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2023年12月29日金曜日

2023年12月議事録 増え続ける空き家対策と、若い世代の「自分の家を持ちたい」の願いに応えて

放置空き家が様々なもんだをおこしています。

一方で、若い世代の「環境のよいところに、手ごろな価格で自分の家を持ちたい」の想いも強く、北窪の分譲区画はまたたく間に埋まりつつあり、空き家バンクに登録された鴨沢の空き家は20件の応募で受付を停止しています。

 尾 尻 孝 和  10番、日本共産党、尾尻孝和です。

 増え続ける空き家への対策と若い世代の願いに応える政策を。

 中井町では、若い世代の顕著な人口減少と少子化が進行しています。一方、高齢者が人口の3分の1を超え、高齢化率はこれからさらに増加していくものと想定されます。

 そのような中、居住者の死亡や転居、老人ホームへの入居、相続した者が居住しないなどにより、町内の空き家はこれからますます増加していくことと思われます。

 1、空き家の抱える問題をどのように認識されているか。

 2、中井町の空き家の現状と今後の見通しは。

 3、空き家の発生する原因をどのように見ているか。

 4、放置空き家を生まないため、空き家所有者が売る、貸す、使う、解体するといった判断を行えるよう、行政としてできることは。

 5、若い世代の、家が欲しい、環境のよいところに住みたい、の声に応え、中井町を生活の場所として選んでもらえるには、どのような施策が必要と考えるか。以上伺います。

町     長  10番、尾尻議員の、増え続ける空き家への対策と若い世代の願いに応える政策を、のご質問にお答えいたします。

 1点目から4点目までの空き家に関するご質問に、一括して回答させていただきます。

 適正に管理されていない空き家、いわゆる放置空き家の増加は、公衆衛生や治安の悪化、景観の阻害など、地域の生活環境に悪影響を及ぼすほか、不動産価格の下落、地域コミュニティーの機能低下等を招きかねず、地域経済にも影響を及ぼすと理解しております。

 住宅・土地統計調査によると、国内の使用目的のない空き家の戸数は、この20年で1.9倍の349万戸となり、直近のトレンドによると令和12年には470万戸程度になると推計されています。また、国が令和元年に実施した空き家所有者実態調査によると、空き家の取得経緯の55%が相続となっています。高齢者世帯が多い本町においては、これらの統計等の結果、さらには本町独自で平成27年度と令和3年度に行った空き家調査の結果からも、団塊の世代を含めた高齢者が急激に増加することと比例し、空き家も増加することが想定されます。

 このような状況を踏まえ、令和5年度に、空き家の利活用促進のための空き家活用推進補助金を拡充するとともに、空き家の所有者に対して管理適正を促すと同時に、空き家を流通させる手段である空き家バンクの利用促進を企図した、空き家適正管理補助金を創設いたしました。

 放置空き家の発生を抑制するため、国においては補助制度や税制措置等を行っていますが、本町においては、現在実施している空き家バンクの運営や本町の実情に応じた補助制度に加え、空き家活用方法のアドバイスや税制の説明等を相談者の事情に応じて的確に行い気軽に相談できる体制の充実と、その周知が必要であると認識しております。相談体制を充実するためには、不動産取引や税制等に関する専門的知識を有する相談員の配置が必要なことから、本町においては、現状では単独での相談窓口の設置は困難であると考えていますので、税や不動産の関係団体等との連携や広域的な対応等の検討など、今後、相談体制の充実に向けた取組を行ってまいります。

 5点目については、近き者説び、遠き者来る。住民が幸福を感じて住み続けることで、住みやすい町だという評判が広まり、自然と遠くからも移住者がやってくる好循環が生まれます。それこそが人口流出に歯止めをかけ、移住、定住につながっていくと考えており、暮らす人の幸福を第一に考えるまちづくりを展開しています。

 そのような中で、行政報告でも触れましたとおり、令和5年11月から結婚を機に町外へ転出してしまう方々が多い中、結婚を希望する人が希望する年齢で結婚できるような環境を構築し、中井町で安心して新生活を送ることができるよう、中井町結婚新生活支援事業を開始いたしました。高校卒業までの小児医療費助成制度や小中学校の学校給食無償化、紙おむつの購入補助、妊産婦健診への補助など、県内でも高水準であると自負しております子育て支援施策とその両輪で町の魅力を高め、若い世代の移住、定住を地道に図ってまいりたいと考えております。

尾 尻 孝 和  家屋は人が住まず、適切な管理がされないと劣化が早く進みます。放置された空き家の立木は伸び放題となり、雑草が生い茂り、周辺の景観に悪影響を与えるだけでなく、道路にはみ出した樹木は通行を妨げ、隣家に張り出した樹木は雨樋を詰まらせます。建物自体も、外壁材の落下、大風でトタンが飛ぶ、年月が進んで倒壊や崩壊へと進んでいきます。ごみの不法投棄、悪臭、ネズミや野良猫、アライグマなどのすみかとなり、害虫なども繁殖し、近隣住民の生活に大きな影響を与えます。また、不審火や放火など、地域の安全面でも深刻な影響を及ぼし、地域の防犯性が低下するとの指摘もあります。

 このような、適切に管理されていない空き家があるだけで、近隣の不動産価値が下がってしまうおそれもあり、空き家所有者にとっても、外壁材や屋根材の落下、火災などによって通行人や近隣の家屋に損害を与えてしまうと、損害賠償責任を問われる可能性もあります。

 町に寄せられている空き家に関する苦情や要請、具体的なものを紹介していただけますでしょうか。

環境上下水道課長  お答えをいたします。

 当課のほうでは、空き家の部分のところの庭木の関係ですとか、草等の関係がございまして、年に何件か所有者の方に通知を差し上げて対応していただいているような実情がございます。以上です。

