてはよく調整させていただきながら、運営の支援については進めていきたいというふうに考えております。

 ただ、あくまで補助事業、民間団体のというところも外せないところではあると思います。

 また、ほかの公共交通に対しての影響というものも考えながら、その辺については、よく調整をさせていただければというふうに考えております。以上です。

尾 尻 孝 和  この事業、社協だからこそできているという話を先ほどしました。本当に、町が対応しなければ、充実させることは不可能だと思います。この辺のところを町長はどのようにお考えでしょう。

町     長  福祉有償運送サービスについては、本当に、ある面の利用者は、本当に助かっているというふうな判断をしております。

 ただ、そこのニーズに対して、今、先ほども答えたように、30年度、3,000回という、これは本当に満遍なくいっているか、それとも、予約がうまい人がよく使っているのかなという感じも、それはちょっと、私は詳細については分かりませんけれども。

 今議員おっしゃるところは分かります。分かりますけれども、そういった面では、ほかの有償サービスじゃないですけれども、いろんな、オンデマンドバスにしても、そういった部分も含めて、トータルでは社協さんにはいろいろお世話になっているところでございますけれども、町としてトータルで判断していきたいと、考え方はそういう形だと思います。以上です。

尾 尻 孝 和  町民の需要に本当に応えられるような福祉移送サービスの拡充を求めて、続きまして、無料の町営スクールバス実施の考えについて伺います。

 この課題は、地域公共交通のこれからの方向どうするか。そのことと不可分ですので、昨日の同僚議員の質問と重複しない範囲で、幾つか触れたいと思います。

 2013年の中井町オンデマンドバス運行開始から8年が経過しました。2017年の地域公共交通会議において、2018年度以降の運行方針として5つの案の検討が行われ、検討の結果、町内完結型のオンデマンドバスの延長を進めていく。このことが確認されました。

 その際、中長期的な運行体制について、オンデマンドバスの車両自体は、他事例において10年近く稼働した実績があり、当面の間、稼働できるものと考えられるので、当面の間、現行車両を活用する。車両の入替え時期に備え、今回採用しない他の検討案、応用や併用も含め、その実効性も検討しながら運行体制について研究することとする。このように確認されています。間違いないでしょうか。

企 画 課 長  間違いございません。

尾 尻 孝 和  運行開始から10年となる2023年度以降の運行体制については、2022年度の地域公共交通会議において最終確認されることになると思います。そこで伺います。

 2017年の地域公共交通会議に提出された資料では、オンデマンドバスの目的として3つ挙げられています。

 公共交通空白地域で町民の足の確保、それから、高齢者等交通弱者の移動手段の確保、あと1つは、民間バス路線の維持と連携、この中で高齢者等交通弱者の移動手段という目的を果たすには、大きな、私、改善が必要だと考えます。

 五所宮地域のある町民の声、紹介します。

 この地域、路線バスが通っており、オンデマンドバスの乗降ポイントも複数あります。この方は、近所はどこも年寄りばかりになってしまった。Aさん夫婦は、年を取るとここでは暮らしていけないと自宅を引き払って、駅近くのマンションに越して行かれた。Bさんは、つえをついて買物に行かれる。バス停で降りて、買物荷物を持って歩いて行かれる姿を見ていると、本当に気の毒で見ていられない。オンデマンドバスもあるが、乗降場所まで歩いていくのが大変なんです。こういった声です。乗降場所まで歩いていくのが大変なんですと。

 これは、実は、五所宮の地域だけじゃありません。ほかの市街化区域の住民の皆さんからも寄せられる声でもあります。もちろん、公共交通空白地域の皆さんも同様です。

 この声に応えるには、ドア・ツー・ドア、自宅から目的地、出先から自宅までのデマンドタクシーしかないのではないでしょうか。運転免許を返上するような体の状態の高齢者にとっては、オンデマンドバスの乗降ポイントまで歩くのが本当に大変な苦労なんです。ドア・ツー・ドアのデマンドタクシーの検討、こちらはいかがでしょう。