尾 尻 孝 和  具体的な苦情の中身をちょっと紹介していただきたかったんですが。

環境上下水道課長  隣の家屋の所有者の方から、草が自分のほうに大分入り込んでいるですとか、庭木の枝が入ってきているというような苦情でございます。以上です。

尾 尻 孝 和  空き家といいましても様々あるわけです。新築中古問わず、売るためまたは貸すための住宅もあれば、別荘などふだん人の住まない住宅、これらも空き家といえば空き家になります。

 問題となるのは、住んでいた人の転居や介護施設への入所、あるいは亡くなられた、こういったことがきっかけとなり長期不在となっている住宅で、そのまま放置される可能性が高い住宅。相続する人が決まらない、あるいは相続する者が決まっても居住しない、居住できない。生まれ育った実家に愛着があるため売却の決断ができない。他人が住むことに抵抗感があって貸し出すことをためらう。こういった事情で住むでもなく、売るでもなく、貸すでもない住宅が、長期に人が住まない状態になっている住宅。それでも定期的に管理され、きれいな状態を保持されている住宅はいいわけですが、問題となるのは、家族や相続人が、自分は特段困ることもない、手続も面倒、遠くからわざわざ来れない、こういった理由で放置される住宅です。

 中井町でこの間発生した空き家がそのまま放置されているその割合、どの程度と見ておられるでしょう。

企 画 課 長  お答えいたします。

 議員ご質問の割合というところについては、申し訳ございませんが、何割程度ということはなかなかちょっとお答えできない状態にはございますが、令和3年度に自治会の協力を得て空き家調査を実施させていただきました。

 また、その結果を基に令和4年度において、所有者の方にアンケート調査を実施させていただいたというところが直近の空き家の関係の調査になりますが、その中の軒数では、いわゆる戸建ての空き家については131軒という数字でございます。以上です。

尾 尻 孝 和  放置された空き家が町内でも見受けられるようになり、中井町では、今お話ありましたように、2回にわたって空き家調査行われています。

 2015年から16年にかけての最初の調査で、空き家と確認された戸建て住宅が119戸、集合住宅は107戸でした。町内の戸建て、集合、それぞれの総住宅戸数に対する空き家率、これは戸建て住宅が3.8%、集合住宅が19.7%、全体では6.1%でした。

 戸建て空き家119戸のうち破損なく利用可能と見られるものが71戸、破損があるが利用可能とみられるものが40戸、利用できない住宅が8戸と、そのとき判断されています。

 また、住宅破損以外では、119戸のうち樹木雑草の繁茂が18.5%、ごみ等の放置散乱16%などの問題が見られる、こういった結果でした。

 この2015年から16年にかけての調査で判明した利用できない住宅8戸、また樹木雑草が繁茂していた18%の空き家、ごみ等の放置散乱があった16%の空き家に対して、町としてどのような対応がされたでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 空き家の軒数自体については、議員ご指摘のとおりでございます。平成27年度に調査をさせていただいた軒数が1戸建て、戸建てで119軒ございました。令和3年においては先ほど述べたとおり131軒ということで、その間12軒増加したという形であります。

 また、その下の平成27年度において調査をさせていただいたときの対応というところでございますが、その下においては、所有者の方にご通知を差し上げるというようなこと、また近隣の方から苦情等ございました場合については、その都度所有者の方に対応をお願いしているという状況でございます。以上です。

尾 尻 孝 和  2回目の調査では、町内の戸建て住宅空き家所有者を対象にしたアンケート調査、131人を対象に行われて、回収が65部ということになっています。

 前回調査では、使用していない空き家であると回答された方は全体の21%でしたが、前回2022年度の調査では57%と、約3倍近くこの増加傾向が示されています。

 この2回の調査、比べてのこの増加傾向をどのように見ておられるでしょう。

企 画 課 長  お答えいたします。

 空き家の軒数というのでしょうか、利用状況、倉庫等とも利用されていない、本当の活用されていない空き家というところについては、議員ご指摘のとおりでございます。27年度調査のときは21%でございましたが、令和3年度については57%ということで、大幅に増加しているというところでございます。

 これについては、当然、議員おっしゃいますように、全数回答ではございませんので、いわゆる単純に比較というところについてはできませんけれども、人が住んでいなくて利用できない、利用されていないというような住宅が大幅に増加しているという状況については、間違いないものというふうに推測をさせていただいてございます。

 また、全体的なアンケート結果から、事務局、町側のほうで見ているところにつきましては、先ほど申し上げた利用されてない空き家ということとともに、老朽化した空き家も増えているというふうに考えてございます。

 空き家の老朽化だとか、また空き家の期間の長期化というところについても見受けられるというところと、また、それらについて、空き家についてを住宅として利用しようという場合についても、修繕等をしなければなかなか活用できない状況が進んでいるというところは、推測できるというふうに思っております。

 また、さらに約7割の方が、空き家の所有者のアンケート調査の下からは、売却ですとか、または賃貸というのを望んでいる状況というところがアンケート結果からは分かりますが、残念ながら、町の空き家バンクの利用も少ないというところもございます。

 また、町への空き家の活用そのもののご相談というのも極めて少ないというような状況もございます。空き家を所有することに特に困っていないという状況についてが伺えるというふうには考えてございます。

 また、この状況については、国が実施している調査からも、国全体として同様な状況も伺えるというところが、国の調査からも分かっておりますので、本町においても同様な状況なのかなというところについては、推測をしているところでございます。以上です。

尾 尻 孝 和  健康課で伺いました、高齢者世帯への支援のための調査を健康課で行っています。昨年12月時点の調査ですが、65歳以上の高齢者独り暮らしの世帯が364世帯、高齢夫婦2人暮らしが681世帯、合わせて1,045世帯。この時点の中井町総世帯数が3,447ですから、総世帯の約3割が高齢者のみの世帯になっております。

 世帯分離して、実際には子どもさんと同居されている、こういった高齢者世帯も多少あるとは思いますが、ほぼ3割という状況だと思います。この高齢者のみの世帯の割合、これからも増えていくものと思われますが、どの程度まで増えていくと想定されていますでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 どの程度の割合で増えていくかというところについては、申し訳ございません、なかなかお答えできないところではございますが、国勢調査のベースでお話をさせていただきますと、平成27年の調査においては、単身高齢者世帯と高齢夫婦世帯合わせて、本町においては799世帯ございました。令和2年の調査においては合わせて973世帯ございました。

 この5年間で174世帯の増加というのが、本町の状況でございます。

 そのことを考え合わせると、町長からもご答弁させていただいたとおり、団塊の世代が高齢期を迎え、大分増えていくというところが当然見込まれますので、それに併せて、どうしてもこの高齢世帯、高齢単独も、ご夫婦の世帯に合わせても、増えていくものというのは、どうしてもちょっと見込めるのかなというふうには考えてございます。以上です。

尾 尻 孝 和  中井町の統計書ですが、令和4年版の統計書に、住居の種類別人口というデータがあります。

 202010月の総世帯数3,465のうち、持家世帯が2,802、およそ81%の世帯となっております。高齢者のみの世帯でも、およそ8割は持家に住んでおられると。1,045世帯の8割、836世帯程度は持家に住まわれている、このように見て間違いないと思います。

 今、65歳の方、20年後には85歳になります。男性は平均寿命81歳を超え、女性も平均寿命87歳に近い年齢となります。今から20年間の間に、中井町の持家住宅2,800のうち、およそ800を超える住宅が住む人のいない空き家となる、こんな数字が出てきます。

 もちろん、その全てが放置空き家となるわけではありません。相続人が住むか、あるいは利用される、あるいは中古住宅として購入された方が住むことになるでしょう。それでも、現在のまま有効な手だてが取られないまま推移した場合、放置空き家はかなりの数になるのではないでしょうか。

 20年後には、地域の半分が空き家、そんな地域も出てくるのではないでしょうか。いかがでしょう。

企 画 課 長  お答えいたします。

 過去の統計的な数字は、尾尻議員おっしゃるとおりというところで認識してございます。

 また、本町においての状況についても、議員ご指摘のとおりというふうに考えてございます。

 ただ、議員ご指摘のように、後段で申されました、世帯のある半分が空き家となるかどうかについては、ちょっとお答えできませんし、また、そういうようなことがないように、本町としては空き家の活用だとか利活用というところ、いわゆるその放置空き家というところについても増やさないというような、対策を講じていくことが肝要だというふうには認識してございます。以上です。

尾 尻 孝 和  空き家の発生する要因なんですが、2016年アンケートを見ますと、空き家になった理由は相続が24%、介護施設への入所や子どもとの同居などを含めた転居が23%、入院等による長期不在が13%。このように、空き家発生のきっかけは、住んでおられた方が亡くなられた、転居された、あるいは介護施設に入所されるなど、様々あると思います。

 さらにその後、相続した者が居住しない、生まれ育った家に愛着があるため売却をためらう、将来親族の誰かが使うのではないかと考え、あるいは他人が住むことに対する抵抗感があって賃貸にも出せない。こういった事情で、結果的に空き家状態が長く続くケースがあります。

 中井町においては、この空き家状態が長期に続くケースの事情、どのような傾向が多いのでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 まず、本町の令和3年のときに調査をさせていただいた結果からは、空き家になってからの期間というのが、5年以上の期間についてが約70%になってございます。

 また、空き家になっている理由の一番大きなものが、お住まいの方が入院、入所等されたものが27%になってございます。

 また、相続によるものについても約5件ということで、回答数の中から、約10%以上のものを占めてございます。

 そのような結果からも、尾尻議員ご指摘していただいたように、国と同様な傾向が本町においても起こっているというふうには考えてございます。以上です。

尾 尻 孝 和  2016年現地調査で、最初の調査ですね、空き家と思われる住宅所有者へのアンケート調査、そして、今紹介ありました昨年度の空き家所有者へのアンケート調査、それぞれで、空き家の使用状況、空き家の現状、今後の所有や活用の意向について集計されています。

 戸建て住宅についての回答ですが、空き家となってから5年以上たっているのは、前回34%でしたが、先ほど紹介されましたように昨年アンケートでは69%。全体の3分の1から3分の2へと、割合は6年間で2倍へと増加しています。

 利用していない空き家の状況も、昨年のアンケートでは、築30年以上が69%、また築40年以上となる昭和56年の耐震基準より前に建てられた住宅だけでも44%。老朽化が相当進み、耐震性にも不安が残る状態です。

 僅か6年の間でここまで進んでいる状況。今後有効な手だてが取られないまま推移すると、この勢いさらに増して、一層深刻な状況に直面することにならないかと考えるわけですが、この辺の状況をどのように見ておられるでしょう。

企 画 課 長  お答えいたします。

 空き家の建築時期等については、議員ご指摘のとおりでございます。

 そのような状況から見ても、議員がご指摘のように、ますます本町においても、いわゆる現在の法体系で言えば、放置空き家、管理不全の空き家ですとか、または特定空家というものが増えていくというところ、今現在はございませんが、それについてが発生していくとようなところについても想定されるでないかなというふうには考えてございます。

 また、そのようにならないために、町長からもご答弁差し上げたとおり、本町独自でできるものというところについてはなかなかございませんが、特に空き家のところについての利活用を促すというところが大きなところかと思いますので、空き家バンクの利活用もそうなんですけれども、まずは空き家にならないための相談体制の充実だというところについては、なかなか本町独自ではできませんが、近隣市町等との連携ですとか、または、いわゆるその業界の方との連携とかというところを活用させていただきながら進めていくというところについてを、現在どんなふうな形で進めていけばいいものができるかというところについてを検討させていただいているところでございます。以上です。