企 画 課 長  お答えさせていただきます。デマンドタクシーのドア・ツー・ドアの検討ということで今ご質問いただきましたけど、これにつきましては、当初、このデマンドバスを導入する際も、そのような検討はさせていただいたというふうには認識しております。

 これらにつきましては既存のタクシー事業者との関係等もございますので、その中である程度、一番タクシーに近い中で、今の形の町内に現在119か所、町外    が1か所ということで、120か所の乗降ポイントを設けさせていただきまして、おおむね300メートル以内に乗降ポイントを設置し、併せて公共機関、それから学校、それから社会福祉施設等の場所を選定させていただいて、よりドア・ツー・ドアに近い対応をさせていただいたというふうには認識しているところでございますので、その辺についてはご理解をいただきたいというふうに思っております。以上でございます。

尾 尻 孝 和  そういう方向での努力はされたというお話ですが、今のオンデマンドバスの1運行当たりの平均乗車人数、登下校時の児童・生徒を別にすると、そのほとんどが1人、多くても2人、3人といった状況ではないかと思うんですが、実態はどのようになっていますでしょう。

企 画 課 長  お答えさせていただきます。今議員がおっしゃられたような内容というふうに認識しております。以上でございます。

議     長  通告に沿った形での再質問でお願いします。

尾 尻 孝 和  現在のバスからワンボックスの乗用車に切り替える。これで、さらに細かく入って玄関先に止めることも可能になると思います。

 現在の予約システムを生かし、一定の地域の方を10分程度の時間で拾って複数の方に乗車していただくことは、乗降スポットのオンデマンドバスよりも可能性が大きくなるのかと思うんですが、その辺どうでしょう。

企 画 課 長  お答えさせていただきます。現在も、基本的には、オンデマンドバスはご利用していただきたいときにご利用していただきたい場所にということで、ご予約を取っていただいた中で運行させていただいております。

 その中で、行き先等が同じ方向である方には乗り合いというような形でのそういうシステムなんですが、なかなか中井町の場合ですと、行き先がいろんな多方面にわたりまして、なかなかその乗り合いについては余り多くの方が乗り合いという形にはなっていないと。

 それらは実際の検証の中でも分かってございますので、今後、それには車両の入替えの際につきましては、そういったサイズダウンということも考えながら検討はさせていただいているところでございます。

 ただ、今みたいに、ドア・ツー・ドアまでのところは、なかなか現状のそういったタクシー等の関係等もございますので、なかなかそこは現実的ではないのかなというふうには認識しているところでございます。以上でございます。

尾 尻 孝 和  現在のバス車両をスクールバスにということでの質問をしています。

 その前提になるのは、やはり、今の運行体制をどのようにするのかということですので、若干ですが、もう少し聞きたいと思います。

議     長  適切な再質問をお願いします。

尾 尻 孝 和  現在の稼働2台、予備1台の体制から稼働台数を増やすことで、柔軟により多くの町民の皆さんに利用していただけるようになるのではないかと思うんです。

 現在、オンデマンドバスの運行を委託している神奈中は、関連会社でのタクシー事業も行っています。地域公共交通会議で、タクシーであれば検討していきたいといった趣旨の表明もあったと伺いました。正確には、この表明どのようなものだったんでしょう。

企 画 課 長  ちょっとそこの表明の詳しい内容は、ここで今資料がないのでちょっと分かりませんが、基本的には今現在、オンデマンドバスにつきましては、バス事業者さんのほうが運行させていただいているところなんですが、今後は、バス事業者のほうから、ある程度そのサイズ感以下のものであれば、タクシー事業者のほうが、今度はそういった運行を実際行っていくような方向も出るというふうなことも聞いておりますので、現在、町としましては、バス事業者、それからタクシー事業者さんとも一緒にその辺の車両の話とか、あとはそういった実際の町が考えているような部分についての課題、例えば、法的にそれが可能なのかどうかというようなことも含めて、現在ちょっと調整をさせていただいているというところでございますので、ご理解をいただきたいと思います。以上でございます。