尾 尻 孝 和  昨年アンケートでの空き家のこれからの利用の意向、そのアンケートで、売却譲渡と回答された方が、その懸念事項として、複数回答ですが、更地とするための取壊し費用が92%、家財道具片づけの手間を挙げられた方が50%、買手が見つかるか不安という方が58%、契約手続の手間42%。

 また、空き家の利活用に当たり行政に望むことはという問いに、修繕取壊し費用の助成が、前回34%でしたが、昨年アンケートでは70%。よい借手の紹介が前回20%でしたが、昨年アンケートでは39%。いずれも2倍に増えています。

 このような空き家所有者の悩み、行政としてどのように受け止めておられるでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 本町の空き家調査においても、そういうような結果が出ていると、議員ご指摘の結果が出ているという状況でございます。

 そのような中で、町の中では、先ほどのお答えと重複してしまいますが、空き家を出さないための仕組みもそうですし、空き家となってからについても、どのような形で、いわゆる放置空き家にならないようにしていくのかというところについてを、国の税制だとかというところもございますが、そういうところをどのような形で町としてフォローアップしていくのかというところが、大きいのかなというふうに考えてございます。以上です。

尾 尻 孝 和  今年の3月の議会で同僚議員の空き家活用推進補助金についての質疑に、担当課長がこのように答弁されています。

 空き家をお持ちの方が、正直言って困っていないというのでしょうか。空き家を持っていること自体に困っていないというのが一番大きな、空き家の流通がしない理由、こういった答弁がされました。

 私、実にこれ、本質を突いた答弁だったと思います。今年3月発行された中井町都市マスタープランの全体構想では、土地利用の基本方針の中で、住宅地について、土地や建物の流通の活性化と、良質な住宅の提供を促進しますとの記載があります。

 この土地や建物の流通の活性化と良質な住宅提供を促進するため、何が必要とお考えでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 ご質問に対するご回答が非常に難しいというところが本当のところなんですが、担当課、企画課としては、尾尻議員ご指摘のところについては、まず、空き家のことで言えば流通対策をしていくこと、いわゆる流通に乗っけていくというところが大切なことだと思いますし、なかなか新築志向というところもございますので、空き家の利活用難しいというところについては、十分分かっているんですけど、そこの中でも、空き家、その土地自体についての有効に活用していくというところについてが必要なのかなと思っています。

 また、本町独自で、なかなか税制の部分についてを、例えば固定資産税だとかというところについての、軽減なりまたは重課なりというところについては、なかなか困難だというところについてが実情かというふうに思ってございますので、まずは現行の、例えば市街化区域内のところについてを、いわゆるその市街化区域内としての土地利用をしていただくだとか、そういうところについてを町として広報を通して、または所有者の方に働きかけていくとかというところについてが、町の中で現時点でできる施策なのかなというふうには考えてございます。以上です。

尾 尻 孝 和  町としてもいろいろ苦慮されながら、しかし、そういう中で、様々な手だてもこの間取ってこられました。

 例えば空き家バンク、平成29年から運用開始され、今年までの7年で登録が8軒、この間、町の広報に掲載して、納税通知にチラシを同封し、またシルバー人材センターや宅建協会と協定を結んで、町内業者に協力を要請されるなどを行われています。

 この登録されたものは全て成約されていますが、まだ僅かしか利用されていません。空き家はあっても、登録がされないという状況が現在あります。

 中井町でも2回のアンケート調査で、空き家所有者の意向確認までは行っています。これをさらに踏み込んで、空き家所有者への情報提供を兼ねた相談など、働きかけはされたのでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 空き家バンクの利用については、平成29年の7月から始めさせていただきましたが、現在までにおいて6軒の利用ということで、議員ご指摘のようになかなか利用していただけないというところがございます。

 また、こちらのほうについても議員のほうからお話もございましたが、固定資産税納税通知書のほうには、空き家バンクの利用ですとか、または空き家に関係した税制だとかというところについても、併せてご通知を差し上げた中で、空き家バンクの利用の活用をお願いをさせていただいたところですが、それでも、やはり空き家調査の結果から見ても、なかなか空き家バンクの存在が知られていないというところも、残念ながら一部見受けられるというような結果となってございます。

 このようなことから、今までは、なかなか周知のチラシについても個別の方にお渡しするものについては、いわゆる納税通知書のときにしかございませんでしたが、もう一歩、担当課としては、例えば所有者に直接働きかけるような、なかなか町でできることというと、通知ですとかまたはそのご案内と、こういう制度ですよというご案内というところになってしまいますが、そういうものについては、もう少し積極的な展開を行っていくべきだったなというところの反省もございますので、それらについては、その実現に向けて検討をさせていただいているというところでございます。以上です。

尾 尻 孝 和  次に、空き家活用推進補助金、これですが、平成29年7月から実施されて7年、今年まで6軒利用されています。

 当初は、購入された空き家の改修に40万円から100万円の補助でしたが、その後年齢要件、施工業者についての条件が改定され、今年度は、空き家の購入だけでも補助対象となりました。

 自分の家が欲しいという方、やはり、新築を望まれる方が多いと私も思います。空き家つきの宅地を購入し、空き家を取り壊す経費も補助対象として拡大されてはいかがかと考えますが、どのようにお考えでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 空き家活用推進補助金につきましては、議員のほうからご案内いただいたとおり、本年度令和5年度から補助要件の拡大をして、今までの子育てとか、または若年夫婦世帯だけの補助金だったものを、空き家を購入していただくだけでお支払いできるような、補助要件を大幅に拡大をさせていただきました。

 また併せて、空き家をお持ちの方の流通促進ということで、町長のほうからもご答弁させていただいたとおり、適正管理の補助金というのも新たに創設をさせていただいたところでございます。

 尾尻議員のご質問の補助要件の拡大というところでございますが、たしか予算審議においても、同僚議員のほうからご質問いただいたというところもあるかと思いますが、現在においては、ここの令和5年度の補助要件を拡大した中での推移を見ていきたいというふうに思ってございます。

 また、空き家といえども個人の所有資産でございますので、そこの部分について行政が公的な費用をどこまで投入していくかというところについても、併せて考え合わせなければいけないというところについては、重要なことだと思っていますので、そこの部分についても考え合わせながら、どのような形の適正管理のための補助が必要かというところについては、長い目で必要に応じて検討させていただきたいと考えてございます。以上です。

尾 尻 孝 和  移住・定住推進事業補助金というのがございます。転出抑制、Uターンへの補助を目的に、3世代同居として平成30年度より実施されました。

 補助額は80万円プラス町内事業者の利用でさらに20万円。平成30年度から始まって6年、これまで22件の利用です。

 今年度からは、Uターンに加え、Iターン、Jターンも補助対象となり、1件当たりの補助額は60万円になりましたが、間口は大きく広がりました。

 今年度変更後の利用状況は2件とのことですが、町内に新しく分譲されたところもあります。

 補助制度の周知、どのようにされていますでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 現状のこの定住促進事業のほうについての補助の周知のほうにつきましては、主にはホームページといったことだとか、いわゆる広報紙だとかのところになりますが、また、いわゆるシティープロモーションの中で、他の市町に出向いて町の事業を紹介させていただく機会もございますので、その中においては、チラシ等を作成させていただいてございますので、そのような形の頒布というのもさせていただいた中で、周知をさせていただいているというところでございます。以上です。

尾 尻 孝 和  今回、転入されている方、結構な数になると思います。こういう方も大いに活用の条件に入るんじゃないかと思いますので、ぜひ周知のほどをよろしくお願いしたいと思います。

 空き家バンクに登録した物件が成約した場合、所有者に10万円の補助金の制度、今年度からの事業です。先ほどもちょっと紹介ありました。現在まで、まだ利用は1件だということです。

 これまで、空き家活用も、移住、定住も、転入する人への補助事業であったものから、流通の拡大を狙った事業として、10万円ではありますが、私、大事な1歩だと思います。

 空き家バンクへの登録を促すためにも、この10万円の補助額、もう少し引き上げる検討されてはいかがでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 先ほどの、空き家活用推進補助金と同様なんですが、これについては令和5年度から、今年度から新たに始めさせていただいた事業でございますので、すぐに額を増やそうというところについてまでは、現在検討していないというところが状況でございます。

 また、空き家活用のための適正管理補助金については、県内の中でも本町だけではございませんが、まだまだ補助金自体を取り入れている団体というのは、神奈川県内でも少ないというふうに考えてございますので、まずはこの補助金の活用、また、どのぐらいの形で空き家バンクの利用があるのかというところについても見合せながら、検討させていただきたいと考えます。以上です。

尾 尻 孝 和  先ほど同僚議員の質問に、結婚新生活支援事業、これは来年度以降も続けたいというお考えが示されました。今年度は国の支援がかなり入っているわけですが、これは、来年度以降も同じように入るんでしょうか、入らないでしょうか。その辺のところの事情、入らないでも独自にやりますということなのでしょうか。お願いします。

企 画 課 長  お答えいたします。

 結婚新生活支援事業につきましては、本年度においては、国の補助金、また県の補助金、両者から得て実施をさせていただいているというところでございます。

 令和6年度においても、現在においては国、県とも同様な補助金制度が見込まれますので、本町の中ではそれらを活用した中で、国、県の補助金の活用ができる範囲内で実施をしていきたいというのが令和6年度においての考え方でございます。以上です。

尾 尻 孝 和  補助が6年度も続けられるというお話でした。

 今、幾つか挙げましたように、空き家対策、若い世代を迎え入れる対策、この間いろいろ考えられ、工夫もされ、努力も重ねてこられました。

 しかし、先ほどちょっと紹介しましたが、3月の答弁にあった空き家をお持ちの方が正直言って困っていないというのでしょうか、空き家を持っていること自体に困っていないというのが一番大きな空き家の流通がしない理由。この答弁、この問題への有効な手だてにはまだまだ至っていない。これが実情だと思います。その辺のところ、どのようにお考えでしょう。

企 画 課 長  お答えいたします。

 尾尻議員ご指摘の発言については、担当課長として私がご答弁差し上げた内容かなというふうに思いますし、また、本当に、担当課長として、空き家調査とかも行わせていただいて、結果を見ても、実感としてそういうふうに感じてございます。

 そのような中で、現在、令和5年度においては、空き家の活用の関係ですとかも含めて補助金の額を拡大させていただきましたが、いわゆる補助金だけでなくて、その相談体制、町長からご答弁差し上げましたが、相談体制というところについても非常に重要なのかなというふうに考えてございます。

 特に、本町においては、建築の専門職員もございませんし、また、不動産取引だとか税制に、いわゆるその、ご紹介はできますけれども、ご相談に乗るというところまではなかなかできないというところが本町の実情でございますので、先ほどのご答弁と重なって大変恐縮ですが、そのようなところについては、もっと充実させる必要があるかなというふうに考えてございます。