尾 尻 孝 和  そういう可能性も含めて検討中だという話です。

 現在、この3台のバス車両、2年後の時点で引き続きの使用が可能かどうか、これは断定的には言えないわけですが、現在の走行距離からして可能性は、私は高いのではないかと思います。

 2017年の地域公共交通会議で検討された新たな運行システム、その5つの案の中にある無償バス、これは、町所有の自家用車による無償住民輸送ですが、具体例として、福祉バス、あるいはスクールバス、こういったものが挙げられています。

 道路運送法の規制対象外になるために、安全面、人材、財政面で、町が運行の責任を負うことになります。町民の交通手段確保のため、ドア・ツー・ドアのデマンドタクシー、あるいは福祉有償送迎サービス、これらとともに現在のデマンドバス車両を生かして町営の無料スクールバス、この検討を、今度の地域公共交通会議に具体的に提案できるような方向というのは、考えはないでしょうか。

企 画 課 長  お答えさせていただきます。現行のオンデマンドバスの車両につきましては、先ほど議員からもお話がありましたように、おおむね10年ぐらいは他所の事例等により対応ができるというふうなところから、そういったある程度、10年というふうな年数を区切った中で、今、検討させていただいているところでございます。

 路線バス等のバス車両についてはもう少し長い期間大丈夫だというふうな話は聞いておりますが、おおむね現在使っているところの中井町のバスの車両については10年ということですので、確かにどこまでというのはなかなかそれは難しい話ですけど、それらを目途に、町としては、今準備をしているといったところでございます。そして、現在の車両自体が町の所有ではございません。基本的には、これはバス事業者さんの所有ともなっているところもあります。

 逆にいうと、耐用年数がある程度、10年たつからの含めての検討でございますので、今後、それを使うということは、その車両自体もそれだけ費用もかかってくると、耐用年数も過ぎたものを使うというようなこともございますので、現状としては、そこの利用というものを含めての考えはございません。以上でございます。

尾 尻 孝 和  バスは神奈中の所有物だと。お金を払ったのは、町が払っているわけですね。

 あわせて、これから使えるかどうか、これは状況を見ないと分からない。それはそのとおりだと思います。だから、もし使えないようであれば、新たに車両を購入することも含めて、ぜひ検討していただきたい、そのように思うわけです。

 境地区の児童・生徒の通学手段がなくなるために、朝夕片道1便ずつの路線バスを維持してもらっています。町は、朝夕片道1便のバス路線維持のために、毎年、負担金を神奈中に払っています。このお金を町営の無料スクールバスとして活用できるのではないかと思うのですが、いかがでしょう。

企 画 課 長  お答えさせていただきます。議員お話のとおり、震生湖線の路線バスにつきましては、町のほうから運行経費から運賃収入を引いた残りの部分について負担させていただいております。

 これにつきましては、秦野駅から万年橋ということで、震生湖線と1つの路線バスでございまして、ここにつきましては、中井町のところを通っているだけではなくて、秦野市のエリアも運行しているところでございます。

 同様に秦野市も、その路線バスを維持するために同様の補助をしているというところですから、中井町の単独の考えだけではまずいかないというところも事実があったというふうに思っております。

 また、現行の路線バスの補助をしたことによって、登校時にはおおむねほとんどの児童が、朝、その通学のバスに乗って学校のほうに行っているというふうに認識しております。

 それから下校時につきましては、どうしても下校の時間帯がずれますので、それに間に合う方については、児童は乗っていただいて、どうしてもそれに乗れない方についてはオンデマンドバスをご利用いただきながら、下校時の足として対応させていただいておりますので、全体的な約100万近くの補助から、年間、毎日運行していただけるという経費のことを考えますと、ある程度効率的な運行に対しての補助だというふうには町も認識しておりますので、現行としては、ちょっとそこに書いた、引き続き震生湖線については、あと児童・生徒も今後ある程度それなりの児童が見込めているということもございますので、取りあえずはそこは維持していきたいというふうに考えてございます。以上でございます。