 国の中では、空き家等の対策の、いわゆる空き家法が、今年の、もう少したつと新しい空き家法、改正法が施行になりますが、その中でも空き家の発生と管理不全と特定空家というところで、それぞれ3つ中を分けながら、まずは空き家を発生させないような仕組みをつくっていこう、発生してしまったらその活用をどうしていくのかとかというところについても、国の法制度の中としてもそのような枠組みができてございますので、それらの法制度等にのっとった中での本町での取組だとかというところと、また、独自の中で、空き家調査も実施させていただいてございますので、その中で、また、実際に空き家をご所有の方に対してどういうアプローチをしていくことが有効かというところについては、できれば、新たな視点の中でもアンケート調査等を実施させていただいた中でやっていく必要があるのかなというところについてが、担当課長としての実感でございます。以上です。

尾 尻 孝 和  町としても大変悩みながら対応されているということですが、空き家を持っても困らないというより、むしろ積極的に空き家として残す理由となっているのが税金対策です。

 固定資産税は、公示価格のおよそ7割と言われる固定資産税課税評価額、その1.4%が毎年の固定資産税額となります。

 なお、住宅用地には固定資産税の軽減措置があり、200平米までが6分の1、200平米を超える部分は3分の1の課税評価額となります。200平米の住宅用地の評価額が500万円とした場合、固定資産税評価額が350万円、1.4%の税率を掛けると4万9,000円。この土地に住宅が建っていれば8,100円ほどの年間固定資産税額で済みます。

 空き家を放置すると近所迷惑になるからと、200万円あるいは300万円というお金をかけて住宅を取り壊すと、固定資産税は毎年4万9,000円、6倍の税金を払うことになります。

 300万円かけて家財道具を整理し、家屋を取り壊した土地が仮に500万円の評価額で売れたとしても、売却にかかる税金、不動産業者に払う手数料などで、手元には僅かな金額しか入ってこない。もし売れなかったら、家財整理、取壊しにかかった経費が戻ってこないだけでなく、毎年6倍の固定資産税がかかってくると。こういった事情が、空き家を持っていても困らないというより、むしろ空き家を放置する1つの理由になっていると考えますが、いかがでしょう。

企 画 課 長  お答えいたします。

 空き家の発生する大きな原因というところについての、税制面においては、尾尻議員と全く同一の認識でございます。いわゆる管理がされてない住宅においても減免適用されるというところがございます。

 また、新しく空き家法の法改正の中で、管理不全空き家だとかというところの要件も出てきましたが、いずれにしても、いわゆる普通の空き家であれば、減免制度が適用されてしまうというところについてが、税制面での、大きな空き家が発生する原因だというふうには考えてございます。以上です。

尾 尻 孝 和  先ほど空き家法の話がちょっと出ました。

 この空き家法の改正が、国会の全会派賛成で成立して今年の6月に公布され、今月の13日に施行されます。改正項目の1つに、固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置、こういうのがあります。

 特定空家に至らない管理不全空き家についても、市区町村長から勧告を受けた空き家の敷地について固定資産税の住宅用地特例を解除する、こういった措置になります。

 管理不全空き家とは、適切な管理が行われていないことにより、そのまま放置すれば特定空家となるおそれのある空き家と規定されていますが、中井町ではこれまで管理不全空き家として指導を行ったのはありますでしょうか。

 また、勧告までいったのがありますでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 現行の法制度の中では、特定空家のところにおいては、勧告等が町側からできるという制度ございますが、そこまで至った、町から所有者の方に勧告等を行ったという事例はございません。以上です。

尾 尻 孝 和  今後、この特定空家でなく管理不全空き家への指導勧告について、この法改正も含めてどのように対処されるつもりか。課題などあれば、併せて紹介いただけないでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 議員おっしゃいますように、特定空家化を未然に防止する措置ということで、管理不全空き家という新たな考え方が、国の中で法制度化されたというような状況でございます。

 そのような中では、町長から指導だとか勧告についても、国が示す管理指針に基づいて出すことができるというような法規定にはなってございますが、具体にその規定を動かすためには、本町において、管理不全空き家にしても特定空家にしても、どのような形での、いわゆるガイドラインは出てございます、国が出てございますが、どのような形でその制度を動かしていくかというところについては、町の中でもまだなかなか整理が足りてないところでございます。

 そこら辺の考え方の整理については、町の中で、今後、早急に行っていく必要があるというふうには考えてございます。以上です。

尾 尻 孝 和  今回の空家法改正では、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の適用期間、これが4年間、20271231日まで延長されました。

 併せ、今まで売主が譲渡前に耐震改修工事または建物の取壊し工事を行って売りに出した場合、数百万円かけて取り壊したものの売れなければ土地の固定資産税を6倍負担することになり、空き家を売ろうという判断をちゅうちょする要因にもなっていましたが、今回の改正で、買主が譲渡後に耐震改修工事、または取壊し工事を実施する場合も、売主の譲渡所得を3,000万円特別控除できるようになりました。

 つまり、売主は建物を取り壊さなくても、そのまま売りに出し、売れなくとも固定資産税6倍化の心配はなくなるわけです。

 紹介しましたように、今回の空家法改正、コーナー合わせて空き家の流通を引上げようとしています。中井町都市マスタープランの掲げる、土地や建物の流通の活性化と良質な住宅提供を促進します、という課題、推進する上で空き家法の改正、効果的に生かした取組が必要となるのではないでしょうか。いかがでしょう。

企 画 課 長  お答えいたします。

 特定空家等の関係も含めてなんですが、相続した空き家の譲渡所得の特別控除等については、議員ご案内していただいたように、令和9年度まで延長されたとかというところで、税制措置の拡大というか拡充もされているというようなところでございます。

 そのようなところを契機として、町としても、空き家を流通させていく対策というところについては、併せてやっていく必要があるというところについては、議員と同様に考えてございます。以上です。

尾 尻 孝 和  先ほど空き家の今後について触れた際、今から20年間で、中井町の持家住宅2,800のうち、高齢者世帯の持家住宅およそ800を超える住宅が住む人のいない空き家となる可能性を指摘しました。

 空き家対策は、空き家になってからでは遅過ぎます。自分の家に人が住まなくなったそのときどうするか。判断できるうちによく考え、方向を決めておかなければなりません。

 親の住む家が空き家となったとき、どのようにするのか。親とよく相談しておくことが必要になります。

 そのために、行政が何ができるか。取り組むべきことは、どのようなことなのか。成り行き任せでは、大量の空き家が発生することになります。

 行政としてまずできることは、情報の提供だと考えます。空き家となったときどのような課題があり、どのような対応が可能か。相続、税金、補助制度、リフォーム、取壊し、売却。実に様々な課題についての情報提供が必要になります。

 一度にまとまったものとはいかないと思いますが、系統的に積み上げ、判断の材料となるものの提供に取り組んでいただきたいと思いますが、いかがでしょう。

企 画 課 長  お答えいたします。

 尾尻議員おっしゃるとおりだというふうに考えてございます。

 まずは空き家にならない、または空き家が流通する、空き家を、失礼な言い方ですが、生前のうちにこの家をどう処分していくんだとかというところについてのお話合いをしていただくというところのためには、まずは情報提供をしていく、確実に届くような情報提供していくというところが必要だと思いますし、先ほどのご答弁と重なってしまいますが、そのための相談窓口というところ、専門的な相談窓口のご案内というところも必要だと思います。

 それも含めて、先ほど最初に町長がご答弁させていただいたように、空き家の情報提供の在り方というところについては、広域化だとか、またはいわゆる業界団体との連携だとかいうところを活用しながら、考えていきたいというところが考え方でございます。以上です。

尾 尻 孝 和  情報の提供、そして2つ目には懇談会、説明会などを通じた啓発の取組、これができるのではないかと思います。

 そして3つ目には、高齢者への訪問の機会に考えてもらうきっかけとなる資料を渡して、相談窓口の紹介などをできたらよいのではないでしょうか。

 そして4つ目には、個別の相談に乗る体制、相談窓口をつくり、職員だけでなく専門家の知恵も聞けるような体制、できないものでしょうか。いかがでしょう。

企 画 課 長  お答えいたします。

 議員おっしゃいますように、情報提供、啓発、あと資料の提供、相談窓口を設置というところについては、いずれも必要なところだというところには認識してございます。

 ただ、どのような形でやっていくかと、また、特に相談窓口だとか資料のほうについても、どのような形でやっていくかというところについては、いろいろ課題もあるかというふうには考えてございますので、現状何ができますというところはちょっと申し上げなくて、大変恐縮なんですけど、まずは町内の中で、どういうところは現実的にやっていけるのかというところについては、関係各課で相談をさせていただきながら、取組をさせていただきたいというふうに考えます。以上です。

尾 尻 孝 和  現在自宅にお住まいの高齢者、あるいはその息子さん娘さん、こういった方が、現在住んでいる住宅、今後どうするか決めていく。そのきっかけとなり、また、考える援助となる行政の取組が必要です。

 中井町として、放置空き家にならないで流通につながるよう、現在の所有者または相続する所有者を対象にした政策、具体的に検討を進めていただきたいと思います。

 これから20年間で住む人のいなくなった住宅800棟の多くが放置された空き家となっていくのか、それとも若い世代の住む住宅として生まれ変わっていくのか。それを左右する政策になると思います。

 先ほど4点ほど提案しました。ほかにも、こういう分野で検討したいというようなことなどお考えでしたら、紹介いただけないでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 尾尻議員からも先ほど4点ほどご提案いただきました。

 また、最初に町長からご答弁差し上げたとおり、窓口等も含めて町側からとして現在考えているアプローチについてもご答弁差し上げました。まずはその取組を着実に進めていくことが重要だと考えてございます。以上です。

尾 尻 孝 和  中井町、若い世代が家が欲しい、環境のよいところに住みたい、こういった声に応えられる可能性、十分、私あると思います。

 北窪の分譲地、25世帯が瞬く間に埋まろうとしています。

 井ノ口の市街化区域なら、住む人のいなくなった空き家、ないしその土地が売りに出されれば、環境のよいところに自分の家を建てたい、手頃な値段の土地を欲しい、こう願う若い世代、着実に現れるのではないでしょうか。いかがでしょう。

企 画 課 長  お答えいたします。

 議員ご指摘のように、特に井ノ口地区においては、いわゆる集団的な住宅販売がされると、買手がすぐつくというような状況だというところについては、町としても認識をさせていただいてございます。

 また、特に国の調査の中においては、いわゆる地域コミュニティーだとかというところが、いわゆる、言い方があまりよくないんですけど、わずらわしいだとか面倒だとかというところについても、空き家活用が進まない理由として、国の調査の中では挙げられているというところもありますので、そういうところの、いわゆる地域コミュニティーの在り方というところについても、少しはちょっと町の中でも考えていく必要があるのかなというところについては認識してございます。以上です。

尾 尻 孝 和  中井町の農家住宅が広がっているような地域、そこも若い世代の願いに応える条件があると考えます。

 駅まで車で10分から20分かかったとしても、手頃な価格で豊かな自然に囲まれ、広い敷地で友達を呼んでバーベキュー、家庭菜園や広い花壇を楽しむ、あるいは広い芝生の庭と平屋の家も可能になります。

 子どもさんの毎日の通学、それから免許返納した後の移動への手だてが行政によってしっかり取られれば、あとは自家用車での生活、困ることもありません。

 事実、これらの地域でも、ゆったりとした流れではありますが、空き家ないしその土地が売りに出されると、その多くが移り住む人で埋まっています。これらの地域も、若い世代の手頃な価格で条件のよいところに家を持ちたい、この願い、応えることができるのではないでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 本日の同僚議員の一般質問にもございましたが、総合計画でもそうですし、また、都市マスのアンケートでもそうなんですが、やはり交通だとか買物だとかというところが本町の弱点とされています。