尾 尻 孝 和  実は、そのことに関連して、境だけではないんですね。現在、集団登校が成り立たず、登下校を保護者が車で行っている地域があります。どのような地域でしょう。

教 育 課 長  お答えいたします。現に保護者の送迎によりまして登下校している児童が住んでいる地区はということになりますと、中村小学校の学区でいえば境地区の一部、それと、あと、古怒田ですとか鴨沢などの広く中村上地区全体的に言えると思います。

 中村下地区においても一部の地区で、やはり児童が保護者の送迎により通学している実態ではございます。児童が少なくて集団登校ができないと。なので、保護者の方が送迎しているということであれば、ある程度、地域が限定されるのかなということでは古怒田ですとか、鴨沢がそこに該当すると思っております。

 また、井ノ口小学校の学区でいえば、ほとんどの児童が徒歩で通学している実態ではございますけれども、一部、遠藤原の地区では保護者の方が送迎している状況でございます。以上です。

尾 尻 孝 和  今挙げられた地域ですよね、複数の車、車の大きさによりますが、巡回するスクールバスにされたらどうかというふうに思うわけです。こういった地域、集団登校が成り立たなくなって久しく、保護者が毎日の登校下校の送り迎えしています。

 あるお母さんがおっしゃっていました。子どもが運転免許を取ってくれた。これでやっと解放される。フルタイムの仕事ができる。このように話しておいででした。ぜひ、地域公共交通会議へ提出する課題とされること、検討を要請したいと思いますが、いかがでしょう。

企 画 課 長  個別のスクールバスに限定したものでありますと、地域公共交通会議というよりは、そのセクションに応じた中で検討していくべきものとは考えております。ただ全体の、町のそういった移動の足という部分でのお話としては分かりますけど、個々にもう、そこに特化した内容であれば、ある程度セクションの中で協議をしていただくことが一番肝要かというふうには考えております。以上でございます。

尾 尻 孝 和  全体の中井町の地域公共交通をどうするかという中での位置づけとして、ぜひ、俎上にのせて検討していただけたらということで要請したいと思います。

 人間にとって移動するということ。これは本当に生きていくために不可欠なことであって、身体的にも精神的にも大きな意義があります。子どもさんから高齢者まで、全ての町民の皆さんが自由に移動できる、こういった地域公共交通を目指して取り組まれることを要請して、次に、町道下庭線について伺います。

 今から21年前、2000年6月定例会での当時の町長答弁。これ、ちょっと紹介します。

 「町道下庭線は、住民の生活道路として、また大地震や火災、そして救急活動等の緊急道路として大変重要な路線であり、改良すべき路線として過去総合計画に位置づけられておりましたが、財政難から凍結状態となり、今日に至っております。本件道路の事業化に当たっては、2級河川中村川の堤防敷を町道として使用しているため、度々護岸の洗掘によりまして路肩崩壊が発生していることから、県により老朽化した護岸整備と並行して行う必要があります。十分な連絡調整を図る一方で、河川と並行する道路でありますので、一方、後退による地権者のご理解を得ながら、また今後の財政状況を検討し、計画してまいりたい」、こういった答弁でした。

 ここで、町道下庭線について述べられている住民の生活道路として、また大地震や火災、そして救急活動等の緊急道路として大変重要な路線であり、改良すべき道路といった位置づけですね。これは現在でも変わっていないかと思うのですが、いかがでしょう。

まち整備課長  お答えいたします。先ほどの町長からの答弁にもございましたように、現状、幅員が約2.5メーターございます。地域の方の生活道路としての認識も町としてもしておりますので、道路改良、道路を拡幅するということに対しては、今後、検討したいというふうな認識でおりますので、ご理解していただきたいと思います。

尾 尻 孝 和  当時の町長答弁、21年前です。避難所の確保など部分的な補修、改修はこの間行われてきました。

 ただ、4メーター幅の町道としての整備、これについては、手がつかないまま現在に至っております。

 関係住民の方の声、ちょっと紹介したいと思います。

散歩で歩いているとき、走ってくる車をよけるには、草の土手に下りるしかない。段差もあるので、転んだり滑ってしまった人もいる。狭い道なので、脱輪する人が時たまある。軽トラならみんなで集まって持ち上げることもできるが、普通車ではレッカー車を呼ぶしかない。こういった声です。

 このように毎日の生活道路なんですが、危険や事故と隣り合わせの状況だという認識、これはお持ちでしょうか。

まち整備課長  お答えいたします。確かに議員言われるように、現状幅員が狭い関係で、対向車が来た場合、待避所が数箇所ございますが、そこで待っていただいて擦れ違いというような、今現状となっております。

 ですから地域の方のご不便というのは町としても感じております。以上です。

尾 尻 孝 和  救急車、あるいは中井出張所に配備されている消防車、これならば注意しながらこの道路に実は入っています。

 しかし、一回り大きい松田分署の消防車、この消防車になると、この道路、もう入っていけないんですね。

 また、中井出張所の消防車、これは入ることができても、例えば消防車にホース等を積んだ台車、これを横に降ろすスペースがないために、停車場所の確保、まずこれをしなければいけないと。ホースの延長で対応しなければならない。当然、それだけ時間がかかるわけです。防災面での下庭線の課題、これはどのように見ておられるでしょう。

まち整備課長  お答えいたします。防災面については議員を言われるとおり、最上流のところに南下橋という橋があるんですけれども、その橋が幅員等も狭く、隅切り等もない関係で、恐らくそのところが救急車両が曲がれない場所なんじゃないかなというふうには認識しております。

 あと、ところどころで、先ほども言いました待避所等を設けまして、そこで大型車等は下流側の雑色橋のほうから入っていきまして、そこの待避所でUターンして、また出ていくというような今の利用状況ではないかなというふうに認識はしておりますが、救急車両等、防災面に関しては、他の地域に比べてご不自由をおかけしているというふうには思います。以上です。

尾 尻 孝 和  この下庭線の整備を、今後、進めていく上で、幾つかやはり課題があると思います。

 この中村川は神奈川県の管理河川であり、その左岸堤防の上を通っているのが今の町道です。左岸堤防の外側には、中村川の古い河川敷も部分的に残っています。こういった状態で、下庭線の整備には、県との調整が不可欠になります。この2000年以降、21年間で、神奈川県足柄上土木事務所との調整の経過、あるいは、並びに現在の課題、どのようになっていますでしょう。

まち整備課長  お答えいたします。県西土木との協議の経過なんですけれども、議員おっしゃられるように、現状が河川と並行して設置している町道でございます。今現在、河川の堤防敷を占用させていただいて町道認定しております。

 今後、道路改良、例えば道路拡幅工事等を計画した場合、どうしても堤防をいじくるような形になりますので、河川法に基づいた指導を受けなければなりません。

 今まで県西土木等も協議したんですけれども、どのような工法があるか、その辺を町のほうで提示して、最小限の形で堤防をいじくらない方法で拡幅工事ができるか、その辺を今現在、模索している状況でございます。

 ですから、今後、先ほど答弁にもございましたように、どのような形で拡幅工事ができるか、きちっとした道路改良というよりも、町民の方が一番望んでいられるのは、今現在の道路の幅員を広げて交互交通ができるというのが最低限の希望だとございますので、その辺を加味して今後、工法等も検討し時期等を見計らって、町としても検討してまいりたいと考えております。以上です。