 そのような部分についても、いろいろな各種施策によって補ったりとかというところもございますが、現行制度もそうですし、町の、例えばオンデマンドバスもそうなんですけど、そういうところをうまく活用させていただきながら、町のほうについてはうまく運用していきながら、そういうところについての環境をつくり出していくというところは、非常に重要なことだと認識してございます。以上です。

尾 尻 孝 和  人口減少と少子化、これは日本全国共通した課題です。若い世代が結婚や子育てに希望を持てる社会をつくっていかなければいけません。

 1つの自治体でできること、限度もあります。

 しかし、その中で、中井町の条件にかみ合った独自の人口減少、少子化対策はできます。

 中井町の周りには、秦野、平塚、小田原などで働く若い皆さんたくさんいます。中井町は、昼間の人口が多い自治体であり、昼夜間人口比率は、県内トップクラスです。

 中井町に毎日通ってこられる方は5,500人。町のアンケートに、条件が整えば住んでもよいと答えた方が5割を超えています。

 首都圏と言っても外れですが、現実に、東京や横浜まで通っている皆さんもおられます。

 広い自宅でリモートワーク、そして必要に応じて出勤。こういった働き方に適した地域でもあります。

 そして、何より、豊かな自然と安価な土地、こういった条件を生かした中井町の人口減少への対策、少子化への対策、若い世代の願いに応える対策、これに最も効果を上げるのが土地や建物の流通活性化、このことではないでしょうか。

企 画 課 長  お答えいたします。

 最も効果を上げるかどうかというところについては、申し訳ない、私もちょっと判断できませんが、ただ、重要であるということについては、私も同様に考えます。以上です。

尾 尻 孝 和  800の空き家の多くが、住むでもない、売るでもない、貸すでもない、かつ、管理されないで放置されたまま荒廃していくのか、それとも、そこに若い世代が家を建て、あるいはリフォームし、移り住んで暮らすのか。

 人口減少は続くにしても、20年先には大きな違いとなると思います。

 発生した空き家を放置せず活用する。あるいは、売りに出す、貸しに出す、その流れをつくっていくためには、町の補助制度をさらに充実させることが必要です。

 併せ、今自宅で生活している高齢者が、自宅が今後空き家になったとき、自身と家族にとって最もふさわしい処置、それを今から判断し、手だてが取れるよう町として支援していく。そのことがかぎになるのではないでしょうか。

 最後に、この点での町長のお考え、いかがでしょう。

町     長  ご指摘の空き家の課題、本当に切実になってくると思います。

 同時に、現状、本当にいざ空き家を手放そうとした場合、本当に手放せない状況までなってしまっているという状況もあると思います。

 もちろん、私も、ある方から頼まれて町内50軒以上見て回りましたけど、何かに使うという意味での残している方、それがある段階から過ぎていくと、もう使えない、改修にはもう多額の費用がかかるというところで、そのグラデーションがバーッと広がっている状況です。

 そこにおいて、なかなか今ここで住みたいという家が見つからないというまま、その方には十分なお答えができませんでした。それが5年前でございます。

 この状況は、より一層苛酷になっていると私は思っています。

 さらにはご指摘のとおり、これから団塊の世代の皆様、後期高齢を迎えております。その中で、新たにご指摘あった空き家の増加傾向も、拍車がかかってくるという理解もせざるを得ない状況だと思っています。

 今、相談体制というところで、どうしても専門家、本当にアドバイスを受けながらというところで、まずは的確な、家に関しては処分、あるいは新たな次の取組というところで、専門性をどうしても必要としていますが、もう少し間口を広げながら、終活であるとか、あるいはこれからの暮らしをどういうふうに考えていこうかという素朴なところ、それは介護も含めてです。そういったところも含めて、私たちが、もう1回老後と向き合っていくような状況をご協力できるというふうに思っています。

 そういう意味で、入門編のものをしっかりとご用意しながら、それはご自分の体のこと、それは、ある意味では自分の財産のこと、ある意味ではこれからのその方にとっての家族のこと、そういったものも踏まえた、これからを描けるようなものを1つつくっていきたい。そこを通して、より専門性、より必要なもの、それは介護であり、家のことであり、財産のことであり、そういったふうに広がっていくような入り口をつくっていきたいというふうに思っております。

 さらに、若い人の希望をかなえるという点では、やはり、おっしゃられる、私も廉価で、比較的、本当に廉価で広い土地を入手できましたし、そういう点では、この中井町、本当に恵まれているところであります。

 そこの、まだまだその余地もございますし、でもやはり、出し方によって、いわゆる造成地はぱっと行きますけど、空き家あるいは更地で出ているところ、なかなかそういうところには目がお向きにならないし、広まりもなかなかつかないというところもございます。

 本当に一家族一家族との地道な出会いを通して、この人口獲得、それは私は一家族一家族でいいと思っているんです。そしてそれは取り合いではなくて、願いをかなえるという意味での一家族一家族との出会いですから、そこを大事にしながら取り組んでいきたいというふうに思っています。

 その点では、大きな花火を上げるのがいいのか。もっと、メッセージとして、暮らしと子育ての超穴場なんだというところを、もう一度皆様にお知らせできるような取組を通して、若い方たち、また地域活動の即戦力になられます僕らの世代、50代でも40代でも、本当に出会いがあるのであれば、そこは道をつくっていきたいというふうに思っています。

        ただ、どうしても出物が少ない、先ほど申し上げたグラデーションの中で            見つかる家がないというところでは、まだまだ課題がありますので、その発掘を十重二十重、間口を広げた形で説明会、さらには、いろいろな制度ございますけど、また、角度を変えながら取り組んでまいりたいというふうに思っています。以上です。 

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