尾 尻 孝 和  工事方法を模索されているということです。

 20年前の整備に向けたこの取組が現在に至っているわけですが、頓挫しているその1つの理由に、堤防に隣接する一部地権者との間で、私有地後退の合意に至らなかったこと、これもあるかと思います。

 もし差し障りない範囲で結構ですので、合意に至らなかった状況、それ以降、現在に至るまでの間で話合い等なされたのか、その辺はいかがでしょう。

まち整備課長  お答えいたします。境界等で一部、事業が進まなかったというのはちょっと、私、詳しい内容は分からないんですけれども、どうしても河川の周辺の土地というのは、河川が過去の歴史の中で、大雨によって位置が変わっているというケースが非常に多くございます。藤沢川に関しても公図混乱地域という形で今の河川の中に民地が残っていたり、そういうところもございますので、それと同じように、今回、下庭線の近くの中村川に関しても、全く違うところに公図上、昔の河川が残っている、そういう状況もございますので、昔の地形と今の地形と大分変わっているというのが今の現状です。

 ですから、恐らくその辺の境界等がはっきり明確でいないというふうな形になってしまっているので、その辺がなかなか決まらないという状況だったんじゃないかなというふうには認識しております。以上です。

尾 尻 孝 和  この辺は、くいも打てない状況のところがあるわけですね。

 ですからこれは、やはり、粘り強く対応する以外にはないと思います。相手の納得が必要なことですから。

 あわせて、財政上の課題ですが、先ほど紹介しましたように、21年前の町長答弁で、このときに総合計画に位置づけられておりましたが、財政難から凍結状態となり今日に至っております。21年前の答弁です。

 20世紀に町の総合計画に一旦位置づけもしたんですね。だけど、財政上の理由で凍結にしてしまったと、こういった答弁なわけです。

 それから21年、この限られた財政の中で、他の事業等も含めていろいろやりくりをする。事業の優先順位、これも当然あると思います。

 一気に全線整備ではなくて、数か年の計画で徐々に整備を進めていく、こういうこともあると思います。

 地権者の合意が得られる区間は、そこを優先して取り組むこと、こういったことも可能だと考えるものですが、いかがでしょう。

副  町  長  議員からのご指摘のように、この路線におきましては過去の経緯がございまして、なかなか課題解決に町も対応に苦慮している面がございます。

 いずれにしましても、地域住民の安心した道路を確保するという視点は、決して町もこれをおろそかにしているわけではございません。

 担当課長が申し上げましたように、できる中で、まずは対応していくということの大事さが、必要性があるというふうに認識をしておりますので、現況を確認しつつ課題の解決方法を見いだしながら、地域の方、あるいは消防等、緊急時の対応等も一定の対応ができる体制づくりのための道路整備を速やかな中で対応していきたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

尾 尻 孝 和  速やかな中で対応していきたいというお話でした。

 このように、現実には、21世紀今世紀に入って21年経過した中で、いまだに事業として動いていないわけです。この間、鴨沢自治会からの再度の要望も上がっています。個人として、直接町へ要望を上げられた方もおります。せめて地元の皆さんへはその説明が必要ではないかと思うんです。

 他の道路整備との兼ね合いで、優先順位としてはこれこれの順位で検討している。実際には何年頃からならば着手を見込むことが可能かと思うと。あるいはこの部分については、優先的にまず着手を検討したいと、せめてこのくらいの対応を地元の皆さんにお話しすることはできるのではないかと思うんですが、いかがでしょう。

副  町  長  今ご質問の件におきましては、当然のことながら、やはり地域の方のご理解をいただく必要が十分ございますので、そういった面も視野に入れながら対応を考えていきたいと思います。

尾 尻 孝 和  これはぜひ、今、地元の皆さんの安全を守るという点からも、それから、安心して毎日の生活が送れるようになるという点からも、この下庭線整備、ぜひ具体化を進められることを求め、質問を終わります。

 

